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19話 ミスリルと黒い魔石

「そしてついに魔族が奥の手で大量の――」


「ほうほう」


 池田の『いかに魔族と戦ったか』のアピールタイムが続いている。

 ダン爺さんが、それはそれは楽しそうに聞いてらっしゃる。

 俺、もう帰ってもいいかな?


「――で、気づいたら魔族が死んでたのよ」


「いや、いきなり死んでおるぞ! どうやって倒したのか抜けておるぞ!?」


 流石に最後の適当な締め方にツッコミが入る。

 池田が俺を見ながら――


「だってさー、戻ってきたら死んでたんだもん。その辺は鬼塚君にきいてよね」


 こらー、勝手に矛先を俺に向けんでくれー。

 仕方がないので話を引き継ぐ。


「――と、こんな感じで相手が油断してくれまして……」


「なるほどな。じゃが不意打ちだろうが油断だろうが、運だけで勝てるほど魔族は甘くない。間違いなくお主らは相当な使い手だという証拠だ」


 ダン爺さんは考え込む。


「となると、お主らの装備は【ミスリル】が妥当だろうな」


 ミスリルか。

 よくゲームとかででてくる魔法金属だ。


「ミスリルには持ち主の魔力を吸収して能力を向上させる特性がある。使い手によっては、性能以上の効果を発揮してくれるぞ」


 ――ん?

 魔力……それって……。


「池田……」


「なに?」


 俺は死刑宣告を告げる。


「魔力のないお前にはミスリルは使えない」


「なななな、なんだってー!?」


 思いのほかショックなのか、膝をつき地面に両手をついて絶望してしまう。


「なんだ。お前さんは魔力なしかよ。そいつは困ったな……」


「魔力がない代わりに、バケモノクラスの生命力とか身体能力があるんで、損はしてないんだけどね」


 実際は、魔力はあるがバットに全振りされて他に回せないだけではあるが、実質魔力なしと変わらないんだよなぁ。


「バケモノクラスの生命力……まて、もしかしたら【あれ】が使えるかもしれん」


 ダン爺さんが奥のほうから何やら黒くて丸い宝石を持ってくる。

 しかも直に触らないように、火鉢のようなもので挟んでいた。


「こいつは生命力を魔力に変換する魔石だ。だがな、人間の生命力なんて大した量などない。それを魔力に変換しても、生命力を奪われて死にかけるに見合うメリットがない。つまり、使い道がない代物だ」


 そういうとダン爺さんは落ち込んでる池田にそれを渡す。


「どうだ? 気分が悪くなったりせんか?」


「別になんともないけど?」


「ガハハハハ! そうかそうか! 本当に生命力がバケモノ並らしいな! だが喜べ! そいつを埋め込んだミスリル装備ならお前さんも使えるぞ!」


「ホント! ホントにホント!」


「おうともさ! くぅーっ! どんどん作りたい構想が浮かんできやがるぜ!」


 ダン爺さんが子供のように、あれでもないこれでもないと何やら頭の中で構想を練っている。


「あ、俺たち近々ある大規模討伐に参加するんですけど、それまでにできますか?」


「話には聞いてたが大規模討伐に参加するのか。俺のところにはそれ関係で、いつも以上に武器をおろすようにいわれてたな。まあ、そっちのノルマは終わってるから安心せい。しっかりと仕上げておくぞ」


 おお、魔物の大群と戦うとなると、よい装備はあったほうがいいから助かる。


「代金のほうは幾らに――」


「金の話はするな!」


 そういうと真剣な眼差しで俺と池田を見つめる。


「代わりに、お前さんたちの装備は、今後も儂が受け持たせてもらうぞ! 他の奴らなんぞの作った装備など使わせてなるものか!」


「えーと本当にそれでいいんで?」


「ふん。金など死ぬまでに使い切れんほど溜まっておる! ならば残りの人生はお前さんたちの専属として自由にさせてもらうぞ」


 そういうとガハハハハと気持ちのいい笑い声をあげていた。

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