最終話:ドラゴン退治
「な、なんでこんなところに、ドラゴンが・・・」
「そんな、迷路にドラゴンがいるだなんて」
そう、今俺達の前にいるのはドラゴンだ。
大きさは五メートルくらい。
ここは六十層のボス部屋。ヒュドラを倒して順調に進み、ボス部屋の扉の中に入り、転移すると目の前にドラゴンがいた。
「我のいる百層に来たのは主らが初めてだ。よくぞここまで来た」
「えっ、百層?おいちょっと待て、ここは六十層のはずだぞ」
「何を言っておる、ここは迷路の最下層の百層だ」
何?何が起こっているんだ。
「もしや、六十層にいるやつに、ここまで飛ばされたかもしれんな」
「どういうことだ?」
「確か六十層には、転移魔法が得意なやつがいたはずだ」
「そいつに飛ばされたって言うことか?」
「ああ、たぶんそうだろうな。六十層の奴め戦うのが面倒くさいからって我に押し付けよって。まあいい。久しく戦っていなかったからな、楽しませてくれよ」
そう言うとドラゴンはブレスを放つ。
俺は横に飛び回避してドラゴンを鑑定する。
名前:豪炎竜ヘブラ
種族:ドラゴン
性別:雄
LV.98
HP:1080
MP:950
STR(筋力):980
DEF(防御力):940
AGL(素早さ):910
LUK(運):90
スキル
火魔法LV5
威圧
固有スキル
人化
さすが百層のボスだけはあるな。しかも人化って、人になるのか?
だが、先制攻撃あるのみ。
俺はクレアとレイナを地面に突き立て、
「《シャイニングアロー》《ダークネスアロー》」
光の矢十本、闇の矢十本がドラゴンめがけて飛んでいくが、
「グァァァァァァァ!!!」
ドラゴンの咆哮ですべて打ち消される。
めちゃくちゃかよ。
「どうした、これだけか!」
「うるせぇな、一瞬で終わらせてやるよ!」
俺はクレアを地面に突き立て、
「《黒影縛鎖》」
ドラゴンの下の地面から黒い鎖が現れ、ドラゴンを束縛する。
「今だ、イリス」
「はい!」
イリスは体を雷で纏い一瞬でドラゴンのお腹に移動し、魔力撃を連打する。
「はあぁぁぁぁ!!!」
イリスは魔力撃を打ち続けると、ドラゴンが俺にブレスを放つ。
俺は横に飛び回避するが、束縛が解けてしまった。
「イリス離れろ!」
俺はイリスに叫ぶが、遅かった。
イリスはドラゴンの爪に攻撃されて壁に吹き飛ばされる。
「このくそ野郎がーーー!!!」
“縮地”
俺は縮地でドラゴンの背後に周り、回転しながらドラゴンの背中を斬り刻む。
「ガァァァ!!!」
ドラゴンは叫び声を上げて尻尾で俺を吹き飛ばし、ブレスで追撃する。
“魔力壁”
俺は魔力壁でブレスを防ごうとするが、すぐに破られブレスが俺の体を焼く。
熱い、熱い、熱い、
「熱いんだよ、この野郎が。《ファイヤストーム》」
俺はドラゴンのブレスを火の竜巻に変えて、ドラゴンにぶち込む。
「これで終わりと思うなよ!万物の根源たる紅き炎よ、森羅万象を焼き尽くす業火よ、我が敵を灰塵にせよ《爆裂業火球》」
巨大な火の玉がドラゴンを直撃する。
「ガァァァ!!!」
ドラゴンは叫び声を上げる。
すると煙の中からものすごい速度で俺の目の前に来て、火を纏った拳で俺の腹を殴りつける。
「がはっ!」
俺は後ろの壁まで飛ばされる。
「まったく熱いじゃないか」
ドラゴンが人の姿になって俺を攻撃してきたのだ。
ていうか早すぎだろ、身体強化でお腹強化してなかったら、ヤバかったぞ。
俺はなんとか起き上がりドラゴン・・ヘブラを見る。
かなり火傷の跡があるな、ダメージは入ってるってことか。
“魔力解放”
魔力が尽きるかもしれないが、やるしかない。
「うおぉぉぉぉ!!!!」
“縮地”
縮地でヘブラの目の前に移動して、クレアとレイナを振り下ろすが、体を反らして回避され、
「我が盟約に従い、我の敵を討て《炎火竜》」
炎のドラゴンが現れ、俺に噛みつき壁に激突する。
「がぁ!」
噛まれている脇腹から大量の血が流れる。
魔力もほとんど残っていない、どうすれば、
「グガァァァァ!!!」
俺が悩んでいると、ドラゴンの鳴き声が部屋中に響き渡る。
あれは、イリス!イリスが竜化したのか。
イリスはヘブラに向かってブレスを放つ。
その瞬間ヘブラはドラゴンに戻り、ブレスを放って打ち消す。
ここからはドラゴン対決だ。イリスが爪で攻撃するとヘブラも爪で攻撃する。お互いにダメージが蓄積されていく。
なにかないのか、俺にできることは。そうだ!
“魔力解放”
俺は自分自身の魔力を解放する。
魔力が溢れてくる、これならいける!
「万物の根源たる紅き炎よ、森羅万象を焼き尽くす業火よ、我が敵を灰塵にせよ《爆裂業火球》」
巨大な火の玉がヘブラに直撃する。
俺はレイナを地面に突き立て、
「光を遮る闇よ、光なくして闇は在らず、聖なる光で闇夜を切り刻め《闇斬光閃》」
詠唱を唱えるとヘブラが光で包まれ、切り刻まれる。
「ガァァァ!!!」
ヘブラは叫び声を上げ、さらにイリスがブレスを放つ。
ヘブラの体は炎で包まれ、さらに光の刃で切り刻まれている。
炎と光の刃が消えると、傷だらけのヘブラが倒れている。
「まさか我が倒されるとはな。だがなかなか楽しませてもらったぞ、礼を言おう。」
「いや、こっちこそ楽しい戦いだったよ、ありがとな」
「ふっ、久しく戦っていなかったから、体もなかなかうまく動かせんな。これからは定期的に体を動かさんとな」
「体を動かすときは人の姿になってからにしろよ、ドラゴンのまま動いてもこの部屋は小さいからな」
「わかっておる。さあ、早く先に行け」
「この先には何があるんだ?」
「その扉を潜るとどこかに転移するはずだぞ」
「どこかって?」
「さあ?それは知らん」
「適当だな。まあいっか。じゃあ俺達は行くよ」
「ああ、達者でな」
「おう!お前もな」
「ありがとうございました」
俺達はヘブラにお別れを言って扉の方に歩く。
この先何があっても、クレアとレイナとイリスがいれば、どんな困難にだって立ち向かえる、なんたって俺の仲間だからな。
そして俺達は扉を潜る。
この先の未来に心を踊らせながら。




