11話 この喧嘩買ったぞ
「ちょっと聞いてよ! 痴漢が出てさー、先手必勝で思いっきりぶっ飛ばしてやったわよ」
「そっかー」
合流したら開口一番でそんなこと言われた。
ぶっ飛ばした相手はあの高さまで吹っ飛んで生きてるのかなぁ。
まあ、別にどうでもいいか。
「さて買い物も済んだし、そろそろ戻ろうか」
合流する前に自分の分の買い物は済ませてある。
「だねー、あたしも十分買ったからもういいかな」
このホクホク顔である。
いくら使ったかなど怖くて確認できない。
とりあえず帰ろう。
そうしよう。
『緊急回避します』
歩いているとヘルプちゃんの突然の言葉と同時に体が勝手に動く。
すぐそばをブオンと風を切る音が通り過ぎ、近くでゴンッっという何かがぶつかる音が響く。
周りをみれば十数人の人相の悪い男たちに取り囲まれていた。
ちなみに池田はぶっ倒れていた。
近くに棍棒を持った男がいるから、あれで殴られたんだろう。
ちなみに俺の攻撃担当は剣である。
避けなかったら死んでるからシャレになりませんって。
「勘のいい野郎だ」
リーダーっぽい男がニヤニヤと嫌な笑みを向けてくる。
「暴力反対」
とりあえずささやかな抵抗をしてみる。
「女は売り物にするから生かすけど、男はいらねーんだわ」
殺すぞ宣言いただきました!
「とりあえず俺は怖いから手を出さない」
「なんだ抵抗しねーのかよ」
俺はリーダーの男に言ったわけじゃない。
その背後に立っている池田に向けて言ったのだ。
「これから行うのは正当防衛だよねー」
池田がバットを取り出す。
そこからは一方的だった。
もの凄い速さで動き回りながら全員バットで滅多打ちである。
全員制圧するのに1分もかからなかった。
「この喧嘩買ったぞ! アジトどこよ! 今すぐ殴り込みじゃー!」
妙なハイテンションでアジトの所在を聞き出している。
うん、魔法なしの殴り合いで勝てる気がしないな。
「ホントにいくのかー……」
俺はため息をつきながら、池田が聞き出した連中のアジトに向かっている。
「いきなり頭殴られて許せるかー!」
もうヤル気だ。
そう、間違いなく殺る気だ。
ちなみに頭は大丈夫かと尋ねたら「メッチャ痛かった」そうです。
痛いですむとか頑丈だな!
『調子に乗っている悪党は肥え太っているでしょうから、たんまりいただいてしまいましょう』
ヘルプちゃんも臨時収入が手に入ると若干うれしそうであった。




