金がないから打たないんだ
ある時自分の快進撃は止まった。
当たり前だが金が無くなった。金がないならギャンブルはできない。
そこで俺は、親にお願いすることにした。クソな自分は、親に嘘というものが容易くつけた。
元々お金使いというものが荒かったと思われていたのだろう、自分が親にお金が無くなったといえば、数万円を数日以内に送ってくれた。
本当にこんな自分には勿体無いほどいい親である。しかし、そんなことも理解していない私は、変わらずギャンブルに勤しんでいた。
ほんのちょっぴりうまくいっていた過去が自分の行動をここまで愚かにする。
その数万円もそのうち容易く消えた。高いレートのギャンブルというものはこういうものなんだと私はようやく理解したのだ。
私は、そこでも止まらなかった。ここで止まれたら、今頃どんな人生を送ったのだろうかと今でも思う。
私は、バイトを始める事にした。お金を稼いでギャンブルがしたかったからだ。
ただ、普通に働くのでは耐えられなかった。自分を負けさせたものから少しでも取り返そうと考えた。
私は近くのパチンコ屋でバイトを始めたのだ。パチンコ屋でバイトを始めれば少なくとも、その系列のお店に行くことは無くなるのだ。
一石二鳥である。パチンコ屋に行くことが少なくなり、金も取り返せる。当時の私はなんという天才的な思考だと自画自賛したものだ。
復讐心から始めたバイトは存外楽しかった。パチンコ、パチスロを見るのも好きだし、肉体労働も特に苦ではなかった。
他のバイトもパチンコを楽しんでいる人が多く私には天職だと思った。
バイトの調子は良かったが、パチンコ好きは治らなかった。バイト代が入ればパチンコ、パチスロ。もし勝ったらそれでパチンコ、パチスロ。負けたら次お金が入る瞬間までお預け。
頭がおかしくなっていたんだと思う。虹色の光と大きい音で、無事にギャンブルに洗脳された私は、また金がなくなり、ついに家賃やら様々な支払いで使われる予定の金に手をつけだした。
当たり前だが負けたら詰みである。もし勝ったとしても、生き延びるだけそれだけのこと。なんと悲しいギャンブルだろうか。
ある時どうしようもないぐらい負けた。
その時もう親には頼めなかった。私は学生ローンに手を出した。
終わりの始まりである。
学生ローンは10万円まで使えた、私はこの借金を使える金だと認識していた。
使える限度額というものが上がった私はまたギャンブルにのめり込んだ。当たり前だが、楽しくてやっていることである。
だが、それ以上に私は私自身に失望していた。
銭形が好きです。




