第1話 人外の少女
これは人間が生まれるよりもずっとずっと前の話…
人外が文明を築き、たくさんの人外が暮らしていた時代、
ある小さな村で1人の少女が原っぱの真ん中で寝転がっていた。
空は雲ひとつなく晴れ渡り、草木は揺れ、太陽は温かくみんなを照らしている。
そんな中、白い角が生えている少女はゆっくり起き上がると一つ深呼吸をし、
歩き出そうとしたが、後ろから何かが走ってくる音がした。
「ツノちゃーーーーーん!!!」
後ろから飛びついてきた蛇の髪飾りをつけた少女と2人で原っぱに転がると
少し笑いながら起き上がった。
「イタタッ… 小骨ちゃん、飛びかかってこないでよ…」
「ツノちゃんを探してたから見つけて嬉しくなっちゃって!」
「探してたって、私に何か用事があったの?」
「うん!ちょっとプレゼントがあってね… ほら!」
蛇の少女は服のポケットから緑と赤の布でできたブレスレットを取り出した。
綺麗な小石も通してあり、とても可愛らしい。
「これって…小骨ちゃんが作ってくれたの?」
「うん!お母さんの布が余ってたからちょっとだけ貰って作ったの!綺麗でしょ〜」
「うん… ありがとう…」
小さな声でそう言うと元気な声で返事が返ってきた。
「どういたしまして!これはいつも遊んでくれてるお礼で私がつけてあげる!」
そういいながら蛇の少女は白い角の少女の手首に
丁寧にブレスレットを結ぶと嬉しそうに言った。
「これで私たちお揃いだね!」
そう言った蛇の少女の手にも同じ柄のブレスレットが握られていた。
「そうだね… じゃあ次は私が小骨ちゃんのブレスレットを結んでもいい?」
「いいの!ありがとう!」
どうやら白い角が生えている白髪の少女はツノちゃん、
隣の蛇の髪飾りをつけている黒髪の少女は小骨ちゃんという名前らしい。
「それともう少しでお昼だからご飯食べようってお母さんが言ってたよ!」
「わかった!すぐ行く!」
そう言うと2人の少女は原っぱから村の方に走って行ってしまった。
しばらくすると少し離れた場所から黒い狼の仮面をつけた男が出てきた。
男は原っぱの端にある小さな墓の前に座ると手を合わせて、
すぐどこかに行ってしまった…




