ハートの騎士
アオが言ってた通り、そこそこちゃんとした道にたどり着き。
ふと見上げると、近くもないが遠くもないところにthe城! って感じの建物を発見。
しばらく歩くとたどり着く。
大きな大きな……
「うわー、メルヘ~ン」
白い城壁にハートが飾られている、可愛いお城。小さい女の子が喜びそうだ。
「私にはちょぉおおおおおおおおおおっと、きついけど」
「あはっ、それってだいぶかなりきついって言ってるもんじゃん?」
「!?」
独り言に反応された!?
後ろを振り返ると、にこにこした青年が立っていた。
ぱさぱさした、茶色の髪に、瞳は暗く、光をたたえた赤銅色。……なんだろう、怖い。
服は赤いハートがあしらわれたロングコートに、腰に剣を……さしていた。現在進行形で抜いている!!
「わーわー! 怪しい者じゃないですよー!?」
「あはは、面白いこと言うね。怪しいやつは怪しいって言わないよぉ?」
「でしょうね!!」
私もそう思う! それに私実際怪しいんだけどね! でもね、こんなことになったのはあの変態バカウサギのせいなんだからー!!
……兎?
「あ、あなた、ここのお城の人!?」
「そうだよぉ? ここの騎士~」
「わ、私ラビに用があるんだけど!!」
ラビの名前出せばいいんだよね!? 嘘だったらまじどうしようもねぇ!! これで死んだら化けて出てやる! 三代先まで祟ってやるぅ!!
「えぇ? ラビ様にぃ?」
「そうそう! あのへんtじゃなかった! 白兎、ラビ・ホワイトに!!」
「ん~、もしかしてぇ、アリス?」
手を顎に当てて首をかしげる。
うん、アオ、やっぱかわいいよ? この人は怖いよー!?
「そうそう! そんな感じです!!」
「そっか~、なんとなぁく分かったからこっちついてきてもらえるぅ?」
柔らかく笑んで、手招きする。
ちょっとあんし……んまだできねぇ!!
「はいもちろん! ですから剣しまってくださいお願いします!!」
「あ、ごめんごめん。怖がらせちゃったかなぁ? 安心してよ! ラビ様のお客さんなら手なんか出さないよぉ?」
「だったらしまってくださいよ!!」
なんでまだしまわねぇんだよ!!
「あはは~なんだかおもしろくて~」
剣を鞘に戻す。
「私で遊ばないでくださいません!?」
「はいはい、ごめんねぇ」
「ゼッタイ思ってねぇだろ!!」
「え?」
やばっ、声に出してしまった!!
「あー、いいよぉ? ツッコミナイスぅ、ついでに俺敬語嫌いだから~」
助かった!?
「あ、そ、そうですか」
「け・い・ご・き・ら・い・だ・か・ら」
「あ、そ、そう~?」
すげぇ、怖い笑顔で言われた。後ろに黒いオーラとゴゴゴゴって言う文字が見える気がする!! こえぇ!
「あ、自己紹介! 俺、ジャック・ナイト。ジャックって呼んでねぇ」
喋り方ダルダル。ジャックさん、喋り方ダルダル。
「私はアリスよ。よろしくね、ジャックさん」
「ジャックって、よ・ん・で・ね?」ゴゴゴゴ
「分かった! わかったから迫ってこないでくれない!?」
「ジャックぅ~」
「はいはい、ジャック、よろしくね!!」
「うん~、よろしくねぇ♪」
こえぇよ、このひとこえぇよ……。
そんな会話をしながら、大きな門の横の小さな扉を抜けて、敷地に入り、庭にある薔薇の生け垣の迷路を抜け、城に入る。
近くで見るとホント、でっかい。
そして、ハート。めっちゃハート。
壁にも天井にもハートの衣装があしらわれている。
そして、中は豪華なシャンデリアなどもあって、メルヘン。めっちゃメルヘン。
「うわー」
かわいいねー、私にはきついけど。
「うん、その気持ちわかるよぉ。可愛い可愛いしてるよねぇ……」
「あー、男がここで仕事するの、確かにつらそうねぇ」
「そうなんだよねぇ。しかもどぎつい赤! 結構目に痛いよねぇ」
それあんたの服もだけどね? あ、制服か。カワイソ……。
「ホントだよ! 制服も変えてくれないかなぁ。ここまで赤とハート強調しなくてもいいと思うんだけどなぁ……」
「そうね……」
どんだけ推しまくってんのよ……。
「「はぁ……」」




