『莫大利益と新たな護衛の到来』
まるふく商店が新たな風を迎えてから、あっという間に一ヶ月が経過した。
店の利益は目に見えて増え、客足も途絶えない。
これは間違いなくリナの手腕の賜物だった。
彼女はテイクアウト商品の開発に着手し、地域の特産品を活かしたお土産も考案。
「このパッケージなら高くても手に取りやすい」と、工夫を凝らしていた。
おかげで単価は格段に上がり、まるふく商店の収益は飛躍的に伸びていた。
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そんな折、侯爵家から新たな護衛が店にやってきた。
理由は先にいた護衛二人を正式に従業員として雇ったため、その代わりの人員だ。
新たな護衛は凛々しい風貌をしており、店の外と内を厳重に見守る。
ショウイチは彼を迎え入れ、護衛チームの連携もさらに強化されていった。
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まるふく商店は経営も警備も盤石な体制となり、街の中でも揺るぎない存在感を放っていた。
まるふく商店の経営が軌道に乗り、ショウイチはリナや護衛たちへ十分な給金を支払える余裕ができていた。
「リナ、これが今月の報酬だ」
ショウイチは金貨10枚の束を手渡す。
リナは驚きの色を隠せず、慌てて返そうとした。
「そんな……これじゃあ多すぎます!」
ショウイチは笑いながら言った。
「遠慮するな。お前のおかげで店は回ってるんだ。これでグランツ侯爵に何かプレゼントしてやれ」
彼女は照れくさそうに頷いた。
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店の利益は金貨40枚ほどあった。
ショウイチが10枚
リナが10枚
護衛たちにはそれぞれ2枚ずつ
残りは運営費や設備投資に回し、余裕のある経営を続けていた。
金貨1枚はこの世界で約20万円の価値がある。
つまりリナの報酬は約200万円、護衛は約40万円と、かなりの厚遇だった。
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この報酬体系により、まるふく商店は従業員のモチベーションも高く、安定した成長を続けていった。
ある日、まるふく商店の営業中に、突然扉が勢いよく開いた。
「ショウイチ!話がある!」
威厳と圧力を纏ったグランツ侯爵が、険しい顔で店内に入ってきた。
ショウイチは驚きながらも応じる。
「侯爵さま、いったい…?」
侯爵はリナが贈った短剣を取り出し、手に取った。
「これは……なんと金貨8枚もの高価な代物。お前はこれを知っていて許したのか?」
ショウイチは困惑しながら答える。
「リナから値段は聞いていませんでしたが……」
侯爵は鋭い眼光で短剣をじっと見つめ、重みを感じ取るように軽く振った。
「これはただの飾り物じゃない。真の武器だ。しかも、金貨8枚とは……甘やかし過ぎだ!」
ショウイチは素直に頭を下げた。
「すみません、侯爵さま。リナの頑張りを見て、つい甘くなってしまいました」
侯爵は息を吐き、続けた。
「だが、お前の店を支えるリナの働きぶりは聞いている。無駄遣いとは言わん。だが、今後はもっと節度を持つよう、しっかり教えてやれ」
ショウイチは深く頷いた。
「はい、ありがとうございます」
侯爵は短剣を丁寧に仕舞い、最後に言い放った。
「わかったな、ショウイチ」
そう言い残し、侯爵は厳かな足取りで店を後にした。
まるふく商店の閉店後、ショウイチはリナを呼び、静かな店内で話を始めた。
「リナ、給料を全部使い切るな。店が潰れた時、家が壊れた時、災害が起きた時の備えは絶対に必要だ」
リナは真剣な眼差しで頷く。
「計算は得意だけど、給料をもらうのは初めてで……つい調子に乗ってしまいました」
ショウイチは笑いながら続ける。
「せめて三割は貯蓄に回せ。未来のリスクに備えるのが大人の金の使い方だ」
リナは感謝の気持ちで目を輝かせた。
「ありがとうございます。これからは気を付けます」
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一方、グランツ侯爵はその高価な短剣を毎日身に着け、大切に扱っていた。
その姿は、リナの真っ直ぐな心意気とショウイチの教えを認めている証だった。
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店と関係者たちは少しずつ成長し、未来に向けて歩みを進めていくのだった




