#3
なんでって言われてもな。だって人間は万年発情期なんだぜ?
いくら理性が備わってるただひとつの生物だと言っても、所詮本能には敵わない。
種族を繁栄させる事を遺伝子が望んでるんだからもう仕方ないだろ。
男は頭と身体は別の生き物なんだよ。もっと細かく言うと下半身はもう自分の意志とは別の生き物なんだよ。制御不能。
まぁその子孫繁栄を無視してしまってる俺が言えた事ではないのだが。
大体さ、秋良はリバじゃないから俺突っ込む方出来ねーし。
たまには突っ込みたくもなるだろ男なら。
まぁ突っ込まれたりもしたけどさ。
「……なんで俺じゃダメなんだよ。俺は大和だけなのに」
「え?だったら秋良もまた浮気すればいいじゃん。今時1人にこだわる時代じゃないしさー。俺は怒らないよ?むしろ賛成だよ?」
ドントコイだよ?
「それはお前にとって都合がいいからだろうが!俺はお前しか要らないって言ってんだよ!なのに口を開けばすぐに別れるとか言うし!俺は絶対別れてなんかやらねーからな。しかもなんだよ、何で俺に告って来た奴の中で大和を抱いたのが居るんだよ?あいつら俺に抱かれたかったんじゃねーのかよ」
「ああそれはなー、いくら外見が可愛くてもバリタチとか居るしな。タチがタチとヤリてーって考えもあんだよ。んで俺はリバだから都合が良かったわけで…ヤッちまおうと思って気付いたらヤラれてたよアハハ」
「んな話聞きたくねーよ!」
なんだよお前から話出したんじゃん。めんどくせーなもう。情緒不安定か。乙女か。生理周期か。
そもそも秋良はバイでもなけりゃゲイでもない。
俺と付き合う前は彼女とか居たし普通のノンケだった。
この外見だから男女問わずモテてたみたいだけど、今まで男には何の興味もなかった奴だ。
それが何故か俺に惚れたとか言ってある日告られた。
がしかし、俺はかわいい系には興味ありありだけどイケメンには全く興味がなかった為、断ったんだけど秋良もめげなかった。
また告られて断ってを繰り返すこと計12回。
最終的に拘束されて無理やり抱かれてしまい今に至るわけです。
あれは酷かったなぁ…。
無理やり秋良の家に連れて行かれて、付き合ってくれるまで一生此処から出さないって脅迫受けたらそりゃ頷くしかねーだろ。
命は大事にしなくちゃ。解放されてから逃げりゃいいかって軽く考えてたけど逃げ切れなかった。コイツめちゃくちゃ束縛するタイプだった。
「なんなんだよもー。つーかさ、お互いに価値観が全然違うんだから仕方なくね?俺はほら、バイだからノンケのお前とは色々と考え方違うし?それが我慢出来ないってんならやっぱさ、真面目な話、別れたほーがよくね?」
ちょっと真面目モードになった俺の提案は秋良の首ふりにより即却下された。
「やっと一緒に居られるようになったのにどうして別れなきゃいけねーんだよ。俺が大和を手に入れるのにどれだけ必死だったかお前知らねーだろ。俺は本気で大和が好きなんだよ。別れるなんて考えられねー。どうしても別れたいってんなら俺を殺せよ。それか俺に殺されろ」
思考回路がバイオレンスすぎるだろ。オイ、目がマジだよこいつ。
「し、死ぬのはお互い良くないと思う。もっと穏便な形で…」
「じゃあ大和の手足切り落として身動きとれねーようにするトカ?そん時は俺が一生面倒見てやるから安心しろよ」
「えっ…と…秋良くんはいつからそんな恐ろしい事を言うような子になっちゃったのかなー?前のように爽やかな好青年に戻ってくんないかなー?」
秋良は俺と付き合う前はそれはもう学校内でも屈指の好青年として噂されていた。勉強も運動も出来るし顔も良いしスタイルも抜群なのにそれを鼻に掛けるでもなく、性格も良いとの事で俺と秋良が知り合う前でも俺は秋良の事は一方的にだが知ってはいた。世の中そんな汚点の一つもない完璧人間もいるんだなぁと思ってた。
蓋を開けてみたらとんでもなくでかい嫉妬心と執着と束縛を織り交ぜた地雷彼氏だった。やっぱ人には少なからず短所ってものはあるんだなと悟った。
「自分で言いたかねーけど、その好青年をこっぴどくフリ続けたのはテメーだろ大和。俺をこんな風にした責任とれよ」
「うん、そーだね…俺だね…」
つまり俺が秋良をここまでにしてしまったのか。
出来る事なら過去に戻ってやり直したい。
まずは秋良とは別の学校に行く事が先決だな。
「…なぁ大和、頼むからもう浮気すんな。これ以上やられたら俺、相手に何するか自分でも分かんねーし…制御効かなくなってきたし…。ホント、もう我慢の限界なんだよ。お前が俺以外の奴見んのも相手にすんのも全部に腹が立つ。相手の目を潰してやりたくなる。触んなって腕を折りたくなる。俺は大和が、お前だけがどうしようもなく好きなんだよ。俺と別れたいって言うんなら殺すまでやれよ。大和と別れて傍に居られないのに、俺の隣から消えたお前が、他の奴の隣で生きてるのなんて見たくねーんだよ…って大和!どこ見てんだよ!」
「え!?あ、ゴメン!聞いてなかった!なになに?」
たまたま秋良の後ろを見ていたら廊下を歩いていた1年のアイドルちゃんが目に入ったのでそっちを凝視してしまった。
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