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迷夢の国のアリス  作者: 影宮ルキ
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帽子屋の悪巧み

「聞きたいのかい?」

 そういって大きな葉っぱの影から出てくる帽子屋。顔はいつも通り、楽しそうに薄い笑顔にゆがめられていた。

「楽しそうだな?」

「楽しいさ。こんなに楽しいことはないよ」

「そうか、よかったな」

「ああ、そうだね」

 本当にいいとでも思っているのかこの男は。皮肉だ。わかってないわけでもあるまいに。

「説明しろ。なぜアリスはここへ来た?」

「彼女が言っていたこと、聞いていなかったのかい?」

「聞いていたさ! だからこそお前に聞いてるんだろう!」

 腹立たしい。

「本当に、聞きたいのかい?」

「聞きたくなかったら聞きはしないさ」

「だろうねぇ。じゃぁ、交換条件でも出してみようか」

 にやにや笑いが癇に障る。いつもにやけているあの猫でさえ、場を賑やかせるだろう。

「なんだ?」

「……一度に大量の果物を送るのはやめてもらえないか? 割と切実なんだが……」

「……ハ?」

 冗談かと思ったが、真面目な顔で、そんなにか、と思ってしまった。

 何がきっかけか忘れたが、かなり嫌がらせになっているようで何より。

「食べきれないと困るから毎日そればかり食べることになって飽きてしまうんだよ……」

「……いや、残せばいいだろ!?」

「もったいないし、心が痛むよ……」

「……」

 なんでこう言うとこ純粋なんだ……。

「と、言うわけでやめてもらいたいのだが……?」

「嫌がらせになんないだろ」

「だから交換条件なんだろう?」

「……それもそうか。じゃぁ、次はいつもの半分くらいにしてやろう」

「それでも多いが……助かるよ」

「……おすそ分けという手段はないんだな?」

「あ……」

 微妙に抜けてんのか?

「まぁ、次はここらで一番甘い林檎だぞ。喜べ。最高級品だからな、普通で買ったら」

「楽しみに、しておこう……」

 複雑そうな顔してる、んだろうがな……なんであそこまで深く帽子をかぶる必要があるんだ? 表情が見えないのは判断材料が少なくて面倒だ。

 近くの葉っぱに腰を掛け、放置していたキセルに煙草をつめかえ火をつけて吸う。

「子供が吸うもんじゃない」

「子供じゃない」

「体に悪いぞ」

「お前が嫌いなだけだろう?」

「煙いのは嫌いだ」

「私はタバコが好きだ」

 少しかみ合わない会話。いつものことだ。大体狂った僕たちに、まともな会話などできないのだ。

 ……そういえば、彼女との話は久しぶりのちゃんとした会話だったな……。

「で?」

 本題に戻ろうか?

「彼女、アリスについてどう思ったかい?」

「……アリスはアリスだろう?」

「どうおもったかい?」

 ゆっくり、区切りつつ、さっきより強い口調で言い直す。

「そうだな……彼女は何かを隠しているようだったよ?」

「隠す? 何をかな?」

 顔を大きく歪め、笑む。

「さぁて、分からない。……帽子屋? お前は何を知っているんだ? 僕に何を言ってほしい?」

「さぁて、分からないよ。イモムシ、私はただ、エンディングが見たいだけだ」

「……」

「……」

「……彼女の、」

「ん?」

「彼女の隠している闇は、決して掘り起こして気安く触れていいモノじゃない」

「墓に持ち込むほどの秘密とでも? それとも開けてはならないパンドラの箱かな」

「お前的にはパンドラの箱なのかもしれないけど、彼女にとっては棺だろう」

「だとしても私は開けることに協力するよ。私の望みのために」

「お前は! お前には、情がないのか? 彼女を傷つけると知って、墓を暴くのか!?」

「私はスコップを地に突き立てたわけでも、地を抉ったわけでもないよ」

「? どういう、意味だ」

「私はただ、穴に土が戻らないように避けて他の所へ積み上げるだけだ」

「十分協力してるじゃないか!」

「そうだよ? 言っただろう? 私は協力してるだけだ」

「ハ? ……他に誰が、いや、誰が直接的に関与している?」

「それは秘密だ。まだ言えない。だが、これは言えるさ」

「……?」

「彼女はあのままでは幸せにはなれない。だからって、こちらで幸せになれるのか、と聞かれても疑問なところだがね」

「あのまま? あのままって……」

「話は終わりだイモムシ。今度こそ、本当に終わりだ。私は帰る」

「待て!」

「あぁ、そうだ。そういえば、最初の質問に答えてなかったな」

「え?」

「なんで彼女をここへよこしたか、というものだ。そうだな、君に会わせたかったんだ」

「何故」

「簡単だ。それこそが目的だったからだ」

「それが謎なんだが?」

「君が、いや……君のためにもなるから、あまり聞くな」

「ハ?」

「私としては、できるだけ誰も不幸にはしたくないのだよ」

「意味わからん」

「だろうね。いいんだ。イカレタやつの戯言だよ。気にするな。そうだね、アリスと役付をさっさと会わせたかったんだ。ストーリーがさっさと進めばいいと思ったんだ」

「……」

「大人の事情だ。気にしたら負けだよ。……ではね、またいつか会おう。きっとすぐだ」

 そうして帽子屋は帰って行った。

「……意味わからん…………」

 すみませんグダグダです。帽子屋さんが出てくると何が話したいんだかわからなくなってきます!(超言い訳)

 ……生暖かい目で見守ってやってください…………

 ホントすみませんんっっっ!!

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