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日向隊員だって考えてます。明石悠の自信を回復させるために、そしてみんなにいい意味で注目されるように、今日中学校の校門の前で歌わせました。
明日も明後日も、毎日毎日校門の前で歌えば、きっと明石悠の自信は戻って来るはずだし、みんなから注目されるはず・・・
日向隊員は明石悠を見て、
「ふふ、大丈夫、大丈夫。私があなたを守るから、明日も校門の前で歌いましょ!」
日向隊員は再び考えました。
「けど、人気が出たら、その先はどうするつもりなの、私? う~ん・・・」
と、日向隊員はここでふと何かを感じ、振り返りました。
「ん?」
そこには3つの人影が見えました。と言っても、かなりの後方。3つの人影はかろうじて人とわかる程度。けど、超能力のある日向隊員は感じてました。あの3人、私たちを監視してる?・・・
明石悠は後ろに気を取られてる日向隊員に気づき、不審に思いました。で、質問。
「日向さん、どうしたの?」
日向隊員は作り笑い。
「あは、なんでもないよ」
ここで2人はT字路に差しかかりました。雑木林の中へと続く径。昨日通った径よりさらに細い径です。
クルマの進入を防ぐためか、径の入り口のど真ん中には、高さ1mほどの杭(車止め)が設置されてます。
明石悠はその径を見ました。
「私の家は、こっち」
「OK!」
2人は径へと曲がりました。
明石悠は日向隊員にいろいろと語りかけてますが、日向隊員の心は別のところにありました。そう、後ろをつけて来る3人組を全感覚を使って監視してるのです。と、何かを感じたようです。
「ん、曲がった? え、1人だけ?」
どうやら3人のうち1人だけが、この径へと曲がったようです。
と、今度は、ボキッ 小枝を踏む音が。その音に日向隊員ははっとしました。その音は雑木林の中から聞こえてきました。
「林の中に誰かいる?・・・」
ここで日向隊員は昨日の隊長のセリフを思い出しました。
「そういや明日からお前にボディガードが付くらしいぞ。公安7課が付けるそうだ。だがなぁ・・・ なんでも秘密裏に行動するからなあ、やつら。どこからどういう形で守ってくれるのか、さっぱりわからないんだ。それは気に留めておいてくれ」
「そっか、公安7課の人だな、この気配」
明石悠はボーとしてる日向隊員を再び不審に思い、
「日向さん、どうしたんですか、さっきからいったい?」
日向隊員は慌てて作り笑い。
「あは、なんでもないよ」
ここで、ボキッ! 再び小枝を踏み音。今度はさらに大きな音。日向隊員はその音を聞いて、その音が聞こえてきた雑木林に振り向きました。
「違う、この音は公安7課じゃない?・・・」
次の瞬間、
「きゃーっ!」
突然の悲鳴。
「ええ!?」
日向隊員は慌ててその声の方向を見ました。すると明石悠が男に羽交い絞めされてました。リーゼントの男です。慌てる日向隊員。
「明石さん!?」
リーゼントの男はニターッと笑います。
「へへへ、この、間抜け! よそ見ばかりしやがって!」
ほぞを噛む日向隊員。
「くっ・・・」
日向隊員は雑木林から聞こえてくる音に集中し過ぎて、真後ろから追ってきた男の監視がおろそかになっていたのです。さらに、
「おい!」
日向隊員がはっとして振り返ると、そこには啓一とモヒカンの男が立ってました。この2人、どうやら雑木林から現れたようです。啓一は金属バットを持ってます。その啓一が気持ち悪い笑顔で、
「あのときはよくもやってくれたなあ、おい!」
と怒鳴りました。その瞬間日向隊員は思い出しました。明石悠にたかる4人組の不良を。




