第22話
ただのお料理回です。
私は武智さんの休んでいる家に行くと、そこにいた若夫婦の奥さんの方に来てもらった。
今からやることには人手がいるし、元気な女性は若奥さんしかいない。他の村人は皆体力が回復していないし。
私は若夫婦の家にお邪魔させてもらうと、早速台所をお借りして料理を開始した。
道具欄の食材の中に米と卵があったので、玉子粥を皆に召し上がってもらい、体調を良くしてもらおうと思ったのだ。
「それじゃあお手伝いお願いします」
「はい、お任せください」
私の道具欄に、ゲーム時も料理で必要だった鍋などの調理器具もあったので、大きめの鍋でお粥を作り始めた。
ゲームでも食材を集めたら料理が出来るわけではなく、それぞれにあった調理器具も揃えなければならなかったため、色々な種類を集めた思い出がある。
お粥は生米から煮て作るため、それほど時間は掛からない。寧ろ火をおこすまでが大変だった。ガスコンロなんて無いから、火のありがたさを痛感させられた。
鍋で温めていたお湯が沸くと、私は道具欄にあった鰹節を取り出した。勿論削り節ではなく塊だ、それも枯れ節。しかし鰹節を出すと同時に削り器も一緒に出てきたので、どうやって削るか悩むことはなかった。
私は枯れ節を削ることに悪戦苦闘しながらも、なんとか削るとお湯に入れて出汁を取り始めた。
出汁がとれたら鰹節を取り除き、一番だしの出来上がりだ。本当は二番だしもとれるのだが、時間の都合で今回は無しでいく。
鰹節は佃煮にしてお粥のお供にしておいた。
お粥が出来上がると、私は味見をしてみる。
ただお湯で生米を煮たわけではなく、出汁と醤油で味を調えてあり、良い出来上がりだった。若奥さんにも味見をしてもらうと、本人にはあまりの美味しさなのか、目を輝かせて声にならないリアクションをしていた。
私はタケル君も呼ぶと、若奥さんと二人で各家から器を持ってきてもらい、盛り付けたお粥を運んでもらうのをお願いした。
私はせっせと盛り付けや追加のお粥作りを行い、台所から動けない状態だ。
お粥の方はなかなか好評のようで、タケル君や若奥さんが台所に来る度に私に伝えてくれる。
一人暮らしの時はわからなかったけど、自分が作った料理を美味しいって誉めてもらうのって、なんだか凄く嬉しい気持ちになるんだなと私は感じた。
おかわりの要望もなくなり、一通りお粥作りが終わった私は、武智さんの様子を見に向かった。
彼の休んでいる家に入ると、そこでは武智さんが布団の上で体を起こしお粥を食べていた。いや正確には、おかわりしたお粥だろう。
何杯目かは数えていなかったが、それでもあんな衰弱した状態からよくもまぁこんな食欲が出るものだと感心してしまう。
「・・・・おお、そなたは!」
私の姿に気付いた武智さんは、持っていた器を床に置くと、衣服の乱れを直して姿勢を正し、深々と私に頭を下げてきた。
「この度は拙者を救っていただき、感謝いたします。このご恩、必ずやお返しいたします」
病み上がりで布団の上なのに、その姿は堂々として立派だった。
次は4日後に投稿します。




