1 私たちの新生活
新連載になります。
よろしくお願いいたします。
今回のみあと一つ投稿します
「すばる、おめでとう。かりんちゃん、すばるのこと、頼むよ。幸せにな。」
「すばる、おめでとう。かりんちゃんと仲良くね。喧嘩はしてもいいけど、ちゃんと仲直りするのよ。幸せにね。」
今日は私たちの息子の結婚式。私たちは幸せな時を過ごし、新婚旅行の見送りのためホテルで休んだ。
翌日、空港での見送りを終えて、帰る途中に足元の猫に気付かず、腕を組んだまま歩道橋から転落した。
「あのぅ………すみません………わざとじゃないんです……ただちょっとした好奇心で降りてみただけで……ほんとにすみません……降りた場所が悪くて、巻き込んでしまうことになるとは思わず…あ、私はこの世界を守護する存在で、ゼタギリウスと言います……あのぅ…」
土下座状態で上目遣いにそう言っているのは地球とは別の世界の神様と呼ばれる存在だ。
私たちを思わず巻き込んでしまったと。
私たちは顔を見合わせて二人で一緒にいられることはよかったものの、息子たち夫婦に申し訳なくて。
私たちがどういう状況か等聞いて結論を出すことにした。
「謝って済む問題ではないとは思いますが。まず向こうでの私たちの状況は?それから息子夫婦に被害は?新婚旅行に行ったばかりなんだけど。それから、これからどうなるのか、教えてもらえます?許したわけではないですが。」
「うっ。。はい……まずは」
私たちは歩道橋から転落した後、亡くなった。見ていた人が多くいたため、事故として扱われている。
息子夫婦に被害はないが、新婚旅行を繰り上げて帰ってきている。
遺産は全て一人息子に引き継がれた。
それで、これから先のことだがいくつかの提案をするのでどれか選んで欲しい。
とのことだ。
息子夫婦にとって、せっかくの新婚旅行なのに幸先悪い結果になって申し訳ないと思う。
そのため、幸先良い結果を、必ず至急、もたらすようにお願いし、できるなら私たちがなぜ転落したのか、真実を息子夫婦にだけは伝えて欲しい、とお願いした。
伝えられたのならば、私たちの状況もついでにと。
さて、提案だが、以下の4つだった。
①高位貴族となり、領地経営
②低位貴族となり、高位貴族の家で労働
③高位貴族の隠居となり、地方で領地経営の補助
④平民
ただし、平民の場合、職業は魔法道具作り職人、商売人、農民、から選べる。そのほかの業種は自分からの売り込みとする。
私たちが夫婦でいられて、面倒が少なそうなのが④であること、貴族とやらが大変そうだなぁというのは二人の意見の一致。
従って選択するのは④なのだが、職種で悩むことに。
「あ、どんな世界なのか、聞いても大丈夫ですか?日本と比べて。私たちが生きていくのにどれだけの違いがあるのかが、知りたいです。それくらいは教えてもらえますよね?」
魔法がある、魔獣討伐は国の仕事、街は城壁に囲まれているので魔獣は来ないはず、生活様式は日本より劣っている、便利グッズなどは当然ない、料理をするにも辛うじてコンロっぽいものがあるくらい。魔法回路を組むことでいろいろ作ることができる。
とのことだ。二人で相談した結果、迷惑料をふっかけてみることにした。
「では、④で魔法道具職人を。ただ、何も分からないので、基本が分かる本、当面のお金、向こうの常識、言語、生活する上で困らないようにして欲しい。そして、大事なのは、治安がいいこと、私たちの身の保証がなされていること、それから…」
「お、多い………」
「何か?あとは困らないように、地図と、読み書きと、計算は地球と一緒?一緒じゃないならできるように。可能ですよね?息子夫婦の件と合わせてお願いします。あ、あと…」
「えぇっっ。まだ……」
「小さくていいので、畑が欲しいですね。野菜を育てたいので。」
「わ、わかりました!!追加で私の世界で楽しんでもらいたいので、お二人とも若返るというのはどうでしょうか。息子さん夫婦と同じくらいの年齢に。それと、生活拠点は用意します。あ、あと、言い忘れていましたが、精霊がいます。ほとんどの人には見えませんが。あのぅ……それで許してもらえますかね……」
「「仕方ないですねぇ。」」
こうして、私たちの新生活が始まった。




