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 明石悠は日向隊員に質問。

「なんで眼鏡をかけてると思う、真土さん?」

 いきなりの質問に日向隊員は返す言葉がありません。明石悠はさらに言葉を続けます。

「真土さん、小学校の中で突き飛ばされて、クラスメイトに顔面をめちゃくちゃ踏みつけられたことがあったんだって」

「ええ~っ!?」

「そのせいで左眼は失明。右眼も視力が0.1もないんだって」

「ひどい・・・ 学校は責任を取ったの?」

 明石悠は首を横に振って、

「何も・・・ これは生徒|(児童)同士のケンカだから、学校は何も責任がないの一点張りだったそうよ。

 しかも学校は、真土さんの方に問題があったと主張したみたい」

「なんで?」

「真土さんがテレビに出て天才ギターキッズと騒がれたからだって」

「そ、そんなこと言ったら、テレビに出た人はみんなイジメられちゃうじゃん!」

「日向さんが外に行ってる間、真土さんは私にこう言ってたんだ。この国じゃ少しでも目立つことをしたら徹底的にイジメられるって。

 たしかにそうね。私も肌が黒いていうだけでめちゃくちゃ恐喝カツアゲされたし、毎日みんなのおもちゃにされた・・・

 みんな、イジメる側の味方。イジメられる側は誰も助けちゃくれない、学校でさえ・・・

 ほんと、この国はひどいよ。正義なんてありゃしない・・・ なんで私、こんな星に来ちゃったんだろう?・・・」

 日向隊員は考え込みました。

「真土さんはイジメられていた。今私の横にいる明石さんもひどい目にあってた。じゃ、私は?」

 日向隊員の脳裏に山際怜子の姿がふっと浮かびました。

「私はイジメる側だった。人のこと言えないか。あはは・・・」

 日向隊員は苦笑い。けど、すぐ真面目な表情になり、

「これじゃダメ。絶対ダメ! 私だけでもイジメられる側の味方にならないと! そうしないと私が殺した山際怜子れいちゃんが浮かばれないよ・・・

 こんな社会、変えないと! で、でも、私1人で何ができるというの?・・・ いや、私1人でもできるはず!」

 日向隊員は2人の間に立てかけてあるギターのケースを見ました。中身は真土灯里モデルと言われてるギター。

「私にはこれがある! これですべてを変えてやる!」


 それから10日ほど経った日曜日の昼下がり、ここは駅の側の街角。衛星都市の駅らしく、にぎやかな街角です。

 ここを5人の若い男性が談笑しながら歩いてます。その中には以前日向隊員と明石悠のストリートライヴを邪魔したAとBの姿もあります。

 と、5人の耳が何かを捉えました。はっとするA。

「ん、なんだ、この音?」

 5人は小走りになりました。そして角を曲がると、そこにはたくさんの人が群がってました。人々はみな同じ方向を見てます。その方向から音楽が聴こえてきます。

「なんだよ、これ?」

 1人がピョンピョンと飛び跳ね、奥を見ようとします。

「何やってんだあ?・・・」

 けど、あまりの人だかりに何も見えないようです。

「ちぇ、何も見えねーや・・・」

 別の1人が反対側の歩道を見ました。

「あっちに行ったら見えるんじゃねーか?」

 と言っても、その通りには自動車が行き交ってます。Bがそれを見て、

「おいおい、ここ渡んのかよ?」

 と文句を言いつつ、5人は道路を横切りました。

 反対側の歩道につくと、5人は音が聞こえてくる方向に移動。そこには3人組がいます。Aがこの3人を見て驚きました。

「おい、おい、ありゃ盗作の娘か~!?」

 そう、その3人組は日向隊員、真土灯里、明石悠だったのです。真土灯里はエレキギターを、日向隊員は電子ピアノを弾いてます。明石悠はマイクを握って熱唱してました。

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