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頂を目指す者の奇譚  作者: 葉一
冒険者編
2/7

第1章 冒険者編 2. ギルド

「そろそろ抜けられるかな」


 ここは、フォカの街とダートの街の間にある小さな森で、獣もそこまで多くなく、強くもない。日が暮れる前に抜けられそうだ。

 もうすぐで抜けられるという所になって、獣が現れた。現れたのはグリードモンキーで、大したことは無い。


「『繋雷(けいらい)』」


 空中の二点の間で放電し、猿に直撃。そのままグリードモンキーは木から落ちていった。

 この世界には、術適性があり、僕は雷の適性が抜きん出ている。らしい。というのは、全部師匠に聞いた話だからだ。基本的に火、水、地、風の4つの適性があり、火の上位適正に雷、水の上位適正に氷、などの上位適正が各々ある。上位適正は扱いが難しいのだが、僕はここで拾われてから師匠に雷の適正を最大限活かせるよう叩き込まれてきたので、雷に関しては上位のレベルにいるはずである。らしい。本当に、師匠無しでは何もしてこず、今回が1人で街に出るのは初めてなので、色々楽しみである。能力とか。あと、可愛い子がいればいいなあ。


 森を抜けてみると、街の簡素な入口に衛兵が立っていた。


「む、そこの少年、止まりなさい。何かあったか?それてもフォカの街から迷い込んだか?」

「あ、いえ、その、ダートの街に来てみただけなんですけど」


 衛兵に詰め寄られてたじろぐ。


「そうか。本来は身分を示すものが必要だが、見た所フォカの街の出だから、今回は通そう。帰りはちゃんと何か発効するんだぞ」

「はい、ありがとうございます」


 そう言って、通してもらえた。ふう、これで入れなかったらどうしようと思っていたが、優しい衛兵で良かった。

 街に入って辺りを見回してみると、まだ住宅街のようで、静かである。とりあえず大通りに沿って進んでみると、段々市場のような活気が出てきた。


「うちの野菜は安いよー!」

「そこの奥さん、これ買ってかないかい?特別に安くするよ」


 おお、これはいいな。個人で出す店が並んでいて、お客さんが色々な所を回って買い物をしている。フォカの街とは違って、人も多く、野菜も美味しそうだ。そもそも、フォカの街と比べるのが間違っているのだが。

 とりあえず、来てみたはいいものの、なにをすればいいか分からないので、ギルドというものに行ってみることにする。なにやら、冒険者が集まるところらしい。


「あのー、すいません。冒険者ギルドに行きたいんですけど・・・」

「なんだい、君みたいな少年が冒険者ギルドに用があるのかい?」

「その、父が行ってみろって」


 正直に言うと教えてくれなさそうなので、軽くでまかせを言ってみる。咄嗟に出たので、意味はまったく分からないが。


「ふむ、そうかい。冒険者ギルドはこの通りを進んで次の角を右に曲がって直進すると左に見えるよ。父のお使いとはいえ、気をつけるんだよ」

「はい、ご親切にありがとうございます」


 お使いだと思ってくれたみたいだ。それにしても、優しい人だった。この街は優しい人が多いのだろうか。

 言われた通りに進み、市場を抜けて、今度は、建物に入った店や、宿泊施設のようなものが増えてきた。冒険者用の通りらしい。どこのお店の料理も美味しそうだ。ルッツおばさんに師匠から預かったお金を持ってきたが、足りないなんてことは無いだろうか。食べれなくてもいいが、それはそれで悲しいものだ。


 通りを進むと、左に「ギルド」と大きく書かれた木の看板のかかった3階建て程の建物が見えた。どうやらここが冒険者ギルドであるらしい。

 木の扉を開けて入ってみると、人の熱気におされて、一瞬のけぞってしまった。中は平日の朝場であるからであろうか、若い冒険者から中年くらいまでの冒険者が一堂に会していた。外からは聞こえなかったが、中をとてもガヤガヤしていて、僕みたいな少年が入った所で気にも止められないようだ。受付嬢の前に人が並んでいるので、まずは並んで順番を待つ。すると、髭を携えた大男がやってきて、少し前の方で列に入って勝手に並び始めた。みんなが並んでたから並んだけど、もしかしたら並ばなくていい列なのだろうか。


「おじさん、並ばないの?」

「ああん?なんだ、いちゃもんつけてくるやつがいんのかと思ったらちっこいガキじゃねえか、いいか、俺は青シーカーのダンブルだ。等級の高いやつが優先されるのは、当たり前のことだろう」

「青シーカー?」

「はっ、そんなことも知らねえのか。ギルドはままごとじゃねんだぜ、遊びに来たんなら、列の邪魔だからさっさと消えな」

「遊びに来たわけじゃないよ。冒険者になりにきたんだ」

「そうかいそうかい、じゃあ後ろで指加えて並んでな」


 態度が悪かったのでつい口答えしてしまったが、面倒事になりそうだったので、列の元の場所に戻る。


「ああ、君、ダンブルには関わらない方がいいよ。腕っ節が強いからって青等級を盾にして横柄な態度をとってるのさ」

「あなたは?」

「ああ、僕は緑シーカーのラインだよ。君は?見た所来たばっかりみたいだけど」

「ラインさんですか、僕は隣町出のカイトです」

「隣町というと、ロイルの街かな?」

「まあ、そんなところです」

「なるほどね、確かにあそこはギルドもないしね」

「ところで、青とか緑とかシーカーってなんですか?

「そんなことも知らないでギルドに来たのかい?」


 ラインさんの話によると、いわゆる冒険者というのは「シーカー」と呼ばれていて、シーカーには、低い方から赤、緑、青、橙、黄、白、紫とあって、紫クラスともなると世界で1桁程しかいないみたいだ。師匠はどのくらいだったのだろうか。


「だから、この小さめな街だと、青でもダンブルみたいに多少の横暴が効くのさ」

「なるほど、そうなんですね」


 そうこうしているうちに、受付嬢のところまで回ってきた。


「おはようございます。ご要件はなんでしょうか?」




小説は、難しいですね。、

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