1925話 それぞれのやること57
お酒
「爺さん、ちょっと飲み過ぎですよ」
自分が持ってきたとはいえかなりペースが早いような気がする。そもそも爺さんのお酒の適量がどれくらいかは分からないんだがかなりの勢いで飲んでいるのは確かだ。
「久しぶりの酒なんじゃからついついの・・・・・・お前さん時間はまだ大丈夫なのか?」
葉君との待ち合わせまではあと30分程で今から行けば少し余裕を持って待っていられると思う。
ただこのまま行ってしまうには少し心配になってしまっている。
「もうそろそろ時間なんですが爺さんをこのままの状態で放おっておくのも悪い気がするので・・・・・・」
「こう見えても自分の限界量ぐらいは分かっとるから心配せえでええわい。証拠を見せてやるから外に出てくれ」
立ち上がった瞬間にふらつく爺さんを優しく受け止める。筋肉があるのかと心配になるぐらいの軽さと手触りに心配になる。
「爺さんまた今度にしましょう。そろそろ俺も待ち合わせの時間があるので」
「なになに時間は取らせんよ、すぐじゃすぐ」
いつもと違って少し強気な爺さんを心配に思いながら言われた通りに外に出る。
仕事をしていた時に色々なお酒の場を経験したけれどこの反応は下手に逆らうと長くなるような気がして爺さんの言う通り外に出ることにした。
テント内は床に段ボールやクッションが敷かれていたしストーブもあったので冬場のテントとは想像できないくらい暖かかった。
その分外との気温差を大きく感じる。
「爺さん、なにをする気なんですか?」
白い息を吐きながら準備運動をする爺さんに声をかける。
「一本だけ付き合え」
爺さんはそれだけ言って運動を続けた。
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