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挿話――写された言葉
二枚の紙が、隣り合わせに置かれていた。
一人の人物が、一方に書かれた文字を目で追い、もう一方へ筆を動かしている。
押さえていた指がずれ、紙の端がわずかに浮いた。手がその端を押し戻すと、筆も止まった。
人物は隣の紙を少し寄せた。
そこには「未確認」とあった。
視線が手元へ戻った。筆先は紙に触れず、その上で止まっていたが、やがて下りた。
「確」の字が記された。筆が離れ、隣へ移る。「認」と書き、さらに「済」と続けた。
筆先が上がった。
手元の行には「確認済」とあった。隣の紙では、指先が「未確認」の下に触れている。
人物は二枚へ交互に目を向けた。紙を押さえる手が離れ、筆を持った手も下がった。
「未確認」と書かれた紙は、写した紙のそばに置かれていた。
その隣に、「確認済」の文字が残っていた。




