幕間 ジンの思い
あの二人はどうやら違う世界から来たらしい。
ゼタギリウス様から依頼があった。
どうやら遊びに行って巻き込んだみたいだ。
この地区にしたのは信頼しているからだと言われても、当人たちが望まなければ違う地区に行くだろうに、と思い、直接会うことにした。
向こうに残してきた子どものことを気にしつつ、ここでも楽しんでいるようで安心した。
そして、愛情深い人間であることが分かった。
精霊もそのうち見えるだろう。あいつらも興味はあるみたいだし。
しかし、あれほどしっかりとした挨拶は久しぶりに受けた。
何をするのか、楽しみだ。精霊たちも喜んでいるしな。
それからしばらくして、リーンとパールと名付けられた精霊が生まれた。そこそこ力のあるものが側にいることを望んだようだ。あやつらが関わると他の精霊も契約しそうだ。
そう思っていたらあっという間に契約精霊が増えていた。
ただ、あの二人は精霊を使うことなく、自由にさせているようだ。だからか、あちらで好き勝手している。花のタネをねだったかと思えば、精霊樹のタネをねだるし。それが上手く育てば、次から次へとタネをねだる。
そして、庭に勝手に蒔いて育てているようだ。
問題は、それを笑ってみている二人だ。
精霊がお世話をしているから成長が早い、と思っているようだ。
その通りだが、それでいいのかと、聞きたい。
あの二人の庭だぞ。このままなら、精霊の好き勝手で育つ庭になるというのに。
それでも、できたものを大切に使おうとしてくれるから、嬉しいんだ、と精霊たちは、こぞって世話に明け暮れている。
あの二人が人形に椅子やらテーブルやらを作ると聞いて、自分たちの分も作りたいの、とねだり、作ったらしい。
その人形は、ゼタギリウス様があの二人に息子の代わりにと偶然を装って与えたものだ。
だからその人形を大事にするのは分かる。だが、椅子やらを与える意味がわからん。
だが、精霊たちは喜んでいる。自分たちで見様見真似で作るのは楽しかったようだ。
あの二人の元にいると、いろいろ体験できることが楽しみなのだそうだ。そして、食べ物も欲しいと訴えればもらえると喜んでいた。
あの二人に子ができた時、お腹の中から精霊と遊びたがっている想いが溢れていた。それを精霊は敏感に感じとる。
子が成長した時に知るよりも早くから知っておくほうがいいだろうと、愛された子であると伝えた。
案の定びっくりはしていたが、まぁ大丈夫だろう。
産まれ出るとき、少し手こずっていたようだったので、力を少し貸した。影響はすぐに消え去る程度の。そのあとすんなりとお産が進んだので、無事お腹の子は産まれた。
その子は産まれ出てすぐ精霊が嬉しさから周りを飛び回った。遊ぼ遊ぼと言うが今は休息が必要だからと、契約精霊以外を連れ戻った。
めらが少し大きくなり、目で追うようになった頃、精霊たちはめらのところに遊びに行くようになった。
めらは精霊たちと相性がいいようだ。さすが愛された子だ。一緒に物を作れば守護をかけられるようにまでなった。続けていけばますます力は伸びるだろう。だがまだ小さい。精霊たちにあまり力を使わないようにこちらで押さえておかなければならない。
あの二人の間に産まれる子はこれからも精霊に好かれるだろう。めらほどでなくても。
見守るのも楽しそうだ。
あの二人が変わりさえしなければ。




