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MemoWorKs  作者: 緋吹 楓
4/4

いつまでも忘れない

あらすじ

茜さんはもう長くは無い。


私は走る。

茜さんに会う為に。

膝が擦り剥こうが、顔に泥が付こうがどうでもいい。

動きにくい制服でも、走りにくい革靴でも私は止まらない。


でも、こんな時に限って踏切は非情だ。

カンカンカンという音と共に道が閉ざされていく。

うずうずする気持ちを抑えて待つしかなかった。

スマホで時間を確認する。

まだ学校を出てから10分も経っていない。

スマホをポケットに直し、顔を上げる。

そして私は驚く。

踏切の反対側に茜さんが立っていたのだ。

舞「あ・・・茜さん!どうしてここに!」

病院にいるのではなかったの?

しかし、茜さんは答えない。可愛らしい笑顔を向けてくれるだけだ。

でも、その顔には何か哀しい物を感じる。

舞「体調が悪いのでしょう?由実姉から聞いたわ。」

電車の車輪の音がする。

舞「聞こえていないの!?茜さん!」

電車がもうすぐまで来ている。


その瞬間とき、茜さんの唇が動いたような気がした。


電車が前を通る。


茜さんが見えなくなる。


舞「茜さん!いえ!茜!私だって!」


もう届かないかもしれない。


それでも、私は伝える。


舞「愛してる!」


私から茜の為に生まれてきた言葉。


この言葉は忘れることはない。



電車が通り過ぎる。

そこにはもう、茜は居なかった。

舞「茜・・・」


あの瞬間ときの茜の言葉は私にしか聞こえていないだそう。


だってあの言葉は。


茜から私の為に生まれてきた言葉だろうから。



私は走る。

たとえ茜と会えなくても。




結局、病院に着いた時には茜は何も喋ってはくれなかった。

けど、私にはちゃんと届いた。

いつも茜が持ち歩いていたメモ帳に想いが全て詰まっていたのだ。


「今日、やっと舞さんとお話ができた!」

「舞さんにティーンズ・ワークスを見つけられた・・・」

「↑でも、そのお陰で仲良くなれた!」

涙を拭う。

「今日のお昼ご飯は舞さんが作ってくれました!」

「由実先生も一緒でワクワクだな~」

沢山の思い出が綴られている。

「舞さんと一緒に登校!」

「今日初めて帰りに寄り道しちゃった!」

とても暖かい。

「もっと話していたいよ。」

「学校に行きたいよ・・・」

「舞さん、会いたいよ。」

字が震えている。

「まいさん、いまだけはまいってよばせて。」

「まい、もっとあそびたかったな。」

「もっと、もっと、いろんなことがしたかったな。」

もう字が崩れてしまっている。

「まいだいすき」

原型を留めていなくても、私には読める。

「あいしてる」

メモ帳の最後のページだ。

これが茜の想い。

私は懐からメモ帳を取り出す。

メモ帳に想いを綴れば茜に届く気がするから。

私は書き始める。

「茜、また一緒に・・・」

どうも緋吹 楓です。

読んでいただきありがとうございました。

全6話のつもりが4話になってしまいましたね。

恋と愛の違いって何ですかね?

言葉で表すには少し難しいと思います。

またいつか、この作品をリメイクするかも知れません。

では、またどこかでお逢いしましょう。

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