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悩める豚。

あの後俺は夜の番をしながらこれからの事について考えていた。

日本(あっち)にいたときは、ただただ毎日を漠然と過ごしてきた。

20にもなって、自分の将来像を上手くイメージ出来てないというのは多分今時の若者にとって珍しくない事だと思う。

更に家族と呼べるモノもなかった俺に、生活態度や将来についてアレコレ言ってくる人間がいなかったのも更に適当に生きることに拍車をかけていた。


まぁ、いたとしても食べること以外趣味と呼べるものも生きがいと呼べるものもなかった俺にはあまり関係無いと思うが。


それでも日本(あっち)では暮らしていけた。

適当に働いて、適当に友達作って、適当に暮らす。

自分に困らないことをしなければ余裕を持って暮らしていける。

それが異世界(こっち)では通用しない。


日本(あっち)では到底考えられない命のやり取りが異世界(こっち)では当たり前に行われる。

魔物に生まれ落ちたということもあるが、人間や同じ魔物から命を狙われ、また自身も生きるために魔物を狩らなければいけない。

屍肉を漁る生活もできるだろう。

しかし、流石にそれはしたくない。


生きる意味かぁー。

そんなこと考えたことも無かったなぁ。

これからどうやって暮らすか。

多分、リディアの話を受けるか否かで俺の人生はここで大きく分岐する。


人間側に着くか、魔物として生きるかー。

人間側で生活した場合の事を考える。

リディアの話によると、従魔契約をしたあとは冒険者として迷宮や魔物退治の日々を送るらしい。その代わりに衣食住の保証はしてくれると。

また、魔物用の装備などもあるらしく、狩りの安全面も考慮してくれるみたいだ。

デメリットとしては、主人を害せなくなることと、ある一定の命令はきかされるくらいだ。

正直デメリットというデメリットは感じられない。

短い付き合いだが、リディアは悪人という感じではないし美人だし。

ある一定の命令というのが気になるが、基本的には奴隷などと違い仲間として扱われるようだ。

二人で狩りが出来る方が、そんなことより遥かにデカいわけだ。


それに引き換え魔物側にメリットはほぼない。

メリットというメリットと言えば自由な事くらいか。

そう考えると魔物って不憫だよなぁ・・・。

常に命の危険もあるわけだし・・・。


んーどうしようか。

今すぐにしたいことといえば強いて言えば人型になるくらいかぁ・・・。

でも人型の近道ってやっぱり人間を喰うのが手っ取り早いよな?


そうなると魔物のままでいた方がいいだろうし・・・。

あーもう。どうしよう。


初心に還ってこの豚生の生きる指標を決めるか。

うーむ・・・。よし決めた!

お腹いっぱい食べること!これでいいや。

この体になってから食欲はマッハだし、途中で満たされることもないだろうし。


よし、そうと決まればリディアについていこう。

別に人型とかよくよく考えてみればオークも人型だし、ファンアタジーな世界なら他にも一杯いるだろうしな!

さてこれからの方針も決まったことだし、寝ながら警戒しますかねー。


ほんと、こういうとこだけはこの体は便利だ。

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