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翠緑の獅子と薄桃の兎  作者: あまがえる


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待ち人 【フレリア】

「マッジ隊長…!?」


 病院に着いてすぐ、マークスの容態を確認しようと受付へ行くと、見知った顔があった。

 私が所属する王室騎士団第三部隊の隊長のマッジが居た。横には他部隊の隊員さんも居る。


「おやフレリア、どうしてこんな所に?ん?怪我しとるんかい?」


 私に気付いたマッジ隊長は驚いた様子で声を掛ける。


「隊長こそどうしてここに…?私は自分の受診ではなくて、さっき運ばれて来た人の容態を確認したくて…」


 そこまで言うとマッジ隊長と横に居た他の隊の隊長さんもピリ、とした空気になる。


「先ほど運ばれて来た人…は、フレリアの知り合いかね?」


 いつもは穏やかなおじいちゃん隊長のマッジから、急に探られるような目線を向けられる。


「え…?あの…。はい、彼は私を助けようとして…」


「馬鹿な事言うな」


 話の途中でマッジ隊長の横から黒髪の小柄な男の人が出て来た。隊服を見るに第二騎士団の隊員さんだ。


「あいつが自分を犠牲にして他者を助ける訳がないだろう?自分の利益にしか目が無ぇんだから…」


 黒髪隊員さんは吐き捨てるように言う。何て酷い物言いだ!マークスの事、何も知らないくせに!


「ちょっと!貴方がどれだけ偉い人か知らないけど、命を賭して私を守ってくれた彼の何が分かるっていうの?!失礼な事言うのやめて!」


 あまりの酷い物言いに、思わず勢い良く噛み付いてしまった。黒髪隊員さんは目を丸くしてから、鼻でハッと笑って意地悪そうな目を向けた。


「どうしてそこまでアイツに入れ込んでるか知らねぇけど、どっちにしても奴は意識が戻ったら直ぐに牢屋だよ」


「え…?」


 戸惑う私に構わず黒髪隊員さんは続ける。


「人身売買に関わっている証拠がやっと固まったんだよ。しかもそのタイミングで王室から下賜されたナイフで人を傷付けたんだ。不敬罪も上乗せだぜ」


「…そんな…!………ん?」


 ナイフで傷??


「あの…捕まる人というのは…?」


「タギー男爵だよ。民兵さんが体を張って証拠を掴んでくれたから、ようやくお縄だよ。…まぁあのオッサンのどこに惹かれたんだか知らないが、あいつはやめとけ」


「ち、違います!」


 てっきりマークスが捕まってしまうのかと思ったいたら、タギー男爵が捕まるらしい。とんだ勘違いに顔が赤くなる。


「私が心配しているのは刺された方の男性です。私の事を守ろうとして…。私がちゃんと自衛出来てなかったせいで…とても、とても大切な人なのに…」


 そこまで喋って、また目に涙が溜まってしまう。最後に倒れたマークスと血溜まりが頭の中で何度も映像になって私を襲う。目を覚まさなかったらどうしよう…。頭の中でグルグルと不安が疼く。


 その時。



「フレリア」



 私が誰よりも聞きたかった声が聞こえる。振り向いた瞬間に涙がポトリと地面に落ちる。


「マークス!」


 頭で考えるよりも先に足が動いていた。もつれるように足を動かして、私はマークスの胸に飛び込んだ。



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