表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コード・オブ・レヴァリエ  作者: 伊瀬 未兎
第三章 『忌み深き追憶』
19/38

第三章 『忌み深き追憶』 2-2

そろそろ書き溜めていたのが尽きそうで焦り始めてる作者です(汗)




物語も架橋を越えたコード・オブ・レヴァリエ。




今回は本格的な(?)捕食者探しが始まります。




では、どうぞ!

 とりあえずまぁ、


あてもないままうろついてみるのはいいが、


特に何をどうするか何も決めていない雄介は、


ひたすら廊下ですれ違う女子の視線を避けながら、


まずはこれからどうするかを足りない頭でひたすら思案していた。





「大体、何で今日言うかなぁ……


もっと後でもいいと思うのに。



いや、噂が本当だったらそれはそれで問題なんだけどさ。



にしても、入学したての一年にこんなこと頼むか普通。



これ下手したら俺死ぬかもしんねぇのによ」





 なんてことをぶつぶつと一人愚痴りながら、


雄介はそれでも紫の頼みを即座にほっぽりだす事はなかった。





「……まぁ、特訓に付き合ってもらったのは事実だしなぁ……



結局、何も出来なかったけどさ」





 一人肩をすくめて、雄介は自分自身を嘲笑う。





「この力さえなけりゃなぁ……」





 雄介は、憎らしく自分の両手を見つめた。





「……仕方ない、のか?



これが運命って奴なんかな……」





 雄介はまた、自分自身を嘲笑った。





 『悪魔の子』。



そう呼ばれるようになったのは、


雄介がまだ十才にも満たない小さな子供のときだった。




 無邪気で、


無垢で、


屈託のない笑顔を振り撒いていたあの頃は、


雄介は誰からも好かれる存在だった。



友達は少なからずいたし、ケンカをすることもほとんどなかった。




 だが、ある日を境に、雄介の明るい日常は徐々に悪夢へと転落していった。



あの少女に出会ってから。





「あーやめやめ、こんなん今更思い出しても空しくなるだけだ」





 雄介は頬を叩いて気を取り直し、


改めてこれからの計画を思案する。





「とりあえず、手始めに聞き込みでもすっか……」






 ◆◇◆◇◆◇◆◇






 およそ一時間校内を走り回って、


捕食者について得られた情報はとてもあいまいなものだった。




 あるいは、誰かが面白半分に広めたただの噂に過ぎないとか。



 あるいは、気の狂ったどっかの犯罪者が人を無差別に襲ってるとか。



 あるいは、すごい腕の持ち主の魔術師が編み出した自己流の魔法を試してみたいがために人を襲ってるとか。




 確かこういう耳を疑うのもあった。




 仮面を付け、フード付きの丈の長いマントを羽織って、


さまざまなところで人助けをしているヒーローだとか。





「まぁ、最後はないよなぁ……現に人を襲ってるかもしれないんだし。



そんな仮面ライダーまがいなことをする奴がいるわけもないしなぁ、


というか、それだと逆に目立つし」





 そんなことをぶつぶつとつぶやきながら、


雄介は一人、外のベンチで眉間にしわを寄せていた。





「なんだかなぁ~……」





 と一人ごちながら、雄介は先ほど出店で買ったたこ焼きをほおばる。





「こんなんじゃらちあかないな……さて、どうすっかな」





 そこで雄介は、


今自分が座っているこのベンチは昨日美夏と話したあの場所であることに気づいた。





「……そういや、あいつどうしてっかな。



あの後約束するのも忘れちゃったし、電話番号とか交換してないし……



他の友達と遊んでたりするんかな」





 辺りを見回すが、もちろんそこに美夏の姿があるわけでもない。





「はぁ、今度は徹でも誘うかな……



朝のことの誤解を解かないといけないし、


あいつは噂好きだから何か知ってるかもしんねぇし」





 いつの間にか程よく冷めた残りのたこ焼きを一気にほおばると、


雄介は側にあるゴミ箱にそれを投げ捨て、徹の姿を探した。






 ◆◇◆◇◆◇◆◇






 予想はしていた上すんなりと見つけ出すことが出来たのはいいが、


正直目も当てられない姿がそこにはあった。





「嬢ちゃん嬢ちゃん、一緒に写真撮らない?」





「え~?またですかぁ~?困りますぅ~」





「そう言わずに、さ」





「え~」





 朝の絶望に暮れた雰囲気はどこ吹く風。



徹は飽きもせずに、


また『メイド喫茶』でお茶をしながらメイド服を来た生徒をにこやかに口説いていた。





「こういうのも、考え物だよなぁ……」





 なんてことをめんどくさそうにつぶやきながら雄介は頭をかいた。



仕方がないので、とりあえず徹の首に片方の腕を回し、


もう片方の腕でそれを固定、


そして一気に力を込める。





「む、むぐっ……!?」





 不意に首をしめられた徹は苦しそうな声を上げる。





「よぉ徹、今日もお盛んだな」





「ぐ、お、お前っ!



この裏切り者め……!



お前なんか、お前なんか!


ぐえっ!」





「落ち着けばか、アレは単なるお前の誤解だ」





「何が誤解なもんか!



先輩だって言ってたじゃないかぁ!」





「あれは先輩がふざけて言っただけだ」





「嘘つけ!じゃあなんで朝一緒に登校してきたんだよ!」





「あれは先輩から俺に頼みごとがあったんだ」





「頼みごと?」





 そこで、ようやく徹は抵抗の力を弱めた。





「ああそうだ、そのことでお前に手伝って欲しいんだよ」





 雄介も徹の首に回した腕を外しながら言った。





「俺に?」





「そうだ、まぁここで話すのも何だから場所を変えないか?」





 雄介は半ば無理やり徹を外へと連れ出した。

第三章2-2段落、いかがでしたでしょうか?





さて、前書きでも書き記した通り、


書き溜めしていた物がそろそろ底をつきそうになってきているので、


作者、今頑張って続きを書いているところです(汗)





さて、今回はいくつか伏線を設置しておきました。





果たして、この後の展開はどうなってゆくのでしょうか?





次回、



徹からちょっとしたアドバイスを受けて雄介が行動します。





と言ってもろくでもないことです(笑)




最近何かと忙しい作者ですが、


頑張って一日一話を続けて完結まで持っていきたいと思っております!




そして、今後もこの小説を読んで楽しんでいただけると嬉しいです

(●´∀`●)





では、お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ