表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/226

61

 メガネの少女は思いっきり不満な顔を見せ、大声をあげました。

「ちょ、ちょっと待ってよーっ!」

 けど、日向隊員も明石悠もそれを無視して演奏を続けます。するとメガネの少女は実力行使に。なんと日向隊員が弾いてるギターのネックを掴んだのです。日向隊員はびっくり。

「へっ!?」

 メガネの少女は訴えます。

「なんでギターソロやらないのよ!?」

「ギターソロって、間奏のこと?・・・」

「そうよ! あれをやんなけゃ、この曲をる意味がないじゃん!」

「ご、ごめんなさい。私にはあのギターソロはむりって・・・」

「もう! じゃ私がるよ!」

「ええ?・・・」

 日向隊員は少女の豹変にただ、ただ戸惑うばかり。仕方なくギターを渡すことにしました。

「はい」

 日向隊員のギターを手にした少女は、ギターのストラップを被りました。が、ここでギターの弦に眼が止まりました。

「そうだ、ガット弦だったんだ・・・ こんなギターでるっていうの、私・・・」

 少女はガット弦に不満があるようです。思いっきり嫌な表情を見せました。が、日向隊員を横目で見て、

「あの人だってこのギターでったんだ。タッピングはちょっとムリだけど、代わりにスライドやグリッサンドをやれば!」

 渋かった少女の顔は、途端にやる気のある顔になりました。

 少女は財布を取り出し、その中から硬貨を1枚取り出しました。明石悠はそれを見て、

「何、あれ?」

 日向隊員は応えます。

「外国のコイン・・・ かな?」

 メガネの少女は1つ深呼吸すると、ジャーン!とギターを1回だけストロークで鳴らしました。

「大丈夫!」

 と大きくつぶやくと、ギターの演奏を開始。ハイスピードなギターテクニック。マスコミやネット民はそれを聴いてびっくり。

「うひゃーっ、すげーな、これ!」

「なんだよ、これ!?」

「さっきの女の子よりすごいじゃん!」

 彼女のパフォーマンスはスマホやパソコンでライヴ中継を見てる人々も感動させてます。

「す、すげーや、こいつは!」

 パソコンで見ていた生徒会長も、口をぽかーんと開けたままになってしまいました。

「何、これ・・・」

 が、何か思い出したようです。

「あれ? この、テレビで見たことあるような?・・・」


 群衆の中、日向隊員と明石悠もびっくりしてました。ただ、2人の驚きはほかのオーディエンスとはちょっと違うところにあるようです。明石悠は日向隊員を横目で見て、

「日向さん、すごいよ、これ! 昨日動画投稿サイトで聴いたギターとまったく同じだよ!」

 日向隊員はぽつりと反応しました。

「ええ・・・」

 そう、昨日動画投稿サイトで見た(聴いた)真夜中のノックのundercoverて曲の間奏部分。メガネの少女はそれを完璧にトレースしてたのです。ま、エレキギターとガット弦のアコースティックギターとの違いはありますが。

 それに加え、見た目に派手なスライドやグリッサンドなどの技を織り交ぜてました。完全に少女の独り舞台。

 なお、少女が手にしてた硬貨ですが、ピックとして使われてました。

 日向隊員もいつの間にかうきうき、わくわくしてました。今まで感じたことがない高揚感。

 けど、ふいに声が耳に入り、はっとしました。それはスマホを構えてる2人の男性ネット民でした。

「あ、あいつ、真土勝之の娘じゃないのか?」

「ええ、あの盗作の娘?」

 真土勝之とはこの曲を作詞作曲した男性のことです。うろ覚えだった日向隊員は、はっきりと思い出しました。

 それと同時に日向隊員はこの2人に怒りを覚えました。たまたま似てた曲があっただけ。盗作じゃないよ、絶対!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ