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第27話 レインの友と考え

「……《魔堕ち》した魔神の成れの果てが《死徒しと 》か」


(基本的に死徒化した存在は新たな歪んだ知性を得るのです。そして、欲望のままに求める物を追い掛け……何かしらの被害をもたらします。強い存在に憑依してですが)


 なんて事をダリアは言っていたが。


 竜族のディアに憑依し世界に恐怖を撒き散らし世の中を混乱に陥れたり。


 王族のリーフ・テレンシア姫を使いアレイス学園と王族を使って革命でも企んでいたのだろうか?


 そのどちらにも俺が関わっている。


「やはり狙いは俺の中の『稀血』と『幸運』……とはサキュバスが言っていたとシエルは言っていたな」


 シエルは現在、教会《実家》へと帰省している。なんでもシエルのお爺様……イヴァン大司教に呼ばれたとか。


 〖こんばんは2人きりで眠れなくて残念ですわ〗などと言っていたが。君はそもそま俺のベッドに近寄れないだろう……


 いかんいかん! いつもの調子で自然なツッコミをしたしまった。


「……一緒に暮らし始めてそろそろ二週間位経ったのか? 居ないと寂しいものだな」


「何が寂しいの? レイン!」


「その声は……アストルフォとアルストか」


「こんにちは! レイン。1人なんて珍しいですね」


《セルトマ酒場》


 俺は城下町で声をかけて来たアストルフォとユーリ達に食事を誘われた為、とある酒場へとやって来た。ちなみにこの国では15才で成人の為、酒も合法的に飲める。


 隣国のシュカークでは何故か20歳らしいがな。


「はぁ? 闘技場での一件でリーフ王女の護衛を謹慎になっただと?」


「そうそう。魔竜討伐の功労者たる聖女様にほこを向けるなど何たる事かって王様に怒られちゃってね」

「アストルフォさんだけではありません。その取り巻きや護衛の人達もですね」


「リーフ王女はどうなさっているんだ?」


「姫様~? 何? 気になるの? 姫様気になっちゃう? レイン!」


 アス《アストルフォ》は何故か目を輝かせて俺へと迫って来る。


「……近い。闘技場で倒れた後、お姿を見かけなかったから気になっているだけだ。どうなったんだ?」


「ん~! それがね。行方不明になっちゃった。そんで今、密かに捜索隊を編成して探してる所~」

「私もその手伝いです。魔法貴族の家系はこういう時に呼ばれるので大変です」


 ……アスとユーリの奴。今、とんでもない事を言わなかったか?


「行方不明だと? どういう事だ?」


「あの闘技場の出来事以来ね。王様が姫様をお城の最上塔に幽閉しちゃったんだ~、1ヶ月の謹慎って事でさ~」

「そして何日かした忽然こつぜんと居なくなったのです。姫様が普段身に付けるお洋服や宝石と共に」


「……そんな話。今始めて聞いたんだが?」


「極秘だからね~、レインはあの闘技場事件の当事者だったから教えるけどさ」


 アスの奴。なんであまり心配していないんだ?……ユーリも何故か冷静だな。


「どこに居るのか検討がついているのか?」


「う~ん。全然。まあ、あの剣術ツヨツヨの姫様なら大概の敵には勝てるから心配してないけどね~」

「王政側も5日前に起きたアレイス学園の出来事はあまり表沙汰おもてざたにしたくないようなので捜索隊も少数精鋭で動いているんです」


 それで王族直属の近衛兵が行き着けにしているセルトマ酒場に行こうと言ってきたのは。


「話しがいきなり過ぎて付いて行けん……悪いがトイレに行って来る」


「あいよ~、行ってらっしゃい~」

「レインでも同様する事があるのですね」


《酒場通路》


 俺は周囲に誰も居ない事を確認しトイレの中へと入って行く。


「………アスモール入るか?」


ズズズ……「はい。レイン様。ここにおりますよーッ!」


 背丈は小さく灰色の髪色に虚ろなまなこを持ち低音ボイスの魔神。アスモール・ミルクが俺の影から現れた。


「今の会話。どう思った? 君の意見を聞かせてくれ。アスモール……リーフ王女は再び魔神の手に堕ちたと思うか?」


「えーっと……少し考えましたが。それはありませんです。レイン様……現在のテレンシア王都には『死徒』の気配は1つも感じませんので」


「人攫いの場合は?」


「それもありませんです。テレンシア国内を始め。隣国の奴隷商会は『嵐の稲妻テンペスト』が潰して周り。元奴隷の子達は全て保護して元隠し本部で平和に暮らしてもらってますから」


「死徒堕ち魔神や人攫いの仕業ではないと?……なら何故突然、リーフ王女は姿を消したんだ?」


 俺は原因が何なのか考え始めた。


「ああ! ですが最近の王都内では色々な動きがあったみたいです。レイン様」


「色々な動き? 話してくれ」


「はい。うちらの組織と対立関係にある『暗闇の教団』が今夜、テレンシア美術館を襲撃して何かを盗むとか」


 『暗闇の教団』……魔堕ちを神聖な者と信じ。非人道的行為を平気で行う組織か。


「……ガセネタだな。アイツ等は思慮深い。そんな情報を漏らすわけがないだろうに」


「ですが。それに引っ掛かったのが王政とエリシア教会ですね。なんと警備隊を派遣するらしいですよ。テレンシア美術館に」


「いや。それとリーフ王女の件がなにか関係がある…わけが……『暗闇の教団』の盗み出そうとしている物は分かっているのか? アスモール」


「……《エリシアの指輪》だそうです。レイン様……」


 アスモールはどこか不安そうにそう応えた。


「エリシアの指輪?……魔力を暴走させる魔道具か?」


「はい……人工的に魔神や魔堕ちしそうな人間を《死徒化》させる事ができる呪いの魔道具です」


 俺はアスモールのその言葉に戦慄した。

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