護衛船団とシーパワー
ダンバーの海軍基地で輸送してくれる飛行甲板とウェルドックのついたローロー船三隻のうちの一隻に俺たちは乗り込んだ。その時にはすでに低圧タイヤは出来ていた。連隊はそれも乗せてもらうことにした。戦闘艦艇と共に停泊していたその船は大日本帝国陸軍のあきつ丸に酷似していた。残りの二隻のうち一つには海兵連隊が乗り込み、最後のものには食糧や文民、医療スタッフが乗り込んだ。非戦闘員が参加することの目的から、この戦いで決着をつけるつもりなのだろうと俺は推測した。護衛の艦隊は軽巡が四隻と旗艦として充実した機能を持つ巡洋戦艦及び、エアカバーを担当する正規空母が一隻づつ、そして駆逐艦が五隻という艦隊だった。それらを指揮するのは、統合任務部隊の指揮も兼務するカーブル提督だった。
俺は艦隊の構成について対地・対艦・対空そして対潜戦をマルチにこなせる編成だと感じた。ただ、なぜその艦種があるのか疑問に思った。俺が関わっていた陸戦における技術レベルより、半世紀近く進んでいたからだ。そのことについて輸送艦のカーター艦長に尋ねた。その答えは意外だった。「答えは簡単ですよ。我が国は世界中と交易をしています。ルルシア帝国以外にも仮想敵国はいくつもあります。ほんの数十年前までは機帆船の方が主流でした。しかし、敵が取り得る対抗策はいくらでも出てきます。それを自分たちで研究していくうちにこのような編成になったのです。」そのように彼は答えた。さらに彼は続けた。「機帆船の場合、風魔法で安定した速力を出しつつ、喫水線を爆裂魔法で狙ってくる敵の帆船に対して脆弱でした。その為主力艦には装甲を舷側まで貼り付けました。さらに、敵艦隊を主力艦に近づけないように速力のある小型艦を輪形陣のように配置することで被害が出ないように対策を施しました。」それを聞いて、この国の海軍の対策は完璧だなと俺は感じた。「説明ありがとうございます。かなり納得しました。」そう答え、割り当てられた部屋に向かった。
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次回の投稿予定は4月12日です。




