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異世界と12の召喚獣  作者: ドンサン
魔王になった

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魔王就任

雅人達と家族であることを仲間に告げたつかさ。

アステリオの頼みも叶えたので、城がある方へ戻った。



城があった場所の周辺は、瓦礫1つ無い広場になっており、魔族達が休憩をしていた。


「つかさ!丁度いいところに来てくれた。おれ達はまだいけるんだが、トモンは休憩が多いんだ。なんとか言ってくれ」


「ハァ。。城の瓦礫どかしたんだからいいじゃん。」


それはそう。

どうやったかは分からないけど、この短時間で城は跡形も無くなっている。

トモンが総合指揮をとっていて、休憩の指示ばかりだそう。


「つかさ、おれからも頼む。魔王として指揮をとってくれ。」


そんなことを言われている当人は、寝そべってあくびをしている。

仕方がなく、おれは広場にいる魔族全員に聞こえるように大きな声を出した。


「みんな!早く街が元通りになるように復興を頼む!!ただし、無理することないよう。休憩は適度に取って怪我がないように力を奮ってくれ!」


おれはラパンを召喚してこの場を任せた。何かあれば念話で連絡してもらう。

そして小さな声でトモンに「帰ろっか」と一言伝えて重い腰を起こしてもらった。


(着いてすぐの時に、任せろって言っていたのはどこ行ったんだ)


リックを召喚してトモンと2人、ブレストへ向かう。

シュバルやマチカと違って背中が大きく複数人乗れるのが魅力な反面、障害物を無視して真っ直ぐ進むため、乗り心地はいまいちだ。



ブレストに着いたらトモンを帰らせて、マモンに状況の報告に行く。

マモンはすぐにシャティロンの残っている難民を帰宅させれるように、準備を進めた。

おれ達が護衛しながら戻ることとなるが、ノンカールズは護衛無しでトゥーロンへ帰っていった。


彼らがこの街に滞在する理由は本来無かったはずだが、みんなを楽しませてくれていた。

落ち着いたら、魔王権限で何か用意したいと思っている。



ノンカールズを見送ったおれは、ブレストに残っていた仲間と合流して、シャティロンに戻る準備を進める。


「私も連れていきなさいよ」


声が聞こえる方へ振り向くと、準備万端のアモーラが立っている。


「もちろん一緒に行くけど、出発は明日だぞ? ご飯でも食べに行くか?」


おれの体も魔族に近づいて、食事が趣味になりつつある。

おれはアモーラを連れて、パトラと一緒に行った定食屋に入った。


カラン、カラン


おれはパトラと座ったカウンター席に座り、お姉さんに注文をする。


「定食2つ。」


お姉さんは厨房のおばちゃんに注文を伝えて、おばちゃんが準備を始めた。


出てきた料理は白身魚の塩焼き。

定食のお米が白米になっている。


「あんた魔王様と一緒にいた子だろ?」


厨房のおばちゃんが話しかけてきた。

おれは食事中だが、視線を向けて肯定すると話を続けた。


「魔王様がお米を新しく用意してくれたおかげで、安定してより良い物が提供できるようになったのさ。次の魔王も、しっかりしててくんなよ」


頭の中でパトラとの記憶を思い出し、目に涙が浮かんだ。

シャティロンだけじゃなく、ブレストやトゥーロンの人達からも人望があった先代魔王。

その息子である、と胸を張って言えるように、魔王になる覚悟を決めた。


「なに?泣いてんの?」


空気の読めないアモーラを無視して食事を終わらした。



出発の日。

シャティロンの人達で大移動となる。

先頭から最後尾まで、おれや太牙君と召喚獣達を散らばらせて移動を開始した。

多くはないが、たまに出てくる魔物は見つけ次第駆除して、とりあえず本に収めていく。

先日の戦闘に参加できなかった者達は血の気が多い。


3日ほど時間をかけてシャティロンに到着した。

襲撃を受ける前と比べて、少し景観が変わったように思えるが、復興はかなり進んでおり、普通の生活ができそうになっていた。


メリアスとプチが来て、おれの前で片膝立てるようにしゃがんだ。


「魔王としての最初の仕事をお願いします。」


2人の視線の先にはスーテジが用意されていた。

みんなの視線がおれに集まる。

自分達の街に帰ったはずのノンカールズも視界に入った。

仕方なくステージの上に立つ。

みんなの注目を集めるも、何をしたらいいか分からない。


「みんな。街の復興をありがとう。パトラがいなくなってバタバタな日が続いてたけど、これでまた落ち着けると思う。 おれは力不足で何もできないけど、今後もサポートしてくれるとうれしい。  それと、人族の仲間が増えた。こいつらはおれの転生前の家族だ。これからこのシャティロンを拠点にするから、そのつもりで知っていて欲しい。」


話が終わって数秒静かな時間が流れると、ノンカールズの1人が唐突に大きな声を出した。


「なんて日だ! 街復興、魔王就任。めでたい日に人族との生活が決まるなんて!!」


つい先日までシャティロンを乗っ取っていた張本人な上に、パトラを殺した当事者でもある。

もっともな意見に、おれは顔を下に向ける。


「でも…他種族との共存ってのは、パトラの目指した平和な世界では普通だろうな!」


「我らノンカールズは新魔王つかさを承認する!!」


腕の長い2人が両手を上げてくれた。


「おれ達四天王も話はまとまってるな」


四天王の4人も片手を上げた。


「私たちも異議なし、だ」


マモンとトモンもいた。

見送りをしていてくれたはずなんだけど…


「問題はなさそうだな。つかさの魔王就任を、魔神マーノアが承認する。」


急に隣に現れたマーノアの承認によって、おれは正式に魔王となった。

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