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ショウイチの必殺技と実力、それとカイルの実力


訓練場の片隅、汗を拭いながら二人は腰掛けていた。


カイルが興味深げに言う。

「おい、あの砂かけ…いや、胡椒を投げる技、すげえな。あれはいつから使ってるんだ?」


ショウイチは少し照れくさそうに肩をすくめて答えた。

「格闘技には視界を奪うフェイントはよくある。だけど剣術の世界で使う奴はまずいないからな。俺の師匠がやってたのを胡椒で再現しただけだ。」


カイルは苦笑した。

「確かにあれは卑怯にも思えるけど、効果絶大だ。あの瞬間に決められなきゃ意味ないけどな」


ショウイチは真剣な目で返す。

「そうだな。技術だけじゃなくタイミングも命だ。胡椒は俺にとって、格闘の延長線上の必殺技みたいなもんだ」


カイルは少し尊敬の眼差しで言った。

「お前はいつも新しい技を取り入れて強くなる。俺も見習わなきゃな」


ショウイチは軽く笑いながら答えた。

「それはお互い様だ。お前の剣術も相当鍛えられてるからな。ただな、単純な剣の腕なら今はもうお前に敵わないと思ってる」


カイルは一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに誇らしげに頷いた。

「そうか…俺ももっと精進するよ」


二人の間に自然と信頼と尊敬が生まれていくのを感じた。


ショウイチはカイルの尊敬の眼差しを感じながらも、心の中では複雑な感情が渦巻いていた。


(実際のところ、俺は本当に強いのか?)


格闘技は確かにやり込んできた。ムエタイも柔術もアマチュアレベルなら負けない自信がある。剣術だって基礎は日本で身に付けた。だが、段位はまだ初段止まりだ。


(筋力とスピード、それに奇襲の技術だけで勝っているだけじゃないか。技術の本質や深さを知らないまま、相手の不意を突いているだけだ)


カイルは年齢は15歳と若いが、騎士団の近衛にスカウトされるほどの天才だ。剣術のセンスも戦術眼も、俺の遥か上を行っている。


(カイルは誰にも真似できない動きを見せている。学び方が違うし、吸収力も段違いだ。あいつの真似なんて到底できないだろうな)


それでも、俺は自分の経験と技術を少しでも彼に伝えたいと思っている。


(俺は彼の才能を潰すどころか、伸ばすために全力を尽くすしかない。俺ができるのはそこだけだ)


ショウイチはその思いを胸に、カイルの成長を見守りながら、自分の未熟さとも向き合うのだった。


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