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  作者: いちどめし


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うつる話 三

 丑の刻参りって、知ってますか?


 はあ。


 はあ。

 そうなんですか。

 詳しいですね。

 鏡に、蝋燭ですか?

 それだけご存知でしたら、問題ありませんよ。


 つまり、ですね。

 藁人形に釘を打ちつける、あれです。

 運転手さんの話していたお話といいますのは、その、丑の刻参りにまつわる話なのです。


 ええ、ここからはもう、運転手さんの言っていたことをそのまま言うような形になってしまうんですがね。


 いつのことかは知りませんけど、丑の刻参りをやった女性がいたのだそうです。

 自分のことを裏切った男性を……まあ、呪ったんですって。


 するとね、一週間後に、その男性は死んでしまった。

 心臓を悪くしたということです。

 細かな死因も、呪いとの関係も、まったく関わりのない私には知る由もありません。

 だいたい、実話かフィクションかも分からないんですから。


 男が死んで、その女性が喜んだのか驚いたのかは知りません。

 なんにせよ、男性は死んでしまったんです。


 すると周りの人が……。


 周りの人は、呪った女性と亡くなった男性との関係を、よく知っていたわけですねぇ。

 男性の死が突然だったのでしょう。

 事情を知る人たちの間では、本気ではないにしろ、その女性が何かやったんじゃないかと、そういう話になった。


 ええ、そうですね。


 誰に何をされたわけでもない。

 男性はただの病死です。


 心臓を悪くして亡くなったのですからね、事件性なんてあったものではありませんよ。


 ところが、面白いほうに考えたがるのが人間。

 どうにかこじつけようと、毒殺だという人までいたのだそうです。


 中には……そう、呪いをかけたのだと、そう言う人まで出てきました。


 女性はね、ああ、呪いをかけた女性ですよ。

 その女性はね、焦ったわけですよ。


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