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異世界と12の召喚獣  作者: ドンサン
争い
20/80

少女との出会い

ドタドタドタドタ


「魔王様~!」


バンッ!!


大きな声と共に、魔王の寝室の扉が勢いよく開けられた。

そのまま声の主はベッドにダイブ。

そこでようやくちゃんと部屋を見渡した。

パトラは先に起きて、ついさっきこの部屋を出ていて留守だった。

小さな少女は、ベッドの上で寝ていたおれにようやく気づく。


「誰!?侵入者? 侵入者~!!」


少女は叫びながら、部屋を出て行った。


「なんだったんだ?」


おれは部屋を出て訓練場に向かった。

朝練の素振りをしながら、少し考え事。

シャティロンに帰ってきたということは、飯が無い世界に帰ってきたということ。

朝食をどうしようか。

とりあえずはミルクで誤魔化しながら、四天王に会いに行くか。

なんてそばから筋肉マンが声をかけてきた。


「つかさー。 アイラが呼んでたぞ。その前に少し体を動かそうじゃないか」


出たよ。

しっかり相手してやろうじゃないか。

軽量鎧に魔力を込めてスキルを付与。物理無効、自己修復、自動回避、攻撃力と素早さをUP。

対プチ特化スキルの防具を準備して、リクドウを構える。

形状変化ができるらしかったな。

なにがどの武器かは知らんけど、使ってみるか。


「いくぞ、プチ。 リクドウ、がきモードよろしく!」


刀は細長い棍棒に形を変えた。

鬼神は大陸を導くから陸導とか言ってたけど、六道だったみたいだな。


プチは動かずこちらの様子を伺っている。

先手必勝!おれはプチに近づき、バットの要領思いっきり棍棒を振った。

プチは腕でガードしたが、ダメージは入ってるっぽい。

少しよろけたが、すぐに体勢を立て直しおれに拳を振るった。

だがそんなパンチは、おれの防具のスキルを持ってすれば当たるはずもない。


「前より強くなったな。ちょっと強く行くぞ」


「リクドウ、ちくしょうモード」


前回のように負けるつもりはない。

おれはリクドウを斧に変えて攻撃に備える。

プチはその場から正拳突きで衝撃波を飛ばす。


「それは、まえみた」


おれは斧でガードして踏ん張った。

構えを戻すと、視界にプチはいなかった。

焦って辺りを見回すがいない。


ヒューー 


上から風切り音が聞こえて見上げると、プチが降ってくる。

身の危険を感じて後ろに跳んで回避した。

おれがいた場所は大きなクレーターができている。

プチはすぐに切り替えてこちらに殴りかかってきた。

防具のスキルで回避するが、プチが着地した瞬間に回し蹴りをして攻撃を受けてしまう。

おれは激しく壁にぶつかり膝をついた。


顔を上げるとプチの拳が目の前にあり、防具スキルの回避が始まっていた。


「フェイント!?」


逆からフックを食らってまた吹き飛ばされて戦闘終了。

おれは急いで本から回復薬を取り出した。

物理無効スキルを貫通して骨が折れてしまったし、自動回避も連続使用は出来ないみたいだった。

装備に甘えてはならないことが勉強になった。


「プチ、つよすぎない?」


「人族の赤ん坊に負けるようじゃ、魔族やってられねぇよ」


次は魔法も使おう。


ミルクを飲んで少し休んでから、リクドウの状態確認をする。

じごくモードが鎌、がきモードが棍棒、ちくしょうモードが斧、しゅらモードが剣2本、てんモードには刀の持ち手しかなかった。

スキルがあるらしいが、それは確認することができなかった。


「トラリアのところにいこ」


切り替えて新しい仲間が増えたことを紹介するため、サキュバス達の牧場に向かった。


シュバルに乗って、ビテスを背負って、クテクを首に巻く。この装いは定番だな。

サキュバスの牧場に着くと、トラリアとペンギンが出迎えてくれた。


「つかさ、あなたのモンシューちゃんが進化したみたいよ」


「つかさ様ーー!」


モンシューはおれの胸に飛び込んできた。トラリアに言われるまで気づかなかったなんて言えない。

ニワトリからペンギンに進化したけど、空を飛べるのはまだ先な話だな。


新しい仲間達も召喚して紹介をしていると、急に大きな声が聞こえた。


「イヤーーー! ヘンタイ!!」


近くで声がしたので辺りを見回してヘンタイを探すが、おれもトラリアもそれらしき人は見つけれない。


「あんたよ!チビ!」


おれより小さな女の子がおれを指差してそう言った。

おれより小さい魔族は初めて見たが、誰に向かってチビって言ってんだ。


「あらあら、アモーラちゃん。この子は人族の子どもでつかさよ。保護者はパトラ。仲良くしてあげてね」


アモーラちゃんって言うのか。

ここはおれが1つ大人の対応をしてやろう。


「おれはつかさ。アモーラちゃんよろしくね」


どうだ。

ちびっこに自分から挨拶してやれるおれ、大人だろう?


「話しかけないで!ヘンタイチビ!」


おーん? やんのか?

こちとらたった今プチに負けて、ちょっと傷心気味なんですけど?


「はいはい、ケンカしないの。インプのアモーラちゃんよ。つかさがいない間に誕生した子だからやさしくしてあげてね」


本当の大人は相手にせず、感情的にならないんですね。勉強になります。


少し話を戻すと、モンシューはおれが召喚していない時にここで卵を産んでいたらしい。

その卵の味が絶品らしいので、何個か本に収めておくことにした。


モンシューの卵 【SR】

レベルが上がる


効果も絶品すぎた。

今度オムレツにしてたくさん食べよ。



アイラに頼んだものを取りに行くため、クテク、ビテス、シュバルで向かうことにした。


「アイラ、たのんでたやつできてる?」


「つかさか、着いてこい」


アイラと一緒に違う部屋へ来た。

別のヴァンパイアがいくつかある大きな布の側に立っている。

アイラの合図と共に布をはぐると、それぞれ大きな機械が出てきた。


「すっげぇーーー!!」


おれは驚きのあまり、柄にもなく大きな声が出てしまった。

だが、それも無理はない。

少なくとも魔族領では見たことのない機械を作ってもらったのだから。


「起動に少し多めの魔力を使うのだけは、どうにもならなかったがつかさの魔力量なら問題ないだろう。」


そこには、脱穀機やミキサー、オーブンなどのパンを焼くために必要な機械を揃えてもらった。

こうなると早くパンが作りたい。

おれは機械を全てカード化して、アイラに礼をいいながら部屋を出た。


シュバルに乗ってシャティロンの外まで駆け抜ける。

街の外で小麦を製粉するため脱穀機を出して、1つ問題点に気づく。

乾燥させたりするには場所が悪いのではないかと。


(干すと言えばブレストか。塩もあるし。)


急遽ブレストに向かうことにした。

森に入る前にみんなを召喚するが、サージュが今回も応じなかった。

仕方がないので他で森を抜ける。

おれ達はシュバルに乗って素早く駆け抜けるが、他はラパンの案内で経験値を稼ぎながら森を抜けることとなった。

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