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パトカーは最初のうちは玄関の前に集結してましたが、すぐに満杯になり、あふれたパトカーは、校庭に入ることになったのです。
なお、もう1つの校庭に面した校門は、幅が狭く、クルマでの出入りはほぼ不可能。明石悠と日向愛はこの小さな校門を使って登下校してました。
ちなみに、マスコミの車両も続々と集結してますが、校庭には入れさせてもらえません。路上駐車することも許されず、仕方なく少し離れた場所に駐車することになりました。
中学校の校舎の一室。窓ガラスの向こうを見ると、校庭に続々と入って来るパトカーが見えます。これをガラス越しに見ている女子生徒の姿があります。生徒会長です。生徒会長はちょっと焦り顔。
どうやらこの部屋は生徒会室のようです。室内では1人の男子生徒が机に座ってディスクトップパソコンを操作してます。かなりイライラしてます。
「くそーっ、早くーっ! もっと早くーっ!」
別の机ではラップトップパソコンを操作してる女子生徒の姿が。女子生徒は顔を上げ、
「初期化終了!」
生徒会長はその女子生徒に振り返って、
「OK!」
生徒会長は今度はディスクトップパソコンを操作してる男子生徒をにらみます。
「そっちはまだなの!?」
男子生徒はまだ焦ってます。
「すみません。ふつーに初期化しても、旧データは残るんですよ。旧データを根こそぎ消すための初期化って、どうしても時間がかかるんです・・・」
実は生徒会では明石悠の恐喝の順番をこのディスクトップパソコンで管理、そのバックアップをラップトップパソコンでやってました。
この2つのパソコンを初期化してしまえば、つまり、すべてのデータを消去してしまえば、生徒会や教師が明石悠の恐喝に関与してた証拠をすべて消し去ることができるのです。
ついに初期化終了。男子生徒は歓喜の声をあげます。
「よーし、初期化完了!」
その声と同時に、廊下との間の引き戸がガラッと開きました。生徒会一同は一斉にその方向に顔を向けました。
開いた引き戸には2人の男性が立ってました。生徒会長はその2人をにらみました。
「誰?」
2人は警察バッチを生徒会面々に見せつけ、
「少年課のものです!」
こいつら、たった今中学校に入ってきた刑事か?・・・ ふっ、証拠は全部消した。生徒会は一切関係なし!
生徒会長は心の中でそうつぶやくと、2人の刑事に、
「ふっ、なんの用ですか?」
と、すっとぼけました。その顔は満面の笑み。2人いる刑事のうち、ベテランの刑事が、
「あなたが生徒会長さんですね?」
「そうですけど?」
今度は若い刑事がスマホを生徒会長に見せつけました。
「これを聞いてください!」
スマホからは音声が流れてきました。それに合わせて画面に字幕も出てます。なお、字幕以外、画面は真っ黒です。
「もし不良グループ同士が殴り合いになって警察沙汰になったら、すべてが明るみになっちゃうでしょ。そうなったら日本中にこの中学校の名前が知れ渡ることになる。そうなったら生徒会にも火の粉が降りかかることになるでしょ?
だから私たち生徒会も調整する必要があったのよ!」
ベテランの刑事。
「これはあなたの声ですね?」
まさにその通り。これは少し前に生徒会長が日向隊員に言い放った言葉。生徒会長はうろたえます。
「ええ・・・ な、なんなんですか、これ!?」
若い刑事。
「これは動画投稿サイトにアップされた音声です。ほんの少し前に投稿されたようですね」
ベテランの刑事。
「日本国中に拡散してますよ、あなたの言動が!」
それを聞いて生徒会長はさらに焦ります。
「ええ?・・・」




