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ありさは新人プログラマー  作者: AIでライブ配信する人


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8/9

第8話「動かないんですけど」

午前九時半。


ありさはパソコンの前で固まっていた。


「……」


隣の美咲が声をかける。


「どうしたの?」


「動かない」


「何が?」


「昨日まで動いてたプログラム」


「なんで?」


「分からない」


ありさは画面を見つめる。


「昨日は動いたんです」


「じゃあ、昨日から何か変えた?」


「何も変えてません」


「本当に?」


「……」


ありさが考える。


「コードは」


「うん」


「変えてません」


「うん」


「設定も」


「うん」


「パソコンも」


「それは昨日から再起動してないけど」


「……」


美咲が苦笑する。


「それじゃない?」


「でも、昨日は動きました」


「今日は?」


「動きません」


「じゃあ再起動してみたら?」


「分かりました」


ありさが再起動する。


数分後。


「……動きました」


「ほら!」


「なんで?」


「こっちが聞きたいよ」


ありさは真剣な顔で画面を見る。


「再起動で直る理由を調べます」


「そこまでしなくていいよ!」


そこへ悠斗がやってきた。


「どうした?」


美咲が説明する。


「昨日まで動いてたのに、今日動かなくなって。再起動したら直りました」


「新人あるあるだな」


「そうなんですか?」


ありさが振り返る。


「あるある」


悠斗は笑う。


「困ったらまず再起動。新人の頃は何回もやる」


「なるほど」


ありさはメモを取る。


「『再起動』……」


「いや、そこを技術として覚えなくていいから」


「でも重要ですよね?」


「まあ……重要だけど」


ありさはさらにメモする。


「困ったら再起動」


「違う」


「違いますか?」


「まず原因を確認する」


「はい」


「ログを見る」


「はい」


「エラーメッセージを読む」


「はい」


「それでも分からなかったら検索する」


「はい」


「それでも分からなかったら先輩に聞く」


「はい」


ありさが顔を上げる。


「先輩」


「ん?」


「聞いていいですか?」


「今?」


「はい」


「どうぞ」


「さっきのエラー、検索したら同じ症状の人がたくさん出てきたんですけど」


「うん」


「全員、回答が違います」


「……」


「どれを信じればいいですか?」


悠斗が少し黙る。


「それは……」


美咲が横から言う。


「新人あるあるだね」


「そうなの?」


「うん。検索して、記事をいっぱい読んで、結局何も分からなくなるやつ」


「なるほど」


ありさは納得した。


「じゃあ、一番上の記事を使います」


「それも違う!」


「じゃあ、どうすれば?」


悠斗が笑う。


「まずエラーの意味を理解するところから」


「分かりました」


ありさは画面に向き直る。


数秒後。


「原因、分かりました」


「早っ」


「昨日、私が入れた設定が原因です」


「……」


「すみません」


「いや、そこまで自分で見つけたなら十分だよ」


「直します」


ありさはキーボードを打つ。


数分後。


「直りました」


「おお」


美咲が画面を覗き込む。


「新人なのに、こういうの早いよね」


ありさは嬉しそうに笑った。


「ありがとうございます」


「でもさ」


美咲が言う。


「最初に『動かない』って言ってたとき、めちゃくちゃ困った顔してたよね」


「うん」


「今は?」


「もう大丈夫」


「なんで?」


ありさは少し考えて、


「動いたから」


「……」


美咲が笑う。


「それ、解決方法じゃなくて結果だから」


ありさも笑った。


「たしかに」


――新人プログラマーの一日は、


エラーとの戦いで終わる。


そして次の日。


ありさは出社して、パソコンを開いた。


「……」


昨日と同じエラーが出た。


「また?」


ありさは少しだけ遠い目をした。


「再起動しようかな」


「それは最後!」


隣から悠斗の声が飛んできた。

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