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メガネの少女は思いっきり不満な顔を見せ、大声をあげました。
「ちょ、ちょっと待ってよーっ!」
けど、日向隊員も明石悠もそれを無視して演奏を続けます。するとメガネの少女は実力行使に。なんと日向隊員が弾いてるギターのネックを掴んだのです。日向隊員はびっくり。
「へっ!?」
メガネの少女は訴えます。
「なんでギターソロやらないのよ!?」
「ギターソロって、間奏のこと?・・・」
「そうよ! あれをやんなけゃ、この曲を奏る意味がないじゃん!」
「ご、ごめんなさい。私にはあのギターソロはむりって・・・」
「もう! じゃ私が奏るよ!」
「ええ?・・・」
日向隊員は少女の豹変にただ、ただ戸惑うばかり。仕方なくギターを渡すことにしました。
「はい」
日向隊員のギターを手にした少女は、ギターのストラップを被りました。が、ここでギターの弦に眼が止まりました。
「そうだ、ガット弦だったんだ・・・ こんなギターで奏るっていうの、私・・・」
少女はガット弦に不満があるようです。思いっきり嫌な表情を見せました。が、日向隊員を横目で見て、
「あの人だってこのギターで奏ったんだ。タッピングはちょっとムリだけど、代わりにスライドやグリッサンドをやれば!」
渋かった少女の顔は、途端にやる気のある顔になりました。
少女は財布を取り出し、その中から硬貨を1枚取り出しました。明石悠はそれを見て、
「何、あれ?」
日向隊員は応えます。
「外国のコイン・・・ かな?」
メガネの少女は1つ深呼吸すると、ジャーン!とギターを1回だけストロークで鳴らしました。
「大丈夫!」
と大きくつぶやくと、ギターの演奏を開始。ハイスピードなギターテクニック。マスコミやネット民はそれを聴いてびっくり。
「うひゃーっ、すげーな、これ!」
「なんだよ、これ!?」
「さっきの女の子よりすごいじゃん!」
彼女のパフォーマンスはスマホやパソコンでライヴ中継を見てる人々も感動させてます。
「す、すげーや、こいつは!」
パソコンで見ていた生徒会長も、口をぽかーんと開けたままになってしまいました。
「何、これ・・・」
が、何か思い出したようです。
「あれ? この娘、テレビで見たことあるような?・・・」
群衆の中、日向隊員と明石悠もびっくりしてました。ただ、2人の驚きはほかのオーディエンスとはちょっと違うところにあるようです。明石悠は日向隊員を横目で見て、
「日向さん、すごいよ、これ! 昨日動画投稿サイトで聴いたギターとまったく同じだよ!」
日向隊員はぽつりと反応しました。
「ええ・・・」
そう、昨日動画投稿サイトで見た(聴いた)真夜中のノックのundercoverて曲の間奏部分。メガネの少女はそれを完璧にトレースしてたのです。ま、エレキギターとガット弦のアコースティックギターとの違いはありますが。
それに加え、見た目に派手なスライドやグリッサンドなどの技を織り交ぜてました。完全に少女の独り舞台。
なお、少女が手にしてた硬貨ですが、ピックとして使われてました。
日向隊員もいつの間にかうきうき、わくわくしてました。今まで感じたことがない高揚感。
けど、ふいに声が耳に入り、はっとしました。それはスマホを構えてる2人の男性ネット民でした。
「あ、あいつ、真土勝之の娘じゃないのか?」
「ええ、あの盗作の娘?」
真土勝之とはこの曲を作詞作曲した男性のことです。うろ覚えだった日向隊員は、はっきりと思い出しました。
それと同時に日向隊員はこの2人に怒りを覚えました。たまたま似てた曲があっただけ。盗作じゃないよ、絶対!




