7:ギルドにて
う! 高い!
ギルドに入って、魔道書の値段を見たわたしの第一印象は、それ。とてもじゃないけど買える金額じゃ無い。ケタが2つ違うわ。巻物は……。こっちも高いわね。買おうと思えば買えるお値段だけど。これじゃまた、師匠の形見、魔道の額冠に頼るしか無いわ。
「どうなんだ、リムノ?」
付き合ってくれてるルカスの声。キッポは物珍しそうに、ギルドの中を見渡している。
「いいわ。とても買えない。ルカスのギルドに行きましょ」
ルカスはうなずいた。
「行くぞ、キッポ」
「ん? うん。ドルイド魔法と違って、魔道ってお金がかかるんだねえ」
「そこが一番厄介なのよ」
ギルドから3人、出ながらわたしは答えた。ごみごみした、シワタネの下町。いろんなギルドが集まっている。冒険者っぽい人々の流れ。すぐ隣のギルドに入る。今度はルカスの番だ。ルカスはカウンターの前に立つと、腰から長剣を鞘ごと外して、
「研ぎを頼む。スピードコースで」
剣の研ぎを頼んだ。アタマの禿げた老人が受け取り、カウンターの後ろに手渡す。何枚かの硬貨を手渡したルカスは、続けて、
「金を稼ぎたいんだ。何かネタはあるか?」
無言で老人はうなずくと、1枚の紙を取り出し、カウンターの上に置いた。地図らしい。老人は無表情のまま、
「シワタネの外れ。昔、魔道士が住んでいた塔じゃ。今は誰もおらず、無法状態になっておる。危険だから、巣食っている輩を追い出して欲しい」
「いくらだ?」
「成功で2200。悪くないじゃろ?」
「乗った。地図を頂くぜ。成功の証拠はどうすればいい?」
「街の役人が行って、誰もおらなければ。幸運を」
カウンターの後ろから、剣が戻って来た。本当にスピードコースね。でも、ちょっと待って。
「ルカス。いいの?」
「大丈夫だ。お前たちの技量も見込んでの契約。悪くないだろ?」
もー!
「勝手に決めないでよー。わたし、自信無いよ?」
「ボクはいいよ。リムノも平気だよ。あれだけ魔道が使えるんだから」
そう言われても……。
「でも、出来れば攻撃系の魔道は、使いたくないのよね。今さらかもしれないけど」
正直な話、危険なことからは避けて通りたい。これ、本心。だって、船の上でさえ、あんな経験をしちゃったんだもん。
「ま、サクッとやっつけようぜ。どんなヤツらか分からんが、10人までならオレだけで相手をする」
すごい自信ね。確かにルカスなら可能だろうけど。
「ボクも。4人までならハルバードで相手するよ?」
キッポまでですか。
「んー。分かったわよ。わたしも頑張るわ。お金が無いとどうしようも無いのは、理解してるから」
はあ。ため息一つ。いつになったら師匠の墓前に立てることやら。




