46頁:女の子と戦うときは気をつけましょう
一応確認はしてますが、誤植があったら教えてください。
「問題です。剣の達人と徒手空拳の達人、真正面から戦って強いのはどっち?」
ある日、ミカンはオフィスビルに似せて創ったプライベート空間の中でライトに問いかけた。
正記は数秒考えてから答える。
「どっちも達人なら、やっぱり武器があった方が強いんじゃないですか? 少なくとも武器があるほうが弱くなることは無いと思いますけど……」
「『武器があれば強い』……それはアマチュアの世界の話だよ。レベルが上がれば、武器の有無は些細な問題になる」
そう言いながら、ミカンは近くの机の上にあった書類の束を手に取る。
「たとえば、こんなただの紙束でも人によってはナイフに匹敵する武器になるし、極端な事を言えば空気の振動……声が拳銃を遙かに越える武器になるような人間もいる。それに……」
ミカンは書類を宙に放り投げ、その隣にあったデスクトップパソコンに拳を落とす。
パソコンはひしゃげ、煙が上がり、画面の破片がとんだ。
「自分の肉体自体を武器にするなんて、もはや驚くようなことじゃない。間合いが広い? 一撃で致命傷? 材質が硬い? そんなもの、対策なんていくらでもとれるよ。槍なら内側に入られれば使えないし、剣なら振り上げた手を押さえればいい。堅い鎧だろうと、弱いところを突かれたらただの鈍重な的。拳銃だって、慣れていれば弾がなくなるまで避け続けることも、なんなら接近してはたき落とすこともできる……戦車だろうと単独で制圧できるような奴もいた」
「え、それ知り合いの話ですか?」
「まあ、私もできるけどさ」
「前々から思ってましたけど、師匠の周りだけ物理法則が少年マンガになってるんじゃないんですか?」
正記は近くのパソコンを軽くたたいて強度を確認する。出来そうな気がしない。
だが、ミカンは自信満々にパソコンに手をかけ、握りつぶす。
「いい? 人間は武器を発明して進化させてきたけど、人間自体の強さは持ってる武器の強さとは全く別次元のものだよ。人類の歴史は人間の歴史。人間の可能性の歴史。人間達を甘く見たら、昔話の人外みたいに滅ぼされることになるよ」
《現在 DBO》
「えっと……HP半減で負けってことでいい?」
「うん。武器もなんでもいいよ。あたしはこの拳と身体だけが武器だけど」
ライトはアイコと10mほど離れて向き合う。
紅い道着のアイコと、空色の羽織りを着たライトは、唐突に決闘をする運びとなったのだが、出来るだけ邪魔の入らないように、夕食を攻略メンバー全員で食べた大きな安全エリアの近くのちょうど良いサイズの安全エリアに来たのだが………
「おいおい、あいつら決闘だってよ」
「腹ごなしの運動にしちゃ物騒じゃないか?」
「あの女、ソロの格闘家だぜ」
「赤兎に目を付けられたと思ったら、次はソロのはぐれものか……不運だなあいつ」
「てか、目立つよなあいつらの装備」
いつの間にかギャラリーが集まっていた。
まあ、理由として上げられるのは二人の『色』がこのダンジョンでは目立つということと、果たし状を押し付けたときの声が大きかったことだろう。
さらに言えば、ライトと同じくアイコもこの攻略メンバーの中では知名度が高い方だということがある。
彼女は最前線の『単独』プレイヤー……この危険なデスゲームの一番危険な場所を一人で生き抜いてきたごく少数のプレイヤーの一人なのだ。
実のところ、今回のボス攻略に参加しているのは30人強だが、その中にソロプレイヤーはほとんど含まれていない。ソロプレイヤー達はこのダンジョンに十分なレベルがあっても、ほとんどが『様子見』を決め込んでいる。パーティープレイをするプレイヤー達に比べて危険度の高いプレイをしている彼らは、慎重にこのゲームの『ボス戦』の危険度を外から測ろうとしているのだ。
だが、アイコはその例外。
ソロプレイヤーでありながら、危険なダンジョンの攻略に参加することを決めた変わり者。当然注目されるが、ここまでの攻略では一人で行動していたらしく詳しい情報も広まってはいない。
その戦いが見られるとなれば、当然人も集まるだろう。
ライトは槍を呼び出して構える。
「……スカイがここにいたら、絶対賭けとか始めるんだろうな」
「周りなんてどうでもいい、さっさと始めるよ!」
「赤兎が戻ってくる前に?」
「……さ、さっさと始めるよ!!」
カウントダウンが始まる。
アイコは拳を構える。
足は片足を斜めにして引き、拳は前足のある側を少し下げる。
「正統派の拳法……構え的に少林寺拳法とかかな」
「道場拳法だからって、甘くみないでよ!!」
アイコはカウントダウン終了と同時に構えを崩さずに接近してきた。
ライトは槍を突き出すが……
ガッ
アイコは手刀で槍の柄をはじき、臆せず間合いの内側に入ってくる。だが、それを見越していたライトは後ろに跳んで後退しながら、弾かれた槍の刃が後ろからアイコの肩に当たるように振り下ろす。
ガキン
だが、アイコはその刃を腕で『弾いた』。
その手応えは、まるで金属と石のぶつかり合い。刃はアバターの肉を切り裂かず、ダメージも小さい。
よく見れば、体の表面には薄い光の膜が張られている。
「なるほど、『気功スキル』……汎用型か」
スキルには攻撃系、防御系、回復系、生産系のようにある程度の分類に分けることができる。たとえば、『剣術スキル』などは攻撃技が豊富な攻撃系、『盾スキル』などは防御系というふうに大まかに分けられ、プレイスタイルによって割合は変わってくるが、基本的には『攻撃はこのスキル、防御は装備、回復はこのスキル』というふうに『役割分担』させることになる。
だが、『気功スキル』『忍術スキル』『魔法スキル』のような一部のスキルは汎用型と呼ばれ、スキルの上達は遅いものの、そのスキル一種類で様々な役割を担う事ができる便利なスキルだ。
アイコの使っているらしい『気功スキル』は身体能力の向上、防御力の補助、徒手での攻撃力の大幅な補正、回復、『気』を利用した感知などの様々な能力を併せ持ち、アイコのような格闘戦型にはうってつけのスキルだ。
その防御は鎧無しでも鎧並みに難く、その攻撃力は武器攻撃に匹敵する。
「はぁあ!!」
右拳が迫る。
ライトは槍を離して避ける。間合いの中に入り込まれると槍は使いにくいのだ。
そして、避けながらメニューから剣を呼び出そうとするが……
「おりゃぁあ!!」
アイコの蹴りがライトの左手を弾き飛ばした。
「チッ……」
これが武器使いとの違いの一つ。
武器を持たないプレイヤーは両手両足、全てが平等に武器となる。もちろん、剣やナイフを持っていては蹴り技を使えないわけではない。だが、体勢が崩れてしまうことや次の攻撃との連携を考えると武器を持っていないプレイヤーの方がはるかに攻撃の自由度が高い。
そして、極端な近接戦闘になると長い武器は自由に使えない。
さらに、新しい武器を呼び出す操作も即座に反応され妨害される。
「やっぱ、挑んでくるだけあるな」
ライトはメニュー操作を諦め、腰の≪竹光≫を抜く。
「くっ!!」
ライトは居合斬を実行した。
しかし、アイコは飛び退いて回避する。
「さすが……ソロで生き残ってきただけあるな」
ライトはその危機回避能力に舌を巻く。
この危険なゲーム。しかも、まだ情報がほとんどない状態での戦いを強いられる最前線でのソロプレイヤーの生命線は危機回避能力……『引き際』を見極める能力だろう。引き際を見誤って深入りした者から罠にはまって死んでいく世界だ。『本来は危険はないはずの竹光を抜く』というアクションに対して躊躇なく追撃をやめて引き下がった。
強い。
レベル差はほとんどないはずなのだが、プレイヤーとしてのスキルが高い。おそらく、その反射神経はリアルで格闘技をしていた名残なのだろう。
だが……
「もう読めてきたぞ」
ライトは縮地で距離を詰めながら、後退するアイコを間合いから逃がさないように刀を振るった。
アイコはそれを避けようとするが、ライトは足運びと斬撃の角度を調節して追尾する。
そして……
ガギッ
アイコは片手の手刀で刀を止めようとしたが、その威力に押し負けて失敗。すぐさま両手の手刀で受け太刀するが、一度失敗したぶん防御が遅れて肩に刃が食い込む。
「く……う……かぁあ!!」
アイコは器用に手刀の片方を離して、刀の根本……ライトの右手首を狙って手刀を振り下ろす。
「おっと!!」
ライトは武器から手を離して手刀から手を守るが、代わりに手刀を受けることとなった刀は回転しながらライトの後方に飛んでいく。
そして、その次の瞬間には、アイコがライトの左の胸ぐらと右手の袖を掴んでいた。
「チッ、本命は投げ技か」
「せいっ!!」
アイコはライトを背負い投げしようと試みる。しかし、ライトはアイコの腰に両手を回して叫んだ。
「投げ技スキル『裏投げ』!!」
ライトはアイコを持ち上げて後ろの地面にたたきつけようと、アイコはライトを前の地面にたたきつけようと互いを引っ張り、一旦は力が拮抗する。
しかし、ステータス的にはライトの筋力が劣り……
「荷運びスキル『リフティング』!!」
その差をスキルで覆した。
アイコの膝が伸び始める。地面から浮くのも時間の問題。
そう思われたとき、アイコが叫んだ。
「『パワーブースト』!!」
アイコが踏ん張り、今度はライトが浮き上がりそうになる。スキルを使ったのだ。
力勝負は分が悪いと察したライトはアイコの腰から手を離し、作戦を変えた。
「変装スキル『メイクアップ フルアーマー』!!」
ライトの服装が一気に変わり、固く分厚い装甲に包まれた鎧姿となった。そして、その鎧姿のまま、服と入れ替わりに現れた胸当てを掴んだままライトを投げようとするアイコを包囲するように腕を伸ばす。腕の外側は盾だが、盾の裏側と胸部には昆虫の脚のような棘が大量に配置されているのだ。
「EXスキル『アイアンメイデン』」
ライトがここまま抱きついてアイコの動きを止めれば後はもう勝敗の決した拷問のようなものだ。最大の防御を攻撃に転ずる。
しかし、アイコのパワーはライトの想像を上回った。
「ぅぅぅうりゃあ!!!!」
鎧姿になり、重さも段違いに上がったライトの足が地面から浮いた。
「……あれ?」
そして、そのまま空中で一回転し……地面に叩きつけられたら。
「ガハッ……『メイクアップベイス』!! 手品スキル『アメージングポケット』!!」
一人では立ち上がることもままならない鎧から普段の姿に装備を変え、さらに『手品スキル』の『大きさに関係なくアイテムを一定数ポケットに収納できる』という技でポケットから武器を取りだし、アイコからの踏みつけを弾く。
そして、跳ね起き、その『武器』をアイコに向ける。
「あんた……魔法使いだったの?」
「オレの長所は手数くらいだからな、魔法だろうが何だろうが何でも使うよ」
その手にあったのは、長さ1mほどの『杖』。持ち手側の先端には拳大の水晶がついている。杖そのものは太く丈夫そうで、まるで映画に出てくる老魔道師の杖のようだ。
「近距離じゃ太刀打ちできないから魔法? させると思う!?」
臆せず突っ込んでくるアイコ。
当然だ。アイコにとって一番都合が悪いのは間合いの外から遠距離攻撃され続けることなのだから、接近戦に持ち込みたいのは当然の心理だ。
だが、ライトは笑いながら……杖を棍棒のように叩きつけた。
「くっ!!」
だが、それくらいはアイコも予想していたらしい。
腕で水晶部分を受け止める。
だが、ライトはそれもまた予想していた。
「炎属性魔法『ダイレクトマジック バースト』!!」
杖のから爆炎が召喚され、アイコはそれを至近距離からもろに受け、踏ん張りながらも数十センチ『弾き飛ばされる』。
「なっ……」
「さっきの投げと併せて考えてダメージはトントンくらいか? この技は射程は短いが、余計な詠唱いらないし、魔力もそんないらないし便利なんだよ」
このゲームの『魔法』を使うためには、『魔力生成スキル』と各属性の『魔法スキル』が必要となる。元から行動で消費するEPを魔力生成で魔力(MP)に変換し、それを詠唱で各種の『魔法』に形成する。魔力はため込んでおける容量が小さいが、戦闘中でも詠唱などで補充しやすいし、水晶のようなアイテムにも充填しておける。
このゲームの魔法とは、準備が必要な代わり応用性の高いエネルギーのようなものだ。ライトは、それを一回限りの爆弾としてアイコの至近距離で一気に爆発させた。
これは、魔力のチャージだけでなく、魔力を溜め込んだ水晶を付け替えたり加工したりが自在に出来るライトだからこその戦法だとも言える。爆弾を自作できるからこそ躊躇なく使い捨てられる。
そして、ライトは魔力が空になった杖を躊躇なく『棍棒』として使う。
魔力の回復や補充の速さは『魔力生成スキル』の高さに比例する。スキルのレベルの低いライトでは、事前にアイテムに貯めておいた魔力を使い捨ての消耗品として使うくらいでないと、戦闘では使い物にならない。魔力がなくなれば、杖などただの鈍器だ。
だが、アイコはライトのめまぐるしい攻撃法の変化に動じず、もっとも速い杖の『先端』ではなく、中ほどを掴み、反対の手で突きを放ってくる。
ライトは杖から手を離して回避し、距離をとる。
「……武器をころころ変えてちょこまかと……ふざけてんの!?」
アイコはライトの戦い方が気にくわないらしく批判の声を上げる。だが、ライトはその様子を見て、口元に笑みを浮かべて帽子に手をかける。
「ギシャギシャギシャ、そうだな。流石にここまで強いとあんまり出し惜しみしてもいられないな……良いだろう、『虫の鎧』よりもっと『完成度』の高いやつを『御披露目』してやるよ!!」
ライトは、帽子を脱いだ。
「EXスキル『カカシ拳法』」
ライトが突き、アイコがかわす。
アイコのカウンターをライトが受け流し、更なるカウンターを返す。
互いに決定打を打ち込めないままに、ジリジリとHPは削りダメージで減っていく。
ステータス的に肉弾戦で有利なのはアイコだが、ライトはアイコの行動パターンを学習していき、より有効な一撃を探る。
一進一退。周りのギャラリーには、勝敗の読めない戦いになっていた。
だが、とうのライトは、その拮抗状態が最後まで続くとは思っていなかった。
アイコの行動の端々に見られる隙。
だが、それは攻撃を誘う嘘の隙。
アイコは殴打戦ではなく、隙を狙ってきたライトの手足を掴んでからの『投げ』を狙っている。投げ技の利点は倒れた相手への追撃。先ほどは鎧を脱ぐことで瞬間的に素早くなって追撃を逃れたが、今度はその素早さを考慮した追撃が来るのだろう。
隙を突こうとすれば、強烈なカウンターが決まる。
だからこそライトは、その隙を……腹のど真ん中を狙い、技を繰り出した。
「『凶作』!!」
スキルエフェクトの輝きで出来た爪が五本まとまってアイコの腹筋に突き刺さる。その直前、アイコの手がライトの手首を掴んだ。
「もらった!!」
腕を捻られ、貫手の勢いを利用されてライトの足は地面から離れる。
だがその瞬間、ライトは次の技を繰り出した。
「軽業スキル『アクロバットマン』!!」
この技は『アバターの体重が数秒間半減する』という技だ。これを使えば弱い足場を駆け上がることも、普段跳べない高さにジャンプする事もできる。
そして、投げている相手の重さが変われば、しかも重くなるならともかく、いきなりかるくなったら、当然技も失敗する。
「えっ!?」
ライトは、投げられた勢いのまま一回転し、両足で着地。そして、驚くアイコの本当の『隙』を突く。
投げに使った直後の両手が使えない今、アイコの上はがら空きだ。
「拳術スキル『瓦砕き』!!」
ライトの突きはアイコの顔面にヒットし、そのHPは半分以下に減少し……ライトが勝者となった。
しかし、ここで一つライトは大きな失敗をしていた。
「おい、あいつ女の顔面躊躇なく殴ったぞ」
「サイテーだな……」
「大人気なさすぎだろ」
「女子の顔面……普通寸止めとかしないか?」
ギャラリーがいたのを忘れていた。
しかも、攻撃を受けたアイコは格闘戦で負けたのがショックなのか、倒れたまま起き上がらない。
起きあがるのを手伝うという意思表示として手を差しのべても反応しない。
場の空気をごまかすため、ライトは叫んだ。
「これは事故だ!」
ライトは取りあえず武器を回収しアイコを他の場所に動かそうと身を起こさせるが、誰も手伝ってくれなかった。
ライトは決闘には勝ったものの、もっと大事なものを失ってしまったようだと思った。
同刻。
ナビキは『時計の街』の『大空商社』で、スカイの護衛を兼ねて、空色の羽織りを着て店員のバイトをしていた。
と言っても、もう夜なのでほとんど客は来ない。
ナビキが攻略本に載せる情報をまとめる横では、スカイが何やら難しそうな本を読んでいる。
「あ、そろそろ時間ね~。ナビキ、今日はもう帰って良いわよ」
スカイは本から目を離さずに言った。よほど本を読むのは止めたくないらしい。
そんなスカイを見て、ナビキが疑問を口にする。
「何なんですかその本、今日お客さんがいないときはずっと読んでますけど」
「これ? 『館の街』から仕入れた魔道書」
「え、魔道書って読むだけで魔法スキルが修得できるっていうあれですか?」
「うんあれ。結構高かったから買い取りには苦労したんだけど……これはなかなか使えそうなのよ」
「えっと……スカイさんも魔法なら戦えるって事ですか?」
ナビキが少々困惑しながら問いかけると、スカイはギラギラとした……まるで悪魔のような笑みを本で隠しながら答えた。
「ナビキ、こんな便利なものを戦いだけに使うのはもったいないと思わない?」
《若返りの泥》
若返りの効能がある温泉の泥を固めた泥団子。
食べれば十歳ほど若返るが、泥団子なので味は良くない。
風呂に溶かして入浴剤として使えば元の温泉と同じ効能となる。
(スカイ)「今回はこちら……なんだけど、実は販売停止の要請が出てるんだよね」
(イザナ)「何でですか? すごい面白いアイテムなのに」
(スカイ)「街の女性陣から『小さくされて拉致されるかもしれない』って言われてるのよ。まあ、最近みんな犯罪に敏感になってるからね。」
(イザナ)「知ってます、そういう人を『ロリコン』って言うんですよね?」
(スカイ)「あんたも気をつけなさいよ? 怪しい人に道聞かれてもついて行っちゃダメだからね?」
(イザナ)「私の道案内NPCとしての役割全否定……怪しい人ってどんな人ですか?」
(スカイ)「ライトみたいな人よ」
(イザナ)「ライトさんのどこが怪しいんですか?」
(スカイ)「ほとんど見返りも求めずに人のために働くライトのどこが怪しくないっていうの? 怪しくない人は、仕事の後で法外な報酬を求めてくるような人よ」
(イザナ)「それは怪しいどころかただの悪い人ですよ」




