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 女の前にいるモヒカンの男は、申し訳なさそうに、

あねさん、いくらなんでもそれはムリっすよ」

 その隣にいるリーゼントの男も、恐る恐る漏らします。

「そ、そうですよ。平日の昼日中ひるひなかですよ、今は! いくらオレたちがドロップアウトしてると言っても、学校に行ってる者もいれば、バイトしてる者も、就職してる者もいるんですよ。この数がやっとですよ!」

 女はこの2人をきっとにらみ、怒鳴ります。

「うるせーっ!」

 びびる2人。

「ひーっ・・・」

「うちらは半グレなんだよ! 半グレはなあ、ヘッドが招集をかけたら、下の者は黙って集まってくるものなんだよ! このボンクラどもがーっ!

 ち、どいつもこいつも・・・」

 女は横に立ってる男子をにらみました。男子の顔はあざだらけ。変形してると言った方がいいかも。

 実はこの男子、昨日明石悠を恐喝し、日向隊員に撃退された4人組の1人。そう、日向隊員の強さに恐れをなして、日向隊員と組み合わず、逃げ出してしまった男子生徒なのです。

 女はこぼします。

「まったくこのバカ息子のせいで、なんでこんなに苦労しなくっちゃならないんだろうねぇ、わたしゃ・・・」

「だってよぅ、母ちゃん、あいつ、むちゃくちゃ強いんだぜ」

 どうやらこの男子、この女の息子のようです。母親はあっという間に顔色を変えました。

「なんだとーっ!」

 母親は息子の顔面をグーパンチで思いっきり殴りました。

「言い訳するなと言ってんだろーっ!」

「うひゃーっ!」

 息子の身体は無残に転がりました。息子は倒れたままの状態で母親を見て、

「母ちゃん、もう殴んないでくれよ・・・」

「はぁーっ!?」

 母親は息子の首を思いっきり踏みつけました。

「ぐふっ・・・」

 母親は足下の息子をにらみつけ、

「お前、あの女と1回も組まずにおめおめと逃げ帰ってきたなんて、ほんとうに私の息子なんかよ!? 相手は中1になったばかりのガキだろ。やられた3人に申し訳ないと思ってないのかよ、ええーっ!?」

 悶える息子。

「い、息が・・・」

「まったく情けないったらありゃしねーよ、このバカ息子がっ!」

 母親は今度は前を向いて、

「お前ら、ちゃんと武器を持ってきたろうなあ!?」

 不良たちは手にしてる金属バットや単館パイプをかがげました。

「は、はい!」

「今からそのガキをブチ殺しにいくぞ!」

 それを聞いた不良たちの顔から一気に血の気が引きました。

「ええ~・・・」

 不良の1人。

あねさん、そりゃまずいですよ」

 別の不良。

「半殺しくらいにしておきましょうよう・・・」

 それに対して母親は、

「安心しろ。責任は全部私が持つ! だからみんな、あのガキの命をって来い!」

 不良たちは騒めきました。いくらこの女が責任を持つと言っても、殺してしまえば自分たちも責任を取らないといけません。つまり、刑務所行き。12歳少女をリンチして殺したら、いったい何年くさい飯を喰わないといけないんだか?・・・

 だからと言って、この女の命令を無視するわけにはいきません。無視すればその先にどんな懲罰が待ってることやら?・・・ どうやら不良たちは従うしかないようです。

 と、ここで突然脇からまばゆい光が差し込んできました。誰かが裏木戸のようなドアを開け、この建物の中に入って来たのです。

あねさん!」

 ドアから入ってきたのは1人の女。けばい茶髪からして、不良少女のようです。不良少女は女にこそこそ話。すると女はピーンときました。そしてふっと笑って不良たちに、

「あの中学校に警察の手入れが入ったようだ。1年生は全員帰宅させるらしい。ふふ、ちょうどいい。今から行って、あのガキを待ち伏せするぞ!」

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