70話 VS射手の座
前回のあらすじ
スコルピオとアンドロメダによる飛び道具の撃ち合いの末、アンドロメダの作戦により、スコルピオは、胸の中心を撃ち抜かれたのであった。
「その、『悪い巨大都市』の名前は、『シェダル』ですよ。」
ケフェウス達は、サジタリウスの、その言葉に驚いた。
「あの女王が、自分達の為に人を捕らえるなんて───」
「ありえない…。ですか?」
ケフェウスの言葉を遮るように言うサジタリウス。
ケフェウスは、彼のその言葉を肯定するように黙っていた。
その様子を見て、サジタリウスは笑顔を作って言った。
「けれど、事実として、あの都市は『星巫女』を捕らえている。つまりは、君の言うところの『身勝手な悪い都市』ってことです。どうです?私達にとっても、君にとっても敵である彼らを、一緒に滅ぼそうじゃありませんか?」
サジタリウスの言葉に、ケフェウスは怒りの声を上げる。
「ふざけるな!悪はお前らの方だろうが!さっきの言葉だって、俺を仲間にするために付いた嘘に決まってる!!」
そんな、ケフェウスを見て、やれやれと首を振るサジタリウス。
「おやおや。これはずいぶんと、形だけの正義に支配されていますね。はぁ。仕方ない。
貴方達が、敵となるならば、私も貴方達を殺さねばなりませんね。」
そう言ったサジタリウスが、右手の指を鳴らすと、ケフェウス達が入ってきた法とは反対の扉から、『星神教徒』が複数、部屋に入ってきた。
彼らは全員弓を構え、緑色に光る矢をケフェウス達に向ける。
「ちっ!『ペテルギウス聖騎士団』!いくぞ!」
オリオンのその号令で、騎士達は一斉に、『星神教徒』に向かって、走り出す。
『星神教徒』が、騎士達に向かって、矢を放つ。
騎士達はそれを避けたり、盾で防いだりした。しかし、一部の騎士は、盾と鎧ごと、心臓を貫かれて、死んでしまった。
その光景を見て、サジタリウスは「ふふふ。」と笑った。
「おや?言ってませんでしたか?私の『心臓を穿つ矢』は、貫通する矢を生成する能力です。
1度生成してしまえば、部下に渡そうが、天井に仕掛けようが、問題なく効果が発動する。
つまり、私だけではなく、私の部下達の矢も、防具を貫通するということです。」
「ちっ!全員が、防御不可の即死攻撃ってことかよ。めんどくせぇ!」
ベラトリクスは、自分に迫ってくる矢を切り払い、『星神教徒』に向かって、一気に距離を詰める。
そして、1人、また1人と、『星神教徒』を切り捨てていく。
「おや、おや。やりますね。私の矢を相手に、逃げずに立ち向かうとは。」
サジタリウスが、そう称賛しつつ、右手の指を鳴らす。
すると、再び複数の『星神教徒』が、部屋へと入り込んできた。
ベラトリクスが、その軍勢を見て、舌打ちをする。
「くそ!まだいたのか!!」
彼女の悔しそうなその声を聞いて、サジタリウスは「ふふ。」と静かに笑った。
「そりゃあ、敵の、しかもそのリーダーの本拠地。この黒装束達は、まだまだ来ますよ。」
『星神教徒』が、一斉にベラトリクスを狙って、矢を放つ。
ベラトリクスは舌打ちをしながら、それを避けるが、靴の速さに体がついていけず、姿勢を崩してしまった。
そして、そんな彼女を撃ちぬこうと矢を構える1人の『星神教徒』。
「(奴が狙うのはアタシの心臓。それを1番狙いやすいのはアタシが倒れた瞬間か。)」
ベラトリクスがそんなことを考え、諦めたように目を閉じる。
そして、彼女が地面に落ちる。その瞬間、彼女は突然、皆の前から姿を消した。
次回予告
絶体絶命の中突然姿を消したベラトリクス。それは、あの少女の力によるものだった。仲間を増やした騎士団だったが、その背後に、忍び寄る影もいた。
次回 71話 彼女達は恋人の元へ




