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すると明石悠は無言となってしまいました。が、すぐに、
「そ、そうだよね。あは・・・ じゃ、続きはチャットでやろ!」
日向隊員は今度は肯定的。
「うん!」
それから2人はスマホのチャット機能で会話しました。女の子同士です。会話は3時間にも及びました。
陽が明けいよいよその日になりました。隊長のクルマが日向隊員の家とされてる住宅の前に停車。ギターケースを抱えた日向隊員が駆けて来て、クルマの後部座席に滑り込みました。
後部座席にはすでに明石悠が座ってました。2人はあいさつ。
「おはよ、明石さん!」
「おはよう、日向さん!」
隊長はシフトレバーを操作し、
「じゃ、行くぞ!」
隊長のクルマが走り始めました。
後部座席の2人ですが、明石悠が切り出しました。
「あの人、やっぱ真土灯里だったんだ」
どうやら明石悠も例の動画の存在に気づいたようです。明石悠の発言が続きます。
「なんで名前変えたんだろ?」
「そりゃあ、学校でイジメられた上に父親が自殺したら、ふつーは替えるんじゃないかなあ?・・・」
「で、でも、自分が悪くなくても、名前を替えたら自分が悪かったと認めるようなものじゃないの?
名前って親からもらった大事なものでしょ? そんなに簡単に替えられるもんじゃないと思うけど?・・・」
その言葉に日向隊員はグサッとしました。そう、日向隊員=日向愛の本当の名前は金目ひなた。
金目ひなたはクラスメイトをイジメて自殺に追い込み、そのことで世間から徹底的に叩かれ、一家で逃亡。が、その途中飛行機事故に遭い、両親は即死。日向隊員も瀕死の重傷を追いました。
しかし、捨てる神あれば拾う神あり。金目ひなたはテレストリアルガードで大手術を受け、故海老名隊員の身体をもらい復活。それを機に日向愛と名前を替えてます。
名前を替えるとき、日向隊員の希望で金目ひなたの下の名前「ひなた」をそのまま苗字にしました。日向隊員は親からもらった名前を棄てることはできなかったのです。
明石悠の指摘は当たってる。日向隊員は感心しました。
快調に走る隊長のクルマ。と、その眼の前に大きな人だかりが見えてきました。そう、ここは日向隊員と明石悠がいつもストリートライヴをやってる中学校の校門の前。人だかりはネット民、マスコミ関係者、それを押さえてる警官隊です。
前回より人ごみが増えてました。前回は毎日毎日多額の金銭を恐喝され、さらには集団レイプされていた明石悠を見ようと集まっていた連中ですが、今回はそれ以上の注目の的がいたからです。
隊長のクルマが人だかりの前で停車。ネット民はカメラを構え、さっそく隊長のクルマに突撃。その勢いにマスコミ関係者はびっくり。
「ええ~・・・」
それを警官隊がなんとか阻止します。ネット民から罵声が飛びます。
「どけよーっ!」
「邪魔すんなよ、この、税金泥棒!」
「報道の自由だろうよ!」
もう大混乱。隊長はハンドルを握ったままこの光景を見て、
「おいおい、なんだよ、こいつら!? こんなところでコンサートできんのか!?」
アスファルトに降り立った日向隊員と明石悠は顔を見合わせ、
「行くよ、悠!」
「うん!」
なお、日向隊員はギターケースを背負ってます。
日向隊員の眼はさっそくある人物を捉えました。警官隊に挟まれた小さな女の子、八幡このみです。日向隊員は八幡このみにあいさつ。
「こんにちは!」
八幡このみは笑顔であいさつを返します。
「こんにちは!」
明石悠。
「あなた、真土灯里だったの?」
八幡このみ・・・ いや、真土灯里は顔を赤らめました。
「あは・・・」




