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異世界転移 ~魔を狩る者~  作者: 緋色火花
第一章 岩場の聖域編
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16話 魔力と気、そして・・・謎

あー・・・長くなりましたね。

予定と違ってきている気が・・・。

知らないうちに、謎が・・・

ま、まぁーいいか・・・。


それでは、16話をお楽しみ下さい。

悠斗が魔法を失敗してから数時間が経過した・・・。


肩で息をしながら魔力の扱いに苦戦していた。


(まじで魔力ってのはやっかいだな・・・。気とは性質が全く違う)

悠斗は気の扱いに慣れすぎて、魔力を上手く扱えないでいた。


岩の上に「どかっ」っと、座ると

目を閉じ魔力の操作を始めた・・・。

魔力に集中しようとすると、気もまた動き出す・・・


(あー・・・。気も一緒に動いてたから魔力が勝手に増幅されたってことか?)

悠斗は時間をかけて、魔力と気を別々に操作できるように特訓を始めた。



~神界では2人の神が悠斗を見守っている・・・


「ふぅ~、なるほどね。お互いの力が作用し合って

 魔力が過剰に威力を増していたのか・・・納得だね」


そう言いながら椅子に座り、お茶を飲み始めた。


「ラウル様、悠斗さんは元々「気」の扱いに長けているのが

 災いしている・・・。そう言うことなのですよね?」

「ああ・・・そうだね。全く、困ったものだよ・・・」


ミスティもまた、モニターに映る悠斗を見ながらお茶を飲むと

何かを思いついたように話し始めた。

「と、言うことは・・・。制御できるようになると、

 2つの力を混ぜ合わせる・・・と、言う事も可能なのでは?」


ミスティの言葉に「はっ!」っとすると・・・

「た、確かにそれは不可能ではないはずだけど・・・

 ただ・・・それがコントロールできるかどうかは不明だけどね」


「そうですわね。混ぜ合わせた力が制御出来るか否か・・・。

 人族の能力でそれができるのでしょうか?」

「流石にそれは・・・正直、何とも言えないけどさ、

 地球の人族が魔力を持っていた・・・その事実があるからね。

 だから僕は、悠斗君のセンスに賭けているんだ」


モニターをじっと見つめ悠斗を見守る・・・。


それに、悠斗にはまだ覚醒していない能力もある。

それが魔力と気に、どう作用するか分からない。


(魔力と気の制御を、今ここでしっかりとやっておかなければ

 後々、取り返しのつかないことになりそうだね・・・。

 僕が力を貸したとしても、制御できないかも・・・ね。

 だから悠斗君・・・頑張ってくれ)


(悠斗さん。焦らず頑張ってください。きっと貴方なら・・・)

ミスティとラウルは同様に、悠斗にエールを送っていた。



再び、岩場の聖域・・・


悠斗は魔力と気の制御に悪戦苦闘していた・・・。

一度別々に制御しようとしたのだが、「気」が勝手に動いてしまう。


(くっそ!・・・上手く行かない・・・)

悠斗の額に汗が滲み・・・流れ落ちる。


(まるで、陰と陽の性質に似ているな・・・

 魔力と気もまた・・・お互いに相容れない・・・そんなところなのかな?

そう言えば、人の気と自然界の力も・・・そうだったな・・・)


悠斗は一度目を開くと、マジック・ボックスから

水を取り出し、喉を潤した。


喉を潤し終わると、再び目を閉じ思考の海へ潜っていく・・・


(考えろ、さっき何か引っかかっていた・・・それはなんだ?)

水中で深く潜る時のようにゆっくりと・・・。

(自然の力と己の力・・・。自然の力を己に取り込んだ場合、

 絶大な力を得る代わりに、肉体への反動がとてつもなく大きくなる。

 じゃ~、大きくならないようにするには、どうすればいい?)


悠斗は突然目を開くと、大きく息を吐いた。


「駄目だー!もうちょいなんだけどなー・・・。

 いいところまで来ていると思うんだけどね」


悠斗はそう言うと、地面に横たわり、空を見上げた・・・。

(まぁ、気分転換は必要だよね)


空を眺めていると、鳥が一羽飛んでいる。


(あの鳥って、なんて言う名前なんだろうな~

あんなふうに飛べたらな~・・・。気持ちいいだろうな)


暫くの間、空と鳥を眺めていると・・・

「ん???」

眉間に皺を寄せると、勢いよく体を起こし・・・

「やってみるか・・・」

そう言うと、再び座り直した。


そして、再び思考の海へ潜る・・・。

(鳥は自然界の力を利用して飛んでいる・・・。

 ならば、人も同様に自然界の力を取り込めば・・・)


目を開けた悠斗は勢いよく立上がると、魔力操作を始めた。

魔力が体中を駆け巡る・・・。

それと同時に気も駆け巡りだした。


(さて、ここから・・・だな)

悠斗は気を完全に止めるのではなく、気の量を減らしていった。

(ゼロに出来ないのであれば、気の量を減らせばいい・・・

 それくらいなら、何とか俺にもできるはず・・・)


今まで安定しなかった魔力が、少しずつ・・・安定しはじめた。

(いける・・・。もう少し減らせば・・・)


しかし、気をまだ上手く減らせる事ができず失敗する。

悠斗は何度も練習を繰り返す・・・そして数時間経過した。


(悠斗!何度同じ事を繰り返すつもりだ!)

悠斗は自分に檄を飛ばす。


それから数分後・・・。


今まで安定しなかった魔力が完全に安定した。

悠斗自身も魔力が安定したことを確信すると目を開けた。


「よしっ!」と、軽くガッツポーズをする。


そして再び魔力制御を始める・・・今度は目を開けたままで・・・。


(OKだな!これなら・・・)

悠斗は、右の掌に火球を出現させると、

「いっけー!」と、叫んだ。


叫んだのだが・・・

「あー!なんだか・・・無理」そう言って、放てなかった・・・。


「あー・・・。トラウマになったかも。はぁ~」

右の掌に出現させた火球を消すと、ふかーいため息を吐いた。

放ち方が微妙に分かってない悠斗には、先程の失敗が尾を引いている。


どうしようかと、アレコレ悩んでいるうちに一つの結論が出た。


「放てないなら・・・」

再び火球を出現させると、岩に向かって・・・

「・・・投げちゃえっ!」

そう言うと、目標の岩に向けて・・・火球を投げた。


「ボンッ!!」と、3mほどの岩に大穴が空いた。

「よしっ!やっと出来たな・・・。でもまだ甘いな~

予想よりも穴がでかい・・・」


修正を試みる悠斗だが、先程よりも表情は明るくなっていた。



一方、神界では・・・


悠斗が目を閉じたまま動かなくなっていた。


「悠斗君・・・動かなくなったんだけど大丈夫かな?」

ラウルは「おろおろ」しながら、ミスティに問いかける。


「かなり苦戦しているようですものね・・・私も心配ですわ」

ミスティも同様に心配していた。


暫くの間、悠斗が目を閉じたり開いたり、そして横たわったりと・・・

見ている2人の神は落ち着かない。

そして、何度目かの魔力制御をしている時・・・

{よしっ!}っと、ガッツポーズをしていた。


「な、何かよくわからないけど、上手くいったみたいだね」

「ええ、先程と比べても、表情が全然違いますものね」

2人の神の表情も、悠斗の表情を見て明るくなっていた。


安堵すると、神達は椅子に座り直し、お茶を飲み始めた。

「いや~、見てるこっちの方がさ、喉、乾いちゃうよね♪」

「ええ、私も喉も渇きますが、妙に体に力が入ってしまって・・・♪」

2人の神の表情はとても穏やかだったのだが・・・


悠斗が3mほどの岩に向かうと火球を出現させた。

2人の神は固唾を呑んで見守る・・・。


「いっけー!」と、叫ぶ悠斗に2人の神も・・・

「いけーーー!」と、叫ぶ。

2人の神の祈りを込めて・・・。


しかし、放つ瞬間・・・

{あー!なんだか・・・無理}

悠斗が放つのを止めてしまう。


「「ドサッ!!」」っと、

2人の神は、再びそろって椅子から落ちる・・・。


「痛ったーーー!!どうして途中で止めるんだよ!

なにこれ!彼の何かの儀式なの??

わざとかっ!!僕達が見ているって事知ってて

 わざとやってるのかっ!!」


ラウルはもはや、わざとしか思えないと訴えている。


「いたたた・・・。さ、流石に今回は・・・」

ミスティも同様に思っているようだった。


悠斗は暫く考えていたが・・・

{放てないなら・・・}

その言葉に2人の神は・・・「「ん?」」


{・・・投げちゃえっ!}

すると、悠斗の投げた火球は3mほどの岩に大穴を空けていた。


それを見ていた2人の神は・・・

「ね、ねぇ、ミスティ・・・」

「は、はい・・・」

「悠斗君・・・魔法を・・・投げたんだけどさ・・・」

「え、ええ、な、投げました・・・ね」

「投げるって・・・なに?」

「はい?」

「いや、だから・・・魔法って、投げるモノなんだっけ?」

「いやぁ~、どう・・・なのでしょうか?別に・・・投げてもいいのでは?」


2人の神の会話のキャッチボールがテンポよく流れていく。


「ま、まぁーさ、いいよ・・・別に、投げてもいいんだけどさ・・・」

「そう・・・ですわね」

「投げてもいいんだけどさ、なんて言うのかな~?

何か違うだろ!・・・と、僕は言いたいのだけれど・・・どう思う?」

「えっと・・・。これはアレじゃないですか?

上手くいったのですから・・・宜しいのではないでしょうか?と・・・」

「そ、そうかな・・・。そっか・・・ふむ、いいのか・・・これで・・・」

「ええ♪勿論、良いに決まってますわ♪」

「なら・・・いいか・・・。」


神界では2人の神が微妙な空気の中

喜びを分かち合っていたとか・・・いなかったとか・・・。

それは神のみぞ知る・・・と、言ったところだろうか?



そして再び・・・岩場の聖域。


悠斗は暫くの間、火球を投げて、投げて、投げまくっていた。

「・・・さ、流石に投げ過ぎたな。100球くらいは投げた気がする」


「ピピッ」と、音が鳴る。

「魔導気Lv.1を習得しました」

「魔導気・・・って何?。聞いた事ないんだけど?」

すると、今までただのナレーションにしか過ぎなかった女性の声が・・・

「魔力と気の混合で、属性付与も確認されました。つまり、ニュー・スキルです」


「えっと・・・ニュー・スキル・・・ね。属性付与って・・・

 ああ~、火球を使ったからってことかな?

 ん?じゃ~さ、火球を使っていなかったらどうなるんだろ?」


腕を組みながら考えていると・・・

「無属性・・・と、言うことになります」

「ああ~、無属性ってことになるのか~・・・なるほどね。

 ん??あれ?今のって、普通に会話してない?」


「いえ、会話なんてしていません。気のせいです」


「そっか、気のせいなのか・・・って、おいっ!!」

「・・・・」

「お前って、話せるの?」

「・・・・」

「おーい!そこの素敵な声の人♪」

「・・・素敵・・・ですか?」

「あっ・・・うん、とても素敵な声だよ」

「有難う御座います。それでは、失礼致します」

「えっ?もう消えるの?おーい!」

謎の声の主はそう言って消えてしまいました。

「謎が増えた・・・」


悠斗は「ポツン」と、ただ立ち尽くしていた・・・。



そして再び神界では・・・


悠斗が火球を連投していた・・・。

「な、投げすぎ・・・じゃね?」

「悠斗さんの投げ込む姿も素敵ですわね♪」

「いやいや、いくらなんだって、投げ過ぎでしょうよ」

「妻である私が、旦那様となる方を労う為に、

 しっかりとサポートしなければなりませんわね♪」


「いやいや、誰が妻で誰が旦那なんだよ。おかしいでしょ?」

「うふふふ♪」

「ミスティ・・・早目に戻ってきておくれよ?」


妄想の世界へ旅立ったミスティを哀れみながら

モニターに映る悠斗を見ていた。

そして、暫く投げ込み?を、していた悠斗はその動きを止める。


「やっと、終わったね・・・納得したのかな?」

ラウルは微笑みながらモニターを見つめていると・・・


{ピピッ}

{魔導気Lv.1を習得しました}

{魔導気・・・って何?。聞いた事ないんだけど?}


その言葉を聞いていたラウルは驚きを隠せないでいた。

「魔導気って何?あれ?そんなスキルあったっけ?」

{魔力と気の混合で、属性付与も確認されました。つまり、ニュー・スキルです}


「へぇ~・・・ニュー・スキルなんだ~・・・ん?何それ?」

ラウルは自分も知らないスキルがあることに唖然としていた。

そしてその声は、悠斗の質問に次々と答えていく・・・。


「ん?どうして普通に悠斗君と会話しているんだ?

 僕は会話が出来るようにしてないんだけど?おかしくない?」


ラウル自身、その様な機能を持たせた覚えはないのである。

「・・・。もう完全に会話しちゃってるよね?どういうこと??」

モニターを凝視するラウル。

「素敵ですか?って、何それ??いや・・・おかしいおかしい

 ぜっっったいにおかしいよ!ねぇ、ミスティ・・・・」


振り返ったラウルはミスティを見るも

まだ妄想世界から帰還していなかった・・・。


「・・・・役に立たないヤツ」

ラウルの悪態だけが、その空間に広がっていく・・・。


「どうなっているんだ?ある意味、目が離せなくなったな・・・」

眉間に皺を寄せながらモニターを見つめるラウルの姿があった。






 






ラウル ・・・ どうして普通に会話しているんだろ?

ミスティ ・・・ 何が何やら・・・

ラウル ・・・ 君、見てなかったよね?

ミスティ ・・・ み、見てましたわ・・・ええ、しっかりと。

ラウル ・・・ まぁーいいや・・・

ミスティ ・・・ えっ?本当に宜しいんですの?

ラウル ・・・ 僕は今、謎展開に頭を悩ませているんだよ

ミスティ ・・・ 禿・・・ますわよ?

ラウル ・・・ はっ!そ、それは困る!!!


ってなことで、緋色火花でした。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 魔力と気の操作の記述が細かいですねー(笑) [一言] 恵まれたスキルを持っていても、努力は必要なんだな、と、なんだか元気づけられました。 日々めげることが多いので。。。
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