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兄弟の証  作者: 大澄 涼太郎


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2/2

バッドバースデー

10年後


「うぃー、おつかれ」

学校が終わり、一緒に帰ってる友達と道が分かれたところで一人になった。

「けいくんが悪い敵役ね」

「いやだー、俺はヒーローだもーん」

いつも通り通る公園に喧嘩する子供の姿が見える。

部活がない日だけみられる光景に時間の余裕を感じ、少し優越感に浸る。

そうして公園の階段を降りている最中に、少しふらついた。慌てて手すりに捕まりほっとした。

(今日流石に授業寝すぎたな。あのクソ教師ぼそぼそ喋ってる上に話が逸れすぎていつのまにか寝てまう。あんなん睡眠導入の授業やろ。おまけに小学生しかやらんような課題出しやがって。まあ、まだ提出まで余裕あるし今日はゲームしまくったろ)

そんなことを考えていると、いつの間にか家の前に着いていた。

カードキーを使って鍵を開けドアを引いたが、閉まっている。

あれ、ドア開けっぱなしにしてたのか。

不用心だなぁと思いながら、仕方なくもう一度カードキーをかざしドアを開ける。

すると、部屋の電気が点いていないことに気付いた。家にいないのかな。なのにドアの鍵開けっ放しにしてたのか?家に車も自転車も駐車されていたため違和感がうまれた。

そして、両親は防災バッグを常に玄関と寝室においているぐらい心配性で用心深い性格だ。

何かおかしい。

そういえば、今日お父さんは有給をとっていたな。

何かのサプライズかな、でも祝われるようなことないしな。

「ただいま、帰ってきたよー」

一応呼びかけてみるが返事がない。

明らかに人の気配がない。

幽霊とかでてこないだろうな、と思い一応逃げれるようにドアの鍵を開けておいた。

「我ながらかなり厨二病が進行しているな、今度病院で診てもらおう」と馬鹿みたいなジョークを言う。これを声に出してしまう辺り本当に厨二病だなと思う。

ただ、本当に怖いのは怖い。

きっと何もないとは頭のどこかで理解していても、万が一、今幽霊がでてきたらなどと必死に頭の中で思考する。

そして靴をそっと脱ぎ、並べもせずに音を立てないようにゆっくり歩く。

すると、ドアが開けっ放しになっている。さらに今まで嗅いだことのない異臭がする。

何か様子がおかしい。

恐る恐るリビングに入り電気を付けると、思考が止まった。

心臓の鼓動が早くなり、自分の息の音が聞こえる。

ソファの上に並び倒れた両親、その体から流れる赤い液体。その光景を目の当たりにして、衝撃や恐怖の前に混乱が襲ってきた。体が動かない。あれ?今何が起こってるんだ?

一度ほっぺをつねった。痛い。

今自分が現実世界にいることを理解すると絶望が押し寄せてきた。

「ゔゔうっ、だ、え。だ、れだ」

低く弱々しい唸り声がきこえた。父さんだ。生きている。

「父さん、大丈夫なの?なにがあったの?」

「悠真…か、話は後だ。とにかく救急車を頼む。」


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