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もっと上、レイズだ。

 ギャンブルというものは、基本的に胴元が勝つように、つまり儲かるように出来ている。


 そんなことは、みんなが知っていることだ。しかし、自分だけは違うぞと、みんな考えている。今日こそは、明日こそはと、自分の奇跡に期待している。


 回数さえ積めば、奇跡らしいものはパチンコ・パチスロで起きるのだ。


 当たり前だ、()()()なのだから。とてつもなく薄い確率を引くこともあるだろう。詰まるところ、客が勝つことがあるからこそ、みんなギャンブルが好きなのだ。


 そういうことで、私は勝ったり負けたりを繰り返していた。それでも私はジワジワと負けていく、使えるはずだった上限にも段々と近づいて行く。


 私はそこでまだ上を見上げるとんでもないど阿呆であった。


 消費者金融である。私の上限はまた十万円上がってしまったのだ。なんて愚かだろうか、しかし、その時の私の情熱を拒むものは一切無かった。


 ギャンブルに熱中すればするほど、どんどん勉学が疎かになる……詰まるところ、大学すら遠くなる。私はその罪を虹色で覆い隠して誤魔化して行く。


 いつか大学に全く行かず働くだけのタイミングがあった。やるべきこともやらず、惰眠と娯楽を貪る私を当たり前だが、私自身が肯定できなかった。


 もちろん他人に言うことはできない。恥であるからだ。自分の不甲斐なさを音と光で誤魔化すのも段々と厳しくなってきた。


 働いて、金を集めて、ギャンブルをする。最悪で、最低で、ほんの少し楽しかった。


 最終的には友人に金を借りた。一人だけ十万円ほど借りた。元々仲は良かったが、それ以降仲が悪くなった。今ではほとんど付き合いはない。


 今になってようやく、後悔した。大切な友人に金は借りるべきではない。そこで自分は、金の価値というものを改めて味わうこととなった。


 そこまでいってしまった自分は、過去の自分とは別人のようになっていた。正直過去の自分が今の自分を見たら絶句するだろう。まともに直視することもできないと思う。


 どこまでもレイズし続けた私は、最後はレイズする金も無くなってしまったのだ。

 実際この時は鬱になってたのではないかと今になると思います。

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