9話 宿屋【黒猫のたまり場】
「この先はどうするつもりなの?」
「どうしようかな」
俺はチラッとヘルプちゃんへ視線を向ける。
『宿の確保がよろしいかと。あまり遅くなると、空いている部屋がなくなる恐れがあります』
「宿でも確保するかな」
ヘルプちゃんのアドバイスをそのまま口にする。
「おっけー」
俺たちは冒険者ギルドに向かう途中にあった宿屋【黒猫のたまり場】へと向かった。
「いらっしゃいませー」
宿へ入るなり10歳くらいの可愛い女の子が出迎えてくれた。
可愛いなー、癒されるなー。
『マスター』
振り返るとヘルプちゃんが10歳くらいの少女になってた。
いや、別にそういう趣味ないから元に戻ってね。
『……分かりました。しかし、わたしはマスターがどんな性癖だろうと受け入れられます!』
……ヘルプちゃんの愛が重い。
「部屋を取りたいんだけど空いてるかな?」
「はーい。お母さーん、お客さんだよー!」
少女が元気よく叫ぶと、奥からぽっちゃり体系だけど美人な女性が出てくる。
どうやらこの人が女将さんらしい。
「とりあえずこれで何日泊まれるかな?」
俺は金貨1枚を差し出す。
「はぁ? 金貨だって?! うちは一泊で銀貨5枚だから、20日泊まれるよ」
『一泊銀貨5枚は一般的な値段ですね。治安という意味でもこの辺が無難だと思われます』
じゃあ決定だね。
「なら20日宿泊させてもらおうかな」
「気前がいいお客さんは大歓迎さ。すぐに部屋の用意をするからまってておくれ」
女将さんが部屋の準備を始めようとすると池田が待ったをかける。
「ちょっと待ってよ! あたしも泊まるからね!」
テーブルに俺と同じく金貨1枚を置いていく。
「あいよ。お二人さん準備にしばらくかかるから街中でも散歩しておいで」
「じゃあそうさせてもらおうかな」
俺は時間をつぶそうと歩き出す。
「ちょっと待ってったら!」
池田が後ろから慌ててついてくる。
「いってらっしゃーい」
女の子が元気よく俺たちを見送ってくれるのであった。
金貨1枚=銀貨100枚
銀貨1枚=銅貨100枚




