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第1章:荒れ地のエコー

初めまして!お越しいただきありがとうございます。


本作は、銃と魔法の原則(レゾナンティア、インテンティオ、プレティウム、ペルマネンティア)が交錯する世界で、それぞれの夢や過去を抱える若者たちの成長を描いたファンタジー小説です。


まだまだ至らない点もあるかと思いますが、主人公のカエルや仲間たちの物語を一緒に見守っていただけたら嬉しいです。


それでは、第1話(または本編)をどうぞお楽しみください!

銃声の余韻は緩やかな丘陵の間に消えていき、目覚め始めた鳥たちの遠い鳴き声と混ざり合った。カエルは数秒間ライフルを構えたままにした。ストックが肩にまだじんと振動を残しており、それが「自分を制御できている」という毎日のささやかな証明だった。遠くに置かれたバケツがかすかに揺れ、桃色と亜鉛色に空を彩る朝日の光を反射して輝いている。金属の縁の錆が、朝の煌めきと対比をなしていた。

彼は静かに息を吐き出すと、湿った草の上に体を沈めた。露の冷たさがズボンの生地を通して肌に伝わってくる。一発の射撃ごとに、古い記憶が呼び覚まされる。自分にはまだ人生の舵を握る力があるのだと、静かに言い聞かせるかのように。野の花の香りが、似たような朝の記憶を嫌応なしに連れてきた。何年も前、ポルタヴェルの村がゆっくりと目を覚まし、危険など単なるおとぎ話に過ぎなかった頃の記憶を。

「見たところ、私を感心させるにはもう少し時間がかかりそうね」

静寂を切り裂くように、柔らかくも芯のある声が響いた。

彼が視線を上げると、土の道をリオラ・ヴェンが歩いてくるところだった。胸に本を抱え、もう片方の手には空の籠を下げている。

「かもね」カエルはライフルを草の上に置きながら答えた。「まあ、少なくとも努力はしてるよ」

リオラは数歩手前で立ち止まり、バケツと銃、そして目の前の友人を交互に見つめた。

「で、村からの尊敬は? バケツを撃ち抜くだけでそれが手に入ると思ってるの?」

「俺がそんなものを気にしてるとでも?」カエルは再び横になりながら言い返した。

「でも、私はもっと上を目指したいの」リオラは地平線を見つめながら言った。「冒険よ。学校の地図に載っていないような場所。ポルタヴェルを出て、小さくても自分の足跡を残したい。世界は簡単に感心してくれないわ、カエル。現実逃避と目的を一緒にしないで」

「だからその本を手放さないんだろ? 考えることも旅の一種だって俺に思い出させるために」

「あなたがここを出る前に迷子にならないよう、誰かが面倒を見なきゃいけないでしょう?」彼女はうっすらと微笑んだ。

二人は、湿った葉の香りが漂う涼しい空気のハイウッドの森へと向かって歩き始めた。歩きながら、リオラは集中するように目を閉じ、そっと手を伸ばした。

「何してるんだ?」カエルが尋ねた。

「練習よ……私の《レゾナンティア(共鳴)》の。エーテルを正しい周波数で振動させて、ただ私の中で燃え尽きるんじゃなく、目に見える形で物理世界に干渉できるようにしないといけないの」彼女が答えると、雨が降り出す直前のような、かすかな静電気のパチパチという音が空気に混ざるのをカエルは感じ取った。「マナの流れを感じ取る感覚は掴めかけてるわ。この森が手助けしてくれてる」

「引き金を引くよりずっと難しそうだな。俺にはそんな繊細な波長を合わせる才能はないよ。このラン・ライフル(符文小銃)の直接的な精度の方が性(性分)に合ってる」カエルは肩のストラップをかけ直しながら言った。

「すべての力が大きな音を立てるわけじゃないわ」彼女は笑みを浮かべた。「音を立てるなんて一番簡単なことよ。本当に難しいのは、この力に形を与える《インテンティオ(意図)》、過労で倒れないための《プレティウム(代償)》、そしてまばたきした瞬間に効果が消えないようにする《ペルマネンティア(永続)》をマスターすること。残りの3つの原則は、まだまだ訓練が必要ね」

二人は並んで進んでいたが、突然カエルが足を止めた。ハイウッドの入り口付近に響いていた鳥の鳴き声がぴたりとやみ、代わりに太い枝が踏み砕かれる乾いた音が響いた。彼はリオラを引き寄せ、樹齢数百年の大木のザラザラとした幹の陰に隠した。

「イノシシが二頭……」彼は囁いた。

巨大な二つの巨躯が荒々しく藪を押し分けて現れた。毛並みを逆立て、泥で汚れた牙を剥き出しにしたイノシシたちが、地面を掘り返しながら唸り声を上げている。リオラは息をのんで息をひそめ、露出した大木の根の陰に身を縮めた。

「そこにいろ、動くな!」カエルが命じた。一連の無駄のない動作でライフルが肩へ担ぎ上げられる。一頭目が飛びかかってきた瞬間、カエルの指が引き金を引いた。轟音が響き渡る。チャキン、カチッ。二頭目が幹に向かって突進してくる間に、彼は熱い薬莢を排出させた。カエルは体をひるがえし、目の前数センチまで迫った二頭目の至近距離から二発目を叩き込んだ。

「カエル……」リオラは、舌に残る硝煙の金属的な味を感じながら、溜め込んでいた息を吐き出した。

「言ただろ、ただバケツを撃ってるだけじゃないってね」胸の奥で心臓がまだ激しく高鳴っていたが、彼はそう言って笑ってみせた。

リオラは真剣なまなざしでライフルを見つめた。 「早くなりすぎているわ。でも時々……もうここにはいない何かを撃とうとしているみたいに見えるの。あの崖での出来事以来、あなたは立ち止まろうとしない。まるで、もう終わったはずの戦いに備えているみたいに」

「世界はノロマには容赦しないからな」彼は素っ気ない声で答えた。「ただ、二度と油断したくないだけだ。二度とな」

二人は古いリンゴの木がある開けた場所まで進み、果実を収穫してから引き返した。ポルタヴェルの門に辿り着くと、ミラ・ソーンの姿があった。その衛兵は隙のない立ち姿で、鎧が太陽の光を受けて輝いていた。

「やあ、ミラ兵士……今日もたくさん悪党を捕まえたのかい?」カエルが軽口をたたいた。

ミラは腕を組み、あごをツンと上げた。 「私を前にして通り抜けようなんて悪党はいないわよ。この村が地域で一番平和なのは、私がここにいるからなんだから」彼女は籠に視線をやり、片方の眉をひそめた。「それで……そのお二人さん、静かな森の中で二人きりで一体何をしていたのかしら?」

「リンゴを採りに行っていたんだ」カエルは即座に答えた。

「リンゴねぇ……? 怪しいわね。人目のない場所、高く茂った木々、そして言い訳のための籠。出来すぎているわ。私に言わせれば、デートでもしていたんじゃないの?」

リオラの顔がパッと赤くなった。 「っ、そんなんじゃないわ! 私たちはただの友達よ!」

ミラは勝利を確信したように高らかに笑った。 「まあどうであれ、ポルタヴェル一番の監視員の目は誤魔化せないわよ。今のうちに笑っていなさい。いつか私は、兵士が到達できる最高の地位に就くんだから。その日が来たら、あなたたち二人だって私に頭を下げることになるわ」

「ミラの夢って何なの?」リオラが尋ねた。

「私はあの大城塞タレンで、私たちの国王様の衛兵隊長になるのよ!」彼女は自信満々に言い放った。

「はいはい、わかったわ」リオラは笑った。「その調子で頑張れば、きっと遠くまで行けるわね」

カエルは頷き、籠を持ち直した。「楽しいおしゃべりだけど、俺たちはもう行かないと。頑張れよ、ミラ!」

二人は村の中へと進んだ。街路には、すでにお祭りのための焼き立てのパンとシナモンの香りが漂っていた。リオラの家に到着すると、セレナが温かく二人を迎えた。

「二人とも、いらっしゃい!」彼女は声を弾ませた。「何か面白いことでもしてきたの?」

「お祭り用のリンゴを森へ採りに行っていたのよ、お母さん」少女はそう説明しながら籠を手渡した。

セレナは微笑み、若き狩人に視線を向けた。 「カエル、いつもこの子の面倒を見てくれてありがとうね」

「たいしたことじゃないですよ、セレナさん。俺たちは幼馴染ですから」

セレナは彼を中へ招き入れたが、カエルは手で制した。 「また今度にします。今は少し急いでいるので」

別れを告げた後、彼は自分の家へと向かった。ドアがギィと音を立てて開き、台所から漂う香りに彼のお腹が抗議の声を上げた。ライフルを壁に掛け、息をつく。母親のエレナがちょうどテーブルを整え終えたところだった。

「ちょうどいい時間に戻ってきたわね。訓練は成果があったの?」

「あったよ、母さん。でも、イノシシを一頭丸ごと食べられそうなくらい腹が減った」

昼食はジャガイモとハーブのシチューで、素朴なパンと山羊のチーズが添えられていた。セージの香りが、カエルの胸にあった緊張の結び目を解きほぐしていく。

「ゆっくりお食べなさい」エレナは助言した。「冒険者への道には忍耐が必要よ。ただ気をつけてね、我が子よ。でも、行きなさい。世界があなたを待っているわ」

「ありがとう、母さん」彼は呟いた。

その後、食器を洗い、自分の部屋へ戻ったカエルはベッドの端に腰掛けた。それから窓辺へ歩み寄り、ポルタヴェルの上に浮かぶ月を見上げた。街は眠りにつこうとしていたが、彼の内側では、何かがついに目覚め始めていた。


最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!


カエルとリオラ、そしてポルタヴェルの賑やかな仲間たちの空気感が少しでも伝わっていたら幸いです。ライフル射撃の緊張感と、のどかな村の日常のギャップを書いていてとても楽しかったです。


もし「面白かった」「続きが気になる」「ミラの夢を応援したい!」などと思っていただけましたら、下にあるブックマーク登録や、評価の**星(★★★★★)**を押していただけると、今後の執筆の大きな励みになります!


感想やご意見もお気軽に残していってくださいね。

執筆のペースを上げて頑張りますので、これからもよろしくお願いいたします!

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