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 3人の両側には複数の警官がいました。今回も隊長の配慮で地元の警察に警備を依頼したようです。

 Aが怒鳴ります。

「ケッ! 盗作のクセして、こんなところでストリートライヴかよ!?」

 その言葉を聞いて近くにいた20歳くらいの女性がはっとします。そして横目でこの5人組をにらみました。Aはそれに気づき、女性に、

「はぁ、なんだお前? 今オレにガン飛ばしたろ!?」

 すると女性は振り向き、5人をガッとにらんで、

「彼女の父親は盗作なんかしてないよ!」

 するとAは「はぁ?」という表情を見せ、

「なんだこいつ?」

 女性の口は止まりません。

「著作権協会も作曲家協会も彼女の父親は盗作してないて公式見解発表してるじゃん!」

 Aはわざとらしく爆笑。

「あは、こいつはお笑いだ! いいか、著作権協会のお偉方も作曲家協会のお偉方も、み~んな盗作しまくって偉くなったんだよ! 盗作ばっかしてた真土勝之の味方になって当然だろ!」

 もうむちゃくちゃな論理。著作権協会も作曲家協会もそんな人はいません。

 実はこの2つの協会、真土勝之は盗作してないという公式見解を発表した日から、ネット民からそう言われるようになってたのです。完全な言いがかりなのです。

 Aは指をボキボキ鳴らしながら、

「お前、少し痛い眼に遭わないとわかんねぇらしいなーっ!? ええーっ!」

 Aに迫られ焦る女性。演奏してる3人の側には複数の警官がいますが、少し離れたこの場所の異変に気づくことは不可。周りのオーディエンスも、何もすることができません。

 が、

「おーい、何やってんだ!?」

 その声は5人の背後から。Aは振り返り、怒鳴ります。

「なんじゃ、お前ーっ!」

 するとそこにいた人は、格闘家の土屋翔介でした。今日本で一番強い格闘家と言われてる人物です。もちろん多くの人に知られてる人。Aも知ってたようで、ビビリ始めました。

「うっ、つ、土屋翔介?・・・」

 BがAに話しかけました。

「おい、行こうぜ!」

「ああ・・・」

 5人は今来た方向に歩き始めました。その背後から罵声が複数飛んできました。

「おーい、弱い者にはすごむクセに、強い者にはしっぽ巻いて逃げんのかよーっ!?」

「2度と来んなよ、このうんこ野郎ーっ!」

 歯を喰いしばり両手に拳を作って耐えるA。

「くそーっ!・・・」

 5人は行ってしまいました。Aににらまれた女性が土屋翔介に深く頭を下げ、

「どうもすみませんでした」

「まあ、いいってことよ!」

 土屋翔介は演奏中の3人を見て、

「しかし、すごいテクニックだなあ! ほんとうにJCなのか、あのたち?」

 日向隊員の人工脊髄反射のデータの1つは土屋翔介のもの。まさか自分から採集されたデータを持ってる少女が今眼の前にいるとは、夢にも思ってないはず。

 だいたい土屋翔介は、自分が提供したデータがどこでどう使われてるのか、まったく知らされてませんでした。


 さて、演奏してる3人組ですが、真土灯里は相変わらず華麗なギターテクニックを披露してます。それを電子ピアノを弾きながら横目で見てる日向隊員。

「あは、やっぱ真土さんのギターテクはすごいや」

 とつぶやきました。

 実は3人がここで演奏するのは、今日が3日連続3日目。

 初日日向隊員はギターを弾いてました。そう、真土灯里モデル。けど、真土灯里の横でギターを弾いてると、彼女のあまりにも人離れしたギターテクニックの前に自分のギターが埋没してしまったのです。

 その夜日向隊員は悩みました。どうすれば真土さんのギターに負けないで演奏することができる? 考え抜いた末、少し前まで習ってたピアノを使うことにしました。

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