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MemoWorKs  作者: 緋吹 楓
2/4

いつもよりずっと楽しいわ

あらすじ

危ない所を茜さんに助けてもらう。

本條家には私と由実姉の二人で住んでいる。

他に家族はいない。

だからといって、客人用の部屋があるわけでもない。

とりあえず、茜さんから聞いておく。

舞「由実姉から何か聞いてない?」

茜「え、舞さんの部屋に泊めてもらえるって聞きましたよ。」

由実姉は最初からそのつもりだったのか。

少し悔しいが、茜さんを私の部屋に通す。

茜「舞さんのお部屋ってやっぱり可愛らしいですね・・・」

若干引かれているようにも感じるが、仕方が無いのかもしれない。

私は普段はこんな物を着ないから。

茜「この服着てみてもいいですか?」

部屋中に飾ってある服を選んで聞いてくる。

舞「いいけれど、まず落ち着いて鞄を置きなさい。」

すると彼女は急いで鞄を置き、謝ってくる。

舞「別に構わないけれど・・・飲み物取ってくるわ。」

茜「あ、ありがとうございます。」


キッチンの電気ポットでお湯を沸かしながら今日の晩ご飯のメニューを考える。

とはいえ、外は既に雨が降り始めている。

冷蔵庫の在庫で作ってしまおうか。

電気ポットがカチッと音を立てると同時に茜さんが出てくる。

舞「あら、どうかした?」

どうやらまだ着替えていないようだ。

茜「あの、トイレどこです?」

舞「ああ、トイレならそこの扉よ。先に紅茶運んでおくわね。」

砂糖やらレモンやらをお盆に乗せ、部屋に戻る。


テーブルにお盆に置いてから、窓から外を見る。

ものすごい勢いの雨だ。由実姉はいつ帰ってくるだろうか。

カーテンを閉めてベッドに座る。

部屋を見渡すと、いつもは無い茜さんの鞄が目にはいる。

チャックが開きっぱなしだ。ファッション誌のカラフルな表紙が見えている。

ティーンズ・ワークス。主にティーンズファッションを扱う雑誌だ。

この雑誌は私にも馴染み深い。

何故なら、私はこの雑誌のモデルをやっているからだ。

あまり知っている人は周りにはいないが。

だから、遠くから眺めただけで気づいてしまった。

雑誌の表紙を飾っているのは私であった。

人の鞄を漁ることに罪悪感を憶えつつも、雑誌を取る。

もう3ヶ月前の号だ。今見ると少し恥ずかしい。

しかし、何故最新号では無いのだろう。

メモもびっしりだ。読む気すら起きない。

その時、部屋の扉が開く音がした。

慌てて振り向くと、固まっている茜さんがいた。

舞「あ、えっと、その、ごめんなさい。」

怒っているだろうか。しかし、返ってきた返答は思いもよらなかった。

茜「私、実は舞さんのファンなんです!」

舞「え・・・?」

ファン?

茜「私、舞さんのようになりたいんです。」

舞「私のように・・・」

茜「私、舞さんのことが好きなんです。」

まさかここまで慕ってくれる人がいるとは。

舞「ありがとう。やりがいがあるわ。」

今までここまで嬉しいことがあっただろうか。

そこからは鞄から本を取り出し、二人で読んでいた。

結局、由実姉が帰ってくるまで私達は部屋に篭っていた。

どうも緋吹 楓です。

読んでいただきありがとうございました。

二話時点での登場人物の情報をまとめておきます。


本條 舞・・・可愛いものが好き。モデルをやっている。

白井 茜・・・舞のファン。ティーンズ・ワークスは毎号買っていた。

本條 由実・・・舞の姉。まだティーンズ・ワークスを買っている。


次回もよろしくおねがいします。

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