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スノーフレーク  作者: 猫人鳥
episode1 赤い羊捕獲編
8/415

8 1-8 接触

葵視点です。

 赤い羊から次のメールが届いたのは、私がメールを送ってから3日後の夜だった。


刀川葵 様


ご依頼お受け致します。

つきましては、一度お会いして頂きたく思います。

明日、午前10時◇◇駅近くの☆☆カフェ、右奥の席でお待ちください。

都合が悪い場合はご連絡をよろしくお願い致します。


 やっと私を調べ終わったのか……3日とはいえかなり長く感じた。

 そもそも依頼を受けてもらえるかも分からなかったので、多少の不安もあった。


 依頼を受けると書いてあるとはいえ、私はまだ赤い羊に信用された訳ではないはずだ。

 つまりこの会うという約束も、赤い羊に直接会える訳ではないんだろう。

 一体どういう仕掛けをしているのか……

 まぁ何にしろ、行くしかないのだけれど。


 翌日、約束の時間の30分前、9時30分に☆☆カフェについた。

 この店は自由席の為、指定されていた右奥の席に座る。

 その後、10時になっても誰も来る事はなかった。

 赤い羊は時間を守るタイプでは無いみたいだ。


 10時30分……

 もう30分も遅刻してる……遅い。

 遅れた場合の私の反応を確認しているだけ?

 それとも、信じてもらえずに帰られた?


 どうしようかと焦燥感に駆られ始めた頃、


カラン カラン


と、店に人が入ってきた。

 そして私と同じテーブルの、対面に座ってきた。

 屈強な、いかにも喧嘩ばかりしている荒くれものといった雰囲気の男だ。


「依頼人さん? じゃ、まず100万出してもらおうか」

「あなたが赤い羊さん? なんか信用出来ないわね。あなたに100万も払う意味が分からないわ」

「はぁ? んだとてめぇ!」


 自分の思い通りじゃないからと大声で脅す、短絡的思考……

 コイツは間違いなく赤い羊じゃない。

 どこにでもいる雑魚チンピラ……


「なら依頼は受けねぇぞ!」

「それは困るわ。でも、本当にアイツを消してくれるかも分からない人にお金は払えない。だから消してくれてから払うわ」


♪♪♪♪♪


 私が支払いの拒否をしていると、男の携帯が鳴った。

 そして、私や周りの事なんて何も気に留めていない様子で男は電話に出た。


「おいっ! 話が違うじゃねぇかっ! 金は俺のなんだろっ?」


 出るなり電話相手に向かっての大声。

 うるさい、バカ、他人の迷惑を考えられない。

 一緒の席に座ってるのが恥ずかしい……


「ん? あぁ、わかった……おめぇと話してぇらしい、ほらよ」


 相手に何を言われたのか、急に私の方に無造作に携帯を投げて来た。

 こういうタイプ、本当に嫌い。

 でも今は我慢か。


「はい、電話変わりましたけど?」

「初めまして、葵さん。私が赤い羊です」


 電話に出た相手は、とても優しそうな声で話す、落ち着いた印象の男性だった。

 

読んでいただきありがとうございます(*^^*)

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