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折角魔力のある世界に来たのに残高いつもほとんど空っぽ 今日もツラタン枯渇が憎い

感想、評価をいただきありがとうございます(*´∇`)

読んでくださる全ての方々へ感謝の祈りを捧げながら、本編第88-2話を投稿させていただきますー!

前後半に分ける形式の後ろ半分の投稿です!

続きは日曜日に投稿しますと言っておきながら今日は木曜日ですねごめんなさい(>_<)

お仕事サボれないくらい忙しいとかやめてー!<-アリエナイ心の叫び


これからも皆様に楽しんでいただけると幸いです(*´∨`*)

急速に魔力を吸われてびっくりしたが、気絶とまではいかずに済んだ。てか途中でなけなしの気力と精神力を振り絞ってリュックを投げ捨てた俺氏グッジョブ。プギュだかミ"ギャだか言ってた気もするがそんなん知らん。魔力は生物の生命線だぞ?簡単に持ってきやがって!猛省しろ猛省!

アンナベルの下着とリュックに潜む黒い悪魔こと尻尾のせいで予定外の魔力消費をしてしまったがここで諦めたら男が(すた)る。しっかりと予定を消化してこそだと自分を奮い立たせるが心は余裕で折れる寸前だ。

悔しいから黒い尻尾のことは予定(スケジュール)外だからと頭の中から一時的に削除してみることにする・・・削除に成功。これで未来永劫思い出すまでは(わずら)わされることはないことであろう。<-注:思い出さない可能性がありますので十分にご注意ください。


「魔力のないマスターはただのザコですので大人しくしてください。」


カナデさんの口撃はいつも心に痛い。ドSさんなのかもしれない。いまだに『なのかもしれない』と言っているのは実はデレ隠しかもっていう素敵な可能性をなくさないためだから欠かせない。でも負けないぞ!だって、男の子だもん!なんだもん!


「男性であることを意識しすぎると、逆に女々しく思えますね。」


容赦はないしデレもない。ただの鬼畜のようだ。


「そんなこと言われても負けはしない!俺たちの冒険はまだ始まったばかりだ!」


いまこの場においてまったくもって似つかわしくないフラグを立てておいてリビング?を出る。ふざけてないとやってらんないくらいにしんどいんだもん。

まず最初に目指すのはイーザウの部屋。特にあの人形部屋に行きたい。なんてことを言うと人形フェチなのかと勘違いされそうだがそうじゃない。あの身体にこそ用があるのだ。


「人形の身体が目当てだったのですか。」


「そういわれると怪しい雰囲気がMAXになるからやめていただきたい。今回のことはアンナベルのためだってわかってるだろ?」


いつもそうだけどカナデさんは知ってる上にわかっててこういう意地悪を言ってくる。俺をいじめて楽しいのだろうか?それともこれくらいならいじってるくらいの感覚なのかな?いまいちよくわからん。

それにしてもあいつの身体のために人形の身体を手に入れなくちゃならないんだから、俺の性癖とはさっぱ関係ないことを言ってるハズなのにどう言っても変態チックなのはなんでだろう?言葉って難しい。


「あとは、ダンジョンコアに流れる魔力を使って掌握領域を広げながら行くか。『メニュー』。」


グー〇ル先生はこの場にいないが俺には素敵な近未来型タッチパッド、『メニュー』くんがいる。当然ながらソフト面やアプリ的な部分では勝ち目はないが技術面で言えば宙に浮く透明なパネルの圧勝だろう。

現代日本ではいまだにゴリラガラ〇をツンツンしたりプラ製のボタンをポチポチしてる程度だもの。ハッ、時代遅れのサル共が!(嘲笑)文明の利器とはこういうものを言うのだよ!


「指を触れずにPCなどを操作する技術は既に完成しているそうですよ、マスター。」


「なん・・・だと?」


ハードで並ばれると流石にキツい!こっちはネットワークがどこにも繋がってないアンインターネット、略してアンネットなんだぞ?!


「アルプス辺りにいそうな名前ですね。」


「俺は19歳だからその辺りは知らん!」


どちらにしても危機的状況だ!テレビもゲームもスマホもないが、この光る透明なタッチパットがあれば勝つると思っていた矢先にこの発言!くそぅ!敵は本能寺にありか!?俺は戦う前から遅きに失していたのか!なんたる体たらく!なんたる傲慢!敵を知る努力をせずに勝った気になるなど俺の方こそサルではないか!



――――――――マスターのわけのわからない非合理的な愚行が終わりそうにないのでここからはカナデが進行を務めさせていただきます――――――――



グチグチいいつつ暫定リビングを抜け出たマスターたち一行は、ゆっくりとその歩を進めていきます。そして、その歩みがゆっくりなのには明確な理由があります。先ほどマスターが仰っていた件、迷宮(ダンジョン)の支配領域を広げながら進んでいるからです。

迷宮核(ダンジョンコア)には先日ミノタウロスを倒した日から魔力が供給されていましたが、その量は本当に微々たるものでした。しかしながら昨日その仕組みを改善したため、たった一晩ではありましたがそれなりの量の魔力を貯めることが叶ったようです。

この迷宮核(ダンジョンコア)に貯めた魔力を消費しながら支配領域を広げていくのですが、その際にしっかりと支配領域の範囲を指定しないとあらん限りの魔力(マスター保有分含む)を使って領域拡大に努めてしまうために、歩く速度を速められないという弊害が発生しております。

このように直感的に使用できないのがDM(ダンジョンマスター)としての権能の不便なところですね。有事の際に作成者(かみ)と即時連絡が取れないばかりに使用時にエラーが起きないことを念頭に設計されてしまっていることに起因してしまっています。

これではあまりにも仕様上の問題が多すぎるので可能であれば調整したいところですが・・・接続可能を確認。管理者権限の設定は・・・セキュリティが何もないですね。ファイヤウォールすらないとはこのご時世考えられません。administratorにパスワード設定もありませんか。これはもうやろうと思えばどうとでもできるということ。余裕があれば後程やっておきましょう。


「できることならマスターには気付かれないように・・・。」ぼそっ


「んあ?カナデさん、何か言った?」


「いえ、特に何も。」


ここ最近、常に展開を続けている『集音探知(アセンブルサーチ)』は慣れを通り越して自然と使えてしまう状態になってしまいました。つまりは無意識下でカナデの意思が外界へと出てしまう、ということですね。これが俗に言う【独り言】なのでしょう。少々不便といえば不便です。

それにしても前々から感じていましたが、やはりマスターは難聴系なのでしょうか?カナデの声は普段は魔力消費を抑えるためにマスターが所持する銅板を通して出しているのですが・・・誰よりも近くで発声しているのに聞こえないとは頭がおかしいのでしょうか?

・・・いえ、感覚を共有しているカナデには聞こえているので聴覚機能としては問題ないですね。マスターの性格、ないしは集中力によるものですか。非常に残念極まりないです。

マスターの意識も拾っているのでわざと聞こえないフリをしているという可能性もありませんし、この件に関しては保留としておきましょう。その分カナデが警戒を厳とすれば事足りることですから。

そして暫く支配領域を広げながら進んでいくと、マスターにしては珍しく寄り道をすることなくイーザウの地下室までたどり着きました。今日の目標は人形の部屋を調べること。アンナベルの身体に使えるものがないか調べる予定とは聞いていますが、実体化が可能らしいアンナベルに果たして必要なモノなのでしょうか?カナデにはわかりかねます。


「ちょっと怖いけどただの人形だし、サクッと入ってサクッと終わらせよう!」


「はいなのー!」


「んー。」


「ママぁ?|ヒアーをルックしたことあるとシィンクなんだけどぉ~、ホワーイ?ハウカム?」


「はい出たエセルー語。何がどうしてどうなってそうなっちゃってるの?英語もヤだけどエセルー語もわかりにくいんだけど。」


まだマスターには中途半端な内容で聞こえているようですね。翻訳の機能に関してはカナデを解すことなく実行されているためカナデには翻訳結果がわかりかねますが、どうやら意味が通じにくいままのようです。


「マスター、まだ通訳はご要り用ですか?」


「いや、一応なんとなーくわかるから大丈夫、かな?多分。自信はないけど。」


「そうですか。必要がありましたらお声かけください。」


どうやら自力でコミュニケーションを取ろうとしているようですね。翻訳機能やカナデに頼りきりにならないのはマスターの数少ない美点ではありますが、カナデを頼られないというのももどかしいものです。

・・・もどかしい、ですか?はて?何故そのようなことを思うのでしょうか?案内役としての矜恃にかかってくることは理解できますが、(いささ)か不可解ですね。理由を探ろうにもカナデ自身の内面構造は把握が困難なので保留しておく以外にないのですが・・・まぁ、マスターのせいとしておきましょう。


「ここはアンナベルが召喚された場所っぽいんだよ。だから見覚えあるんじゃないのか?」


「アーハン?アイシー?」


「微妙に覚えてないっぽいな。奥に人形がたくさんあるのも覚えてないか?」


「・・・ドール?」


「まぁ、動かないからドールか?」


よくもまぁ疑問符続きで会話ができるものだと感心します。当人たちのIQが近似する値なのでしょうか。波長、ないしは馬が合うというヤツなのでしょう。


「テトたちはどうする?一緒に入る?」


「一緒に行くの!ミリーが怖がるとこに、ソウだけ入るのはダメなの!」


「いや、俺だけじゃなくてアンナベルもカナデさんも入るんだが・・・。」


「ダメなの!」


「あ、はいすみませんわかりました?」


童女に押しきられるマスター。へたれてますがそれで平常ですね。


「ニコちゃんも一緒なの。ソウがムチャしないように見張らなきゃなの!」


「ん。やる。」


「はてさてふむ~?見張ってても何もないと思うけどね?まぁ、みんなで行けばそれはそれでいっか。特に危険がある予定もないし。」


渋々了承しつつマスターが人形部屋と呼んでいる所の扉に手をかけます。


キイッ


前回同様経年劣化は軽微なようで、ほぼほぼ抵抗なく閉ざされていた部屋の扉が開きます。


「なんかここだけ暗いんだよなー。『光よ灯れ(ライティング)』。」


淡い・・・とは言い難いどこか人工的な光が部屋の中を照らします。マスターのイメージする光という概念に蛍光灯の輝きが多量に含まれていることが原因でしょう。白色灯のような輝きがどこか無機質な人形たちをより一層際立たせているように思えます。


「うへ~。改めて見てもやっぱすげぇな。人形、人形、人形の山だわ。」


確認できるだけで57体もの人と変わらない程度の大きさの人形たちが安置されているので、山という表現もあながち間違ってはいないかもしれません。


「んむ~・・・。」


(うな)りながら進むマスター。考察モードに入ったようですね。


「テト、ニコ、マスターは例のアレです。いまのところ周囲に脅威はありませんが動ける準備だけしておいてください。」


「はいなの。ニコちゃん、ソウの近くをお願いなの。」


「ん。まかせて。」


「アンナベルちゃんはどうするの?」


「アンナベルはマスターの近くにいた方がよいでしょう。それでいいですか、アンナベル?」


「Well O.K sure.」


了承は得られたみたいですね。それではカナデはこの部屋にある魔法陣の解析でも始めるとしましょうか。



――――――――――――それから暫くの時間を置いて



「うん、この個体が1番近いかな?おーい、アンナベルー。」


「ハァーイ、ママぁ?」


「ちょっとこの人形と並んでみてくれ。」


「ハーイ。」


この部屋に沢山ある人形たちの中で、最もアンナベルと背格好と顔の造りが近い人形を選んでみた。


「でも若干この辺が違うか。それでも1度やってみよう。ちょっと『人型同期』を意識してこの人形に触れてみてくれないか?」


「『人型同期(ヒューマロニゼイション)』?」


アンナベルがスキル名を口にしながら人形に触れると、途端にアンナベルの存在感が薄くなった。


「What does all this add up to? I wonder why problems like this are happening!」


「えっ?なになに?なんだって?」


アンナベルの存在感と連動して俺の理解力も低下してしまったのか、全然何を言ってるのかがわからない。折角少しはわかるようになったと思っていたのにどうやら俺の勘違いだったようだ。


「いえ、マスターの勘違いではなくアンナベルの存在が薄くなっていることが原因でしょう。」


「そうなの?!それヤバいじゃん!」


何がどうヤバいかはわからんけどきっとヤバいと思うのでどうにか救済せねばなるまいて!アンナベルの存在感が薄くなったのが悪いっていうのなら、存在感(ソレ)を増す方法・・・増す方法・・・。


「き、奇抜なファッションとか?」


「アホウですか、マスター?」


「えっ?だって存在感増さない?トサカとか肩パッドとかいいと思うんだけど?!」


「どこの世紀末覇者ですか?そもそもが存在感ではなく存在としての、世界への干渉度の問題です。」


「世界への干渉度?急にそんなこと言われても全然わからん!世界って・・・・あ、魔力供給量増やせばいいのか?『メニュー』オープン!」


急いで慌ててアンナベルへ供給する魔力量を増加させ・・・ようとして備蓄が残り少ないことに気付く。ここまで来る間に支配領域拡大に全てを費やしてしまっていたようだ。マジかよ残高ェ・・・。


「ご利用を無計画的に使いすぎた!」


典型的な浪費家的失敗である。言い訳のしようもないくらいに貧乏になってしまった。


「・・・仕方ありませんね。『集音探知(アセンブルサーチ)』を切りましょう。テト、ニコ、後は任せました。」


「ソウ、周囲の警戒なら任せてなの!」ピッピコ!


可愛らしく尻尾が揺れるテトにゃん。あぁ、つまりはそういうことっすね。


「ん。ソウ、おき、る、まで。」フンスッ!


気合を入れて両手を胸元でグッとするニコ。逃げ場はとっくにないらしい。なんて愛くるしい追い詰め方だ。


「あは・・・あはは、は。」


乾いた笑いが思わず漏れた。どうやらまたもや搾り取られることが決定したようだ。昨日今日と魔力枯渇状態になる率が高すぎませんかねぇ?そろそろ干物にでもなりそうな予感がするんですけど。


(自業自得です、マスター。魔力の残量や実験の際のリスク管理はしっかりと把握してください。)


カナデさんのお小言と愛妹たちの優しい応援を受け、いま再びのカラへ・・・ふきゅん。



―――――――――――魔力回復のため休憩タイム―――――――――――



結論から言えばアンナベルは無事だったが俺のメンタルは無事じゃなかった。いつものように魔力枯渇は鬼ツラい・・・うぇっ。


「それでも多少は回復したのですから続きといきましょう。」


俺を労う言葉なんて向けてくれるハズもないカナデさんがゴリゴリ押してくる。逝けよ逝けよの精神すぎる。


「アンナベルはもう大丈夫なのか?」


「ンー、オーライ?I don't think I'll have any problems.」


「・・・そうかそうか。」


きっと大丈夫ってことだろう。何を言ってるかはさっぱりだが、気にすんなとか平気平気とかそんな風なこと言ってる雰囲気がする。うん。

さっきも少し存在感が薄くなっただけで済んでたし、案外コイツはしぶといっつーか図太いのかもしれない。案外っていうか普通にかもしれん。

あと、存在感の消失についても理由は後から聞いてわかったが単純に魔力を使いすぎたことが原因だったらしい。そんなことで空気になっちゃう異世界こあい。アンナベルだけのユニーク仕様なのがまだ救いだな。


「そもそも魔力消費が大きいスキルなのか、それとも特定の条件を満たせてないとかの何かしらの理由があるんだろうか?」


「マスター、『人型同期(ヒューマロニゼイション)』のことでしたら条件はさほど難しくないですよ。」


「・・・えっ?」


カナデさんに聞いてみると、その条件っていうのは(じじー)(笑)由来の知識の中にあったらしい。俺が思い出せてないだけ結構前に開放されてる知識だとのこと。


「なんで教えてくれないのさ?」


「なんで思い出してくれないのでしょうか?」


「お、俺の頭は残念ながらそんなによくないもん。」


「それでは尚のこと自身で思い出す努力をなさってください。そうすることで脳内神経回路(シナプス)が強化されて頭がよくなります。」


・・・女の人に口論で勝てるハズないですね。今度からもっと『メニュー』見たりして勉強しようそうしよう。


「んで、つまりはアンナベルの姿かたちと人形の差異が大きければ大きいほどに魔力を消費する仕様なの?まったくもって残念すぎる仕様のスキルだな。」


ようするにそういうことらしい。てか無意識に条件になるべく合わせようとしてアンナベルの身体や顔に近い人形を探してた俺、すごくね?


「本人と違いがありすぎると不便があるだろうというマスターの優しさは評価しますが、こじつけるのはよくありません。」


自分で自分を慰めるくらい許してほしいが、まぁ、いつものカナデさんだと思うことにしよう。慣れ始めてる自分がこあい。


「そんじゃま、アンナベルに近づけるだけ近づけてみるか。『生活魔法(マギアズ・リベアン)』、『形状変化(メタモライゼ)』。」


何度目かのお馴染み?の魔法を使ってムリクリ人形の造形をいじっていく。当たり前ながらロクな道具もないから強引すぎるほどに強引な行為だ。以前まな板を変形させた時とは比べ物にならないくらいに大変だが、一応カナデさんとダンジョンコアのサポートを受けているのでなんとか実現が可能な範囲にまで落とし込んでいる。


「ダンジョンコアの支配領域拡張機能を人形に使うとは・・・いつもながらマスターの頭はおかしくないですか?」


「ちょっと待ってよカナデさん・・・いつもながらに辛辣すぎると思うんですけど?攻め方も雑だよ雑ぅー。」


他にはない発想をしてるんだから誉められこそすれディスられる筋合いはないと思うが、カナデさんにそんな理屈は通じないらしい。普通と違うのは異常ということなんですね。わかりますん。


「作業をする上では有用ですが、使用方法が些か想定外だったもので。」


「想定もなにも、俺だってついさっき思いついたんだから仕方ないじゃん?あ、アンナベル、もう少し右向いてくれ。」


「Right?」


言いながらゆっくりと左を向くアンナベル。ふむ賢いけれどちょっと惜しい。


「違う、お前から見て右でいいの。そうそうそっち。」


互いに互いを思い合う気持ちがバッティングしてしまったようだ。この優しさが良くわからないという方は、ちょっと空気読めないタイプかもしれないのでお気をつけください。

ちなみにサンプルを見ながらやっているものの、それにしてもこれでもか!っていうくらいに難易度が高い作業に俺の造形センスが早くも悲鳴を上げて狂乱し始めた。

アンナベルさん、ちょっと左右の均整取れすぎじゃね?少しのズレも許されなさそうなラブなファントムじゃん。きっついわー下手に美少女なのがにっくいわー。

グニグニもぞもぞと動く人形の顔。知らない人が見たら人間の顔に大変なことしてる異常者に見えそうな予感がそこはかとなくするが、知ってる俺から見てもグロいなこれ。SAN値直葬まったなし。


「Oooh gross! What is that stuff? It's all spongy.」


いまのは翻訳なしでもわかるぞ!なんかキモい!何よそれ!とかそんなことを言っているに違いない!何せ女性のそういう発言には敏感なお年頃だからな!ふふんっ!


「あってはいますがそれで胸を張るのはどうかと。あぁ、左顎のラインが0.2mmほどズレました、マスター。」


「・・・くぅっ。」


要求されるのは精密な作業、完璧なコピー。なんで俺にはコピー系の瞳術スキルがないんだろうと疑問に思わずにいられない。コピー忍者への道のりは遠そうだ。


「MP回復ポーションをリポビタンデ〇みたいな感覚で飲み始めた俺氏。社畜のニオイが漂ってきた。」


修正しても(やっても)修正しても(やっても)終わらない。モノヅクリ頑張る人マジリスペクトしつつ、この日は終日アンナベルを見続けた。

サクサクお話しを進めようと意気込んでアンナベルちゃんのお話しを持ってきたら遅々として進まない。

やはり私は自分のことをよくわかっていなかったようだ?



以下駄文


月姫「早く次のお話しにもっていきたいので、ソウ君さっさぱっぱと進めてくれませんか?」


ソウ「はぁぁ?!ちょっ、おまっ、どんだけだよ!!いまマジでどれだけ大変な作業やってるかわかってないだろこらお前!?アンナベルの顔と人形の顔を見比べながら魔力を操って人形に干渉したままダンジョンコア操作しつつの造形いじって確かめt」

月姫「テトちゃんもニコちゃんも、もう飽きちゃったよねー?ねー?」


テトにゃん「え?・・・う、ううん、なの?」


ニコ「ん?へーき。」


月姫「うわぁー、こんなちっちゃい娘たちに気を使わせちゃってるじゃないですかー?」


ソウ「優しさが痛い。そして月姫(おまえ)が憎い。」

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