あなたに助けられたから せめて感謝を捧げます
いつもご覧いただきありがとうございます。
実は、今日になってやっと知ることができたのですが、本作品をブックマークしてくださっている方々がいらっしゃるという衝撃の事実が発覚いたしました!!
ありがとうございます>△<
別作品でも述べていますが、ブクマ数や閲覧数、評価等々、見ることができるということに気付いていませんでした・・・ごめんなさいorz
ご登録いただいた方、改めてありがとうございます!!
しかも7名もいらっしゃるとか、夢ですか?
現実ですか?
私はどこ?
此処はだれ?
軽く錯乱していますが、折角見ていただける方がいらっしゃるとのことですので、改めて更新頑張っていこうと思いますので、お時間ご興味ございましたら今後とも良しなに、よろしくおねがいいたしますm(_ _)m
ちなみに、文章2p、内容3pいただいちゃいました!
ありがとうございます(°▽°)
もっともっとガンバります!!
前回のあらすじ。
音波攻撃
衝撃波
バコンバコン
グワングワン
バタンキュ~
再起動し、幾ばくかの時を置く。自身の身体と向き合い現状を確認する。頭も身体も痛い。心がツラい。最早残された時間は僅かだろう。儚くか弱いこの身体、あと幾ばくも保たないだろう。
異世界転生して10日も保たずに消え去る物語の主人公として闇に葬られかねない。このままだと、こ、殺されるっ!?
なんとかして彼女に声量を抑えてもらう方法を見出さなければ。俺の生命のかかった可及的案件だ。ここまで落ち着いてから、残念金髪美人改めエリザベートの話を聞いてみる。話しを聞くにどうやら彼女は俺に感謝してるらしい。
どうもあの魔法の暴発時に<マーダージャック・ウルフ>とかいう魔物の殆どが巻き添え食って死んだらしい。
記憶の片隅の遥か彼方には、確かにあの狼共の頭が吹き飛ぶ光景があったような気もする。だが、何故にその恩人の俺は彼女に殺されかけているのでせう?疑問が尽きぬ。
《マスター。正確にはマスターが撃破した個体数は4体です。残りの<マーダージャック・ウルフ>は致命傷を負ったり、火傷を負ったことで彼女から逃れられなくなったようです。》
ふむ。つまり、俺も助けられたし彼女も助けられたと。そういうことか。4匹しか殺れてないってことは残りは5匹。最低で5匹だ。
まだ隠れていた可能性もあるし、敵の残数は不明だ。しかるに、俺が大絶賛気絶中だったのなら、ヤツらにとってただのご飯だろう。食べられなかったのは彼女の、エリザベートのお蔭ということになる。
しかしながら、先に助けたのは俺だから比重が違うらしい。もしも俺に助けられなかったら、自分も俺を助けられなかったと。だから感謝すべきは自分であって、俺ではないと。禅問答みたいだがなんて良い娘なんだ。ちょっとズレてる気もしないではないけども。
残念系だなんて言ってごめんなさい。彼女の家系は騎士の家系。民を守り、国を守り、誇りを守るのが彼らの家訓だそうで、助けることはあっても助けられることはまずないらしい。
幼い頃から民草の盾と在れと教えられていたらしく、その献身は若干怖い。
そんな彼女が守るべき民を守れずに死なせてしまいそうになった。
そんな彼女を助けた異邦人がいた。
だからこそ父親である領主様に頼み込んで、貴重なポーションを使ったり治癒術師を呼んでくれていたらしい。それに関しては感謝しかないな。
恐らくその治療がなかったら俺は転生直後に爆死してたっす。ホント感謝するっす。マジでっす。うっすっす。
いくらなんでも転生者の末期が初魔法の自爆とか笑えない。いままでそんな転生者は見たことも聞いたこともない。
ていうかポーション貴重なの?それって下級じゃないポーション?お高いヤツかな?貴重品じゃん?よくわからないことは、カナエモンに聞くに限る。
(お~い、カナエモン。俺が使われてたのって下級のポーションであってる系?)
《・・・はい、マスター。マスターに使用されたのは下級のポーションで間違いありません。怪我の治療目的というよりも、消耗した体力や食事ができない分の補填としての意味合いが強かったようです。》
華麗にスルーされた。ネタはわかってるのだろうが、あまり乗り気ではないようだ?やはりあのフォルムのタヌキと同列に扱ったことがご不満だったようだ。一応国民的人気キャラクターの一員だったと思うのだが、確かに女性に対しては失礼極まりないだろう。
そこら辺の女心の機微とかなんとかは、思春期の男の子である俺には少々小難しかったかもしれない。すまん。
(そうなのか。そういえば、さっき水差しから希釈ポーション飲んだ時に若干元気出た気がしたもんな。てかポーションってそんなに貴重なの?お高いの?)
《いいえ、マスター。この世界において、下級のポーションは貴族でなくても入手できる程度の品です。ただし、ここメタリカ領は魔物の数が多く常に自警団や騎士団が消費するため、他の地域よりも出回っている量が少ないようです。》
あー、供給量が足りてないのね。そうなると需要過多で値上がりどころか、値段の釣り上げかまされてるかもしれないってことか。
メタリカさんはお貴族のようだが、どこかしらからかお買い上げスタイルなんかもしれん。お抱えの薬師とかいないのか。納得納得。
つまり、どこの誰とも知れない俺なんかに使うよりも、領民を守るために本来なら使いたかったとお父様は思っている訳ね。死にかけで将来生産性皆無の馬の骨には、そりゃ使いたくないもんな。
しかも治癒術師までつけたっていうんだから、このご時世、破格の療養待遇だ。かなり生死の境ギリギリだったとはいえ、なんとも申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
なんせこっちは自爆だし。ある意味自業自得。ウルフを倒せたのはただの棚ぼただ。
運が良かっただけというか、偶然のタマタマだ。
「話は、わかり、ました。お互い、助け合った、訳です、し、結果、誰も死なな、かった。
それで、よし、と、しましょう、ね。」
「いやっ!やはり君こそがっ」
声による衝撃が、俺の身体を駆け巡る。
「ごほっ、ごほぉっ、うぐっぅ。」
「なっ、だ、だいじょうぶか?!」
「ぐっ、は、はい。すみません、が、少し、話し、すぎた、ごほっ、よ、ようで、す。」
俺が言うと残念美人さんははっとして、次いでしまったって顔になった。わかりやすすぎるだろ。慌てながらも素早く一礼をするエリザベートさん。ばるんばるぅんのたゆんたゆーん。
「す、済まないっ!もう少し気を付けるべきだったな。私はこれで失礼するが、あ、あとで食事も持ってこさせよう。少しでも、ゆっくり休んでほしい。ではっ。」
少々テンパりながらも気遣いを忘れないエリザベートさん。なかなかどうして、好感がもてる。
動作がハキハキしててキレがいいので胸元はもう大変なことになっている。たゆんたゆんである。眼福です。
いまの頭を下げた礼の姿勢なんか、色々見えちゃいそうで逆に目を逸らしちゃったよ。もったいない。いや、なんでもないっす。
俺は咽喉がツラくて仕方ないので、目礼だけして彼女を見送った。その後、水差しに残っていた希釈ポーションをすすり、症状が治まるのを待ったがなかなか治まらない。
咳をする度身体が痛み頭がガンガンする。重症人のクセに無理をしすぎたのかもしれない。
(カナデ。)
《はい、マスター。》
(俺の、いまの状態や症状に何か心当たりがあったりしないか?)
《・・・症状からでは該当項目が多く、絞り込めませんでした。状態に関しては、現状把握しているマスターの情報を開示することが可能です。》
以前と同じように、俺の視界にステータス画面が広がった。
Name:月城 想
Level:3
edge:0 歳
種族 :ヒューマノイド
職業:迷宮主
【ステータス】
HP:F (弱体中)
MP:E
STR:F (弱体中)
VIT:F (弱体中)
AGI:F (弱体中)
INT:D (UP)
MND:D (UP)
SP:15 BP1含む
DP:80
スキル:精密作業、並列作業、システム読解・構築、魔力感知、HP回復強化(小)
魔法スキル:『冒険級火属性魔法』
種族特性:セルフカスタマイズ
祝福:ミロワールド言語(担当神)、初回契約特典無料お試し期間2か月用(自称案内役)、迷宮創造主の楔
▽使役可能モンスター▽
<マーダージャック・ウルフ>
何やら色々と見なきゃいけない所がザックザクと出ていらっしゃってしまった。まずレベル。まぁ、なんか狼倒したから上がったんだろう。嬉しいことだ。これからドンドン上げて行かないと生き残っていけないんだろう。
それは狼たちの動きからわかる。速い。速かった。あんな動きをする生物を日本では見たことがなかった。目で追えない相手とは戦えないどころか、一方的に狩られる。蹂躙される。
逃げるためにも自衛の為にも自己強化が必要だろう。
次に弱体化。これはいわゆるバッドステータスってヤツだ。俺の身体の状態からきていると思われる。火傷や骨折、打撲裂傷etc.動きを阻害する怪我が盛り沢山だ。
これのせいでSTR,VIT,AGIが下がっていて、HPは体調不良からきているっぽい。血が足りないとか、臓器を痛めてるとかそういうことだろう。
HP=生命力だ。つまりはそういうことだろう。
次にSP。レベルとの計算が合わない。基本lv.1上がるとSPも1だと聞いた。それなら合計で2しかもらってないはずだ。残りの3が特殊条件なんだろう。
次にDP。貯蓄分の1万Pは『冒険級火魔法』に費やしたから、きっと狼討伐分だろう。計算方法はわからないが当面はいいや。
いまの状態じゃモンスターと戦えないからこれ以上は増やせないと考えるべきだし。変に知って欲を出すと大変だもん。
次にスキル。魔力感知、HP回復強化(小)が増えている。魔力感知は、多分自爆に使った魔法が原因だと思う。魔法を使ったことにより、魔力に鋭敏になったんだろう。
もしかしたら魔法を使うのにはこっちを先に取る必要があったのかもしれない。思えばなんでできると思っちゃったんだろう?初めての魔法を躊躇いもなく使える性格じゃなかったと思うんだが?
自分で自分がわからない。
テンションが急激に上がって後さき考えないで使ってしまっていた。身体が違うからか?人間じゃなくなったからか?入れられた知識以外に何かあるのか?わからないことだらけだ。
しかし、絶対に言えることはある。もう2度とあんな真似はしない。魔法使うなら練習してから。モンスターと戦うなら準備をしてからだ。
知らない人を助けようとする心は確かに尊いかもしれない。でも、自分の命を軽く捨ててたら意味がない。それじゃただの自殺志願者だ。破綻者だ。まずは自分を守れる力をつけよう。
HP回復強化は、死の淵にあったことでなんか本能とかそんな感じの部分が刺激されて、奇跡的なエニシングがサムシングして舞い降りたのだろう。何を言いたいのか自分でもわからない。
属性魔法は増えて当然。取得したからだ。最後に、使役可能モンスターってなんだ?俺はまだモンスターテイムしてないぞ?
風の谷の少女みたいに、凶暴な動物を手懐けたりもしていない。勿論、魔物球も使ってないし、仲間になりたそうにこちらを見ているモンスターも見当たらない。いや、最後のがひっかかるな。
(お~い、カナエモーン。)
《・・・。》
(っ?カナエモン?)
《・・・。マスター。》
うわっ!びっくりする程冷たい!声が冷たい!氷点下かも?!
(どうしたカナデっ?!カナエモン、いやだった?ダメだった?ウザかったかな?)
《・・・。はい、マスター。私には、マスターにいただいた名前があります。カナデです。それだけは間違えないでください。》
ウザいとかは完全スルーらしい。淡々としてるが何気にメタこあい。
(お、おぅっ!わかったっ!わかったから、謝るからいつもの調子に戻してくれ!ごめんっ!俺が悪かったっ!)
誠心誠意、熱意と情熱を込めて謝る。平身低頭、ただひたすらに謝り倒す。謝り続けること10分程。
《・・・マスター。マスターが冗談で言っていることは、理解しています。ですが、私が私であるのに必要なこの名前は、どうか、大切にしていただけると嬉しいです。》
(あぁ、わかった。そうだよな。俺がつけた名前なんだし、変な名前で呼んでたらまた名前が変わっちゃうかもしれないもんな。軽率だった。ホントにごめんっ!)
《いいえ、マスター。わかっていただければ、問題ありません。》
(あぁ、今後気を付ける。)
《はい、マスター。それから、何か考え込んでいたようですが質問ですか?》
(あ、そうだよ!そうそう!俺のステータスでわからないことが沢山あってさ、それ聞きたいんだけどいいかな?)
《はい、マスター。もちろんです。》
さっき頭に沸いた疑問をカナデにぶつけてみた所、殆どは想像通りだった。予想と違ったのは少しだけだ。
レベルは、狼を倒して上がっただけでなく、攻撃が当たってダメージを与えた段階で、多少は入ってくるらしい。あと、レベルが上がれば確かにステータスは伸びていくが、それ以上に大切なのはスキルだそうだ。
あの狼たちも、単純に速いだけじゃなくて、速く走れるスキルを持っていたっぽいってことらしい。
あれがスキルを使った動きなのか。いや、ステータス差もかなりあるんだろうけども。
弱体化は予想通り。ただ、カナデの予想以上に治りが遅いらしい。その原因がわからないから、さっきは言葉を濁していたみたいだ。それ、なんて貧弱?普通に俺が『虚弱なだけ問題』が勃発しそうだ。多分きっとおそらくそんな感じなんだろう。なんかごめん?
そして、SPだが、驚愕の事実が発覚!俺のSPレベルアップボーナスはなんと「2」らしい!え?なになにっ?なんなの?!普通に嬉しいんだけど?!俺ってチート持ち?!種族チートktkrっ!!
喜んだのも束の間、どうやら俺の種族はステータスの上りが悪いからその分SPが多いそうな・・・。
微妙?器用貧乏で、貧弱なスキルばっか多いタイプの方面の成長が容易に予想できる。RPGだと序盤だけ活躍できるタイプね。
そうだね。ソウデスネ。どうせ後方サポートキャラですよね。なんせ迷宮主ですし?
ちなみに、端数の1は、自分よりもかなりの強敵を倒したから入ってきたBPらしい。レベル差だけじゃなく、色々な場面でおまけSPが手に入る可能性があるから、余裕があれば狙うと良いとのこと。いやいや、レベル差あるから余裕はないよ?
マジで。マジなので!大事なことだから2回言っちゃったよ。
そして、DPに至っては計算方法を説明されたが、なんかよくわかんなかった。階位がどうのとか、レベルがどうのとか。よくわかんないけど、本当は倒したモンスターの身体を迷宮に吸収させるのが1番効率がいいらしい。家無き子にはツラい現実だった。いじめかもしれない。引き篭もり推奨の仕様らしい。できるだけ早く洞窟部屋造らないと、チートもオチオチやってらんないらしい。ダンジョン造るのにポイント必要で、ポイント集めるのにダンジョンが要るらしい。
良くできた矛盾だ。俺いじめだ。現実ってツラい。コレなんてマッチポンプ?もちろんマッチ君やポンプ君にハブられる方だ。
ちなみに今回倒したモンスターは、ランクDで階位は5だったらしい?一匹平均DP20くらい。多いのか少ないのかちょっとよくわかんない。
500匹倒してやっと冒険級魔法級を手に入れられると。相当キツいでしょ?年間計画立てても大変そうだ。
そして、生えてたスキルは完全に予想通り。使い方まで予想通り・・・orz。
急に冒険級魔法とか、使っちゃ「らめ~」らしい。ごめん。ダメらしい。
普通は、精神統一や周りのサポートを受けて魔力を感じたり、整えたりしてから初歩の生活魔法で練習したりするらしい。俺の場合は、魔法使うのがうまくなるスキルでもつけていれば、たとえ使い方を間違っていても大丈夫だったかもしれない、とのことだ。マジかよ。
この怪我は自業自得なだけじゃ飽き足らず、俺の精神をゴリゴリ攻め立ててくる仕様だった訳だ。
そりゃ痛いわ。って痛すぎるわ!!残りのSPだけでも多少は魔力操作系統取れてたかもしれないと思うと、やりきれない。既に心が挫けようとしている・・・!!
(なぁ、カナデ。ちなみに最後の使役可能モンスターってなんだ?)
《はい、マスター。こちらは迷宮主としての能力の一部で、迷宮内で召喚できる魔物が閲覧可能になっています。》
(・・・ちなみにさ、解放条件とか、あんの?)
《はい、マスター。使役可能な魔物の種類を増やすには、ご自身・もしくは使役中の魔物にて未登録の魔物を倒すことです。》
ダンジョンの仕様にも絶望した。
お読みいただきありがとうございます。
頑張って更新速度あげていきますので、お付き合いいただけると幸いですm(_ _)m
自爆が自業自得で情弱が原因だったと気付けた想君。
今後に色々活かせるといいね?
がんばだよっ!
次回予告。
想君自身の設計を始める?