《ソナー》に感あり!
次にテメェは……
「早よ街行けや!」
……と言う!
それから交代で見張りをしながら夜を明かして次の日の朝……
「……水の魔法すっかり使いこなしてるわね」
「まぁな」
歯を磨きながら答える。
口を濯いで顔を洗うと、みんなが朝食の支度をしていた。
「オリジンのパン知っちゃうと、この『固い何か』が喰えなくなるな」
「だな」
「いや、勿体ねぇから喰えよ」
チャラ男とベテランレッドに言うと、でもよぉ……とか口答えをしてくる。
「じゃあスープにでも浸して喰えば良いだろ?……鍋ある?」
「ありますよ」
リオネルから借りた鍋の縁に人差し指を乗せる。
「……《ウォータークリエイト》」
石で作った簡易版の竈に乗せて火を点ける。
「具は……テキトーで良いか」
取り寄せたコンソメを溶かし、卵を割る。
『テキトースープ』錬金完了!
取り寄せた器によそって全員に渡していく。
「……いただきます」
手を合わせてから『固い何か』を浸して食べる。
「テキトーの割にはまぁまぁ旨いな。流石は日本のダシ文化」
ところで……全員俺をじっと見ているが、どうかしたのか?
「……何?」
「い、いや別に……じゃあ喰うか」
「ですね!」
俺の真似をして食べ始める。
……別に手を合わせるのはやらなくても良いんじゃねぇの?
「……旨い!」
「初めて食べた味……」
「テキトーに作ったってのは嘘だろ!」
いや、本当にテキトーだぞ?
グルメ好きなら怒るくらいにはテキトーだぞ?
「昨日と今日は革命が起きっぱなしです……」
「その国安定しねぇな」
淡々と食べる俺のツッコミを無視して感動する父ちゃん坊や。
「きっとオリジンと一緒に居るともっと沢山革命が起きるんでしょうね」
「国が数回入れ替わる規模だな」
そんなこんなで食べ終わり、出発の支度を整える。
「んじゃあ街に戻るぜ」
御者台に座ったチャラ男が言うと馬車が走り出す。
「そう言やぁ、街の情報聞いてなかったな……街っていうかこの国の事とか」
「あぁ、そうですね。これから向かうのは州都です」
「州都?」
サラが言うには、今居るこの場所は2つの大国の間にある中立地帯『中央自治州』とかいう小国が1つにまとまったモンらしい……っていうか連合国家とかじゃねぇのかよ。
通貨の単位はwdだそうだ。
取り寄せスキルの画面によると、どうやら1円→1wdのようだな。
神が決めた通貨って事だからアイツが調整したんだろうな。
それから暫く馬車に揺られて街道を進む。
「……暇だ」
「オリジン?」
「チェスとかトランプとかしねぇのかよ!」
「何ですかそれ」
サラだけじゃなく全員がキョトンとしてやがる……
「もしかして……何の娯楽も無くただただボォーッと座ってるだけなのか?」
「そうですけど……」
サラの言葉に頭を抱える。
「だからたまに脇から魔物が現れると暇が潰せるのよね」
「女剣士は脳筋だな」
「何ですって!?」
「まぁ、良いや……その路線で当たってみるか」
目を閉じて集中する。
現在地が世界のどこにあるかがはっきりと判るようになってきた。
「……《マッピング》完成」
「マッピング?」
父ちゃん坊やの問いに答える。
「地図の魔法だな。今作った」
「シレッと何てモン作ってんのよ!?」
「うるせぇぞ女剣士。今集中するんだからよ」
「なっ!?」
もう一度意識を集中させる。
どこに何があるか、誰がどんな状態で居るか……
「……《ソナー》完成だ」
「今度はどんな技だ?」
「チャラ男の質問にお答えしよう……マッピングで作った地図に条件付けした物を表示する魔法だ。気配探知の凄い版とでも覚えときな」
「それ滅茶苦茶スゲーな!」
「因みにこの先5kmほどに悪意を持った存在がチラホラ居る事も判っている」
「マジか!スゲー!……ん?悪意?」
「鑑定によると盗賊らしいぞ」
「数は?」
「あ〜っと……正面10伏兵5」
全員の顔が引き締まる。
サブタイトルはテキトースープと迷った……




