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KDF-1:ある農民の手記より抜粋Ⅲ
8月10日
今朝は収穫した藻をまとめ、出荷の準備をした。
明日には集荷船が来る予定だ。例の通り、ニューベネチアへ運ばれる。
船には私も同行しなければならない。子供たちはマリ婆さんに任せることになっている。
私はあまりニューベネチアが好きではない。
ここより水が澄んでいるせいかとても明るく、どうにも落ち着かない街だ。
アリスはキムを街に連れて行こうと言い出した。
あそこには医者も多いからと。
キムの腕のできものは、以前よりもさらに広がっているようにみえる。
触れると、やはり中で何かが動くような感触がある。
だがキムは痛くないと言うし、むしろ少し楽しんでいるようにも見える。
さっきもドームの外へ出ていつもより長く息を止めていられると笑っていた。
どうにも気にかかる。




