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日向隊員はさらに不良Dをにらみます。不良Dは焦ります。
「ああ・・・」
不良Dは一目散に逃げ出しました。
「うわーっ!」
なんと、わずか数秒で日向隊員は4人組の不良を撃退してしまいました。これぞメガヒューマノイドの力!
これを見てた褐色の肌の少女は、わなわなと震えてます。
「ああ・・・」
褐色の肌の少女は、そのまま一目散に駆け出しました。
「うわーっ!」
日向隊員はそれを見て愕然。
「ちょ、ちょっと待ってよーっ!」
日向隊員は褐色の肌の少女を追い駆けようとします。が、
「ぐわーっ!・・・」
といううめき声を聞いて立ち止まり、振り返りました。倒れてる3人の不良。中には口から血をドクドクと吐いてる不良もいます。白目をむいて泡を吹いてる不良も。日向隊員は自分が行った凶行に愕然。
「ど、どうしよう、これ・・・ また隊長に怒られちゃうよ・・・」
砂場にいた幼児とその保護者など、周りにいた人たちが集まってきました。
夕暮れ時、ここは地元の警察署。今2人の制服警官がエントランスに入って行くところ。この2人、警官AとBとしましょう。
2人がスーツ姿の隊長と学校の制服姿の日向隊員とすれ違いました。警官Aが日向隊員に気づき、振り返りました。
「お、おい、あの娘、さっきの・・・」
警官Bも立ち止まり、
「3人の不良を病院送りにしたあの娘か?」
「あんなかわいい顔して3人の不良を瞬殺したなんて、ほんまかいな?」
「しかし・・・ いくら正当防衛が成立する事案とはいえ、たった2時間で釈放かよ?」
「一緒にいた人は父親か?」
「さぁ? 弁護士じゃないのか?」
警察の駐車場から1台のふつーのセダンが走り出しました。
その車内。運転してるのは隊長。助手席には日向隊員が座ってます。日向隊員は申し訳なさそうに、
「すみません・・・」
隊長はハンドルを廻しながら応えます。
「なんで謝る? まさか自分の身体の秘密をしゃべったんじゃないだろうな、警察署の中で?」
日向隊員は苦笑。
「あは、まさか・・・
あ、あの・・・ 君は何人も、何十人も、何百人も簡単に人を殺すことができると忠告されてました」
「誰に?」
「南原さんに。なのにその力を使ってしまいました」
「あいつ、そんなこと言ったのか? ち、余計なこと言いやがって・・・
お前のやった行為はどこからどう見ても正当防衛だ。気にすんな!」
「で、でも・・・ 最初に殴った人は頸椎がずれて、一生寝た切りになったと聞きました」
「だからどうした? 身から出た錆だろ。それとも何か? そいつが訴えてくると思ったのか?」
日向隊員は無言。隊長は発言を続けます。
「そいつは気弱な少女から何百万円もたかった上に、毎日毎日その娘をレイプしてたんだろ? そんなひどいことしてたというのに、お前を訴えるというのか? そんな自爆行為、するわけないだろ!」
隊長は娘のようにかわいがってた海老名隊員を不良に殴られ、殺されてしまいました。そのせいか、不良には大きな怒りを持ってます。今回も全員死んじまえばよかったのに、と思ってました。
一方日向隊員は、ちょっと考え込みました。が、ふと外を見て、何かに気づきました。
「あ、あれ? 道が違う?」
日向隊員は隊長を見て、
「隊長、基地に帰るんじゃないんですか?」
「落とし前をつけに行く」
「え?」
セダンの行く先に立派なホテルが見えてきました。
ここはホテルのラウンジ。かなり高級なカフェのようです。窓の外はすでに夜になってます。
ラウンジの中を隊長と日向隊員が歩いてます。2人の行く先に2人組の男性が見えてきました。2人はテーブルに座ってます。2人とも50代くらい。スーツを着てます。




