第二話 ガイウスという男
最終話です。
三番勝負最終戦は侯爵家当主。
娘の婚約を阻止する為、絶対に負けられない戦いである。
「ガイウス殿、今日はお越しいただき、心より感謝する。祭りは楽しんで頂いているかな?」
「ああ、とても楽しい。ここの者達は純粋に戦いを楽しんでいる。その目に嘘がない」
「そうでしょう。日々研鑽に勤しみ、年二回の祭りのために仕上げてくる。それは魔獣から自分を、家族を守るために必ず役に立ちます。もちろん民を守るため戦うのは我々一族の役目。だが民も有事に備えていてくれる。それがまた我々の力になる。領主だけでも民だけでもこの地は成り立たない。互いに支え合ってこの地を守っているのです」
「そうか、ここは良い土地だな」
「ええ。この領は強い」
ガイウスが頷いて、互いに戦闘態勢をとる。
どっしりと腰を落として構えたガイウスに対して、侯爵は半歩足を後ろに下げ立ったまま剣先をガイウスに向け横に構える。
両者の間を風が吹き抜ける。
先に動いたのはガイウスだ。大剣を繰り出す大きな動作に対し、侯爵は最小限の動きでいなしていく。
ミハエルの時のようなぶつかる音は一切なく、とても静かな戦いだった。
ガイウスも様々な攻撃を仕掛けていく。それにも関わらず、全ていなし、躱される。
「父上に挑むと全て躱されるから腹立つんだよなぁ。僕、永遠に一本入れられないんじゃないかって思う」
「ああ、力を乗せて全力でいっても軽く払われるもんな。筋肉がまだ足りないのか?」
「ミハ、無闇に筋肉をつけると体が重くなるぞ。だが、筋力を上げるのは賛成だ。母上に調整してもらえ。父上は拳でいってもいなされる。しかも体力がバケモノだ」
「「ほんとそれ」」
「歳いくつだよ、あの人」
三兄弟が父への不満を言う中、静かな戦いは続いている。
だが、ゾクっとした気配がしてギルフォードが観客席を見上げる。
対戦の最中だというのに、突然ガイウスが大剣を貴賓席、セレイアの方に投擲した。
その後、観客席に目を向けた時、侯爵がその観客席に向けて小刀を投げた。
貴賓席に向かったガイウスの大剣はセレイアの横を掠めて石壁に突き刺さり、セレイアを自分の身で庇うように引き寄せた夫人は観客席に小刀を投げる。
侯爵と夫人が投げたものが突き刺さったのは二人の男。そして、ガイウスの投げた大剣が防いだのは、セレイアを狙ったのだろう小刀だった。
一連の行動はまさに見事であった。
夫人は身を挺してセレイアを守ろうと動いた。
自分に小刀が当たるのも顧みず、小刀を投げた男を制することを優先した。
ガイウスの投げた剣はその結果夫人を守ったのだ。
侯爵はその上で反対側から狙う別の暗殺者を制した。
あの状況下で正確に暗殺者を撃ち抜いた侯爵夫妻と、貴賓席を狙って放たれた小刀を防いだガイウス。その技術は賞賛に値する。
ガイウスに至っては人間業とは思えない。
割れんばかりの歓声と称賛の拍手が起きる。
侯爵もまた、ガイウスに謝意を表した。
妻の命がガイウスの手によって守られたのだ。
「ガイウス殿、心より感謝する。本当に、本当にありがとう」
男泣きである。
セレイアと夫人のそばには三兄弟が守るように集う。
ギルフォードの指示によって他に暗殺者が居ないかの確認が進んでいる。
観客──民の協力もあって、次々と暗殺者が炙り出され、連れて来られる。
夫人とクルトに挟まれ守られたセレイアの瞳はガイウスへと向けられていた。
それに気付いた夫人が、ふわりと微笑む。
暗殺者達が次々と拘束され転がされる中、侯爵はガイウスを連れて家族のところに戻った。
侯爵がセレイアの顔を見て、妻に目を向けると、仕方ありませんわという風に笑顔を返してくる。
「ガイウス様、お守り頂き心より感謝いたします。ガイウス様のお陰でわたくしの命は救われました」
「いえいえ、ご無事でなによりです」
「ガイウス様、私からも感謝を。本当にありがとうございます」
「いや、剣が飛んできたのだ怖かっただろう?」
「いいえ。私を狙ったものではないとすぐに分かりましたので。ガイウス様はお優しい方のようですもの。理由なく危害を加えるような事をする方ではないと分かっておりました」
「優しい? そう、思うのか、俺を見て」
「ええ。戦いを見ておりましたら分かります。ガイウス様は義を重んじる方だとお見受けします。とてもお強くて、咄嗟の判断力も素晴らしく、相手だけでなく周囲もきちんと見ていらっしゃった。戦う相手が誰であっても敬意を持って戦っておられました。きっと、実際に手合わせしたお兄様達はもっとお分かりになったのだと思いますわ。とても楽しそうでしたもの」
「そう……か」
「はい」
そうか……と、ガイウスは口の中でだけ繰り返した。
「あの、お父様……」
「なんだい?」
ひそひそとセレイアが父に内緒話をする。
侯爵の顔が険しい顔に変わっていった。
グッと眉間に皺を寄せ、苦悩の顔に変わり、目を閉じて耐えるように奥歯をギリッと鳴らす。
「分かっ……た」
はあ、とため息をつく侯爵と、笑顔の夫人。表情が対照的だ。
何事かと注目する観衆。
この一連の流れは、貴賓席前の舞台で行われている。
「重大発表!」
侯爵の声に、観衆の騒めきがピタリと止まる。
「今セレイアにより、ガイウス殿と」
グッと言葉が詰まる。
「ガイウス殿と結婚したいとのお願いがあった」
おおっ! と、どよめく。
「セレイア、今回ガイウス殿にこの大会に来て頂いたのは、我々がガイウス殿がどんな方なのかを見極めたかったからだ。北方の守りを強化するため、王はセレイアとガイウス殿との婚約の命を出された。しかし、我々は先にガイウス殿の為人を、その強さを見極めたかった」
「全てにおいて合格以上でしたわね」
夫人はにっこにこである。
「セレイアが嫌だと言えば独立してでも断ろうと思っていたが……」
結果は嫌どころか大変気に入った様子である。
それは誰が見ても分かるもので、セレイアの視線はずっとガイウスに向いており、その頬は桃色に色付いていた。
そしてガイウスの方も満更でもなく、むしろ少し照れているようで、十五歳という年相応の姿が垣間見えた。
「この婚約を認めようと思う」
「お父様っ! ガイウス様が私の婚約者になるという事ですわね?」
「そうだ」
「~~~っ!」
嬉しそうにきゅぅ~と身を縮ませた後、シャキッと立ち美しくカーテシーをする。
「ガイウス様、セレイアと申します。末長くよろしくお願いいたします」
「こちらこそ、末長くよろしく頼む」
「お、お慕いしております」
顔を真っ赤にして言うセレイアはとんでもなく愛らしく、ガイウスからも観客からも思わずため息が漏れた。
「こんな可愛い令嬢が俺の婚約者?」
「うちの妹は可愛いだろう? 泣かせたらヴァルネ領総出で報復に行くからな。泣かせるなよ!」
ガイウスの首に腕を掛け、脇腹を殴りながらギルフォードが言うと。
「肝に銘じておこう。義兄上」
と返ってきて、その言葉に心的ダメージを受けてしまったギルフォードだった。
暗殺者の数は、仕留められた二人を含め、十人近くに上った。
仲間というわけではなく、依頼主も複数いるようで、吐かせるために嬉々としてギルフォードが連れて行こうとしていた。
「我が可愛い妹に手を出したこと、後悔させてやる。お前達も、依頼主もな」
「ああ、我が婚約者が狙われたのだ。潰しに行く時は俺も同行しよう」
「それは、心強い」
この時判明した依頼主の中で隣国は、北の防衛を失い、魔獣によって国が半壊した。
邪教にいたっては、本部がギルフォード率いる第一部隊とガイウスによって壊滅。
建物までもが木っ端微塵に破壊され、再起不能となり、そのほとんどを行ったギルフォードとガイウス、二人の名は事の成り行きと共に知れ渡った。
そして、ガイウスの名を国中に知らしめたのは、北部で起きた魔獣が大挙して押し寄せる、スタンピードだ。
数百年に一度起きるスタンピード。
それは、数ヶ月にわたって何度も続く。
前兆が全く無く、黒い森に数千万の魔獣が押し寄せ、不気味に蠢く音で異変に気付く。
奇しくも、その第一波が来たのはセレイアとクルトが北方に来ていた時だった。
当然、クルトと同行した第三部隊も前線に出た。だが戦えるとはいえ学園入学前の令嬢を前線に出すわけにはいかない。
セレイアは黒い森に一番近い防壁の上で弓を構えた。
ここからが一番眺めが良い。
「ガイウス様ーっ! 頑張ってー!」
セレイアの声が届いたガイウスは、塀の上を振り返って、応っ! と返した。
そこからの無双は、ガイウスの部隊が目を瞠るほどだったという。
「えー僕はー? 兄である僕のことも応援してよー」
「ははっ、姫様は兄君よりもガイウス様の方がいいと見える。ならば代わりにあたしが応援してやろう。クルト殿、頑張れ」
赤髪を高く結んだ部族の部隊を率いる女性戦士がクルトに声を掛ける。
「まあ、あたしに応援されたところで嬉しくは無いだろうけどね」
「そうでもない」
「……え?」
クルトもまた、意気揚々と鼻歌まじりに魔獣の間を走り抜け多くの魔獣を仕留めた。
この北部の戦士達との共闘は大変面白く、楽しいとクルトは思っている。
それは、連れてきた第三部隊も同じようで、勝手に仲良くなり、好き勝手に手合わせをしていた。確実にクルトも第三部隊も能力が向上している。
ガイウスが剣を横に振ると、斬っと数十の魔獣が真っ二つになる。
あまりにも簡単に切れるものだから魔獣の方が気の毒に思えるほどだ。
「ガイウス様の剣先からなんか出てるな」
「そんなことあるのか?」
「聞いたことねぇけど、姫様んとこで剣を作ってからか?」
「姫様んとこもとんでもねぇな」
ガイウスの前に魔獣の死骸が積み上がっていく。
他もガイウスに負けられないと士気はどんどん高まり、本来討伐に数ヶ月かかるものが、ものの二週間で終了した。
ガイウスが倒した魔獣は、半数近くに上った。
「ガイウス様!」
「セレイア! だめだ、汚れる」
「構いませんわ」
走り寄ってきたセレイアをガイウスが抱き上げる。
「もうっ、ガイウス様がカッコよくって、大好きだったのに、もっともーっと大、大、大好きになりました!」
「セレイアも、見事な弓の腕だった」
「だって、前線に出して頂けなかったのですもの。双剣が錆びてしまいますわ。また私と手合わせしてくださいますか」
「もちろんだ」
「ありがとうございます! ガイウス様大好き」
その首に抱きついて頬に頬をすり寄せる。
それを周囲はいつもの事と通常通り後片付けに動いている。
「セレイアぁ? イチャイチャもほどほどになー」
「なぜですの? 私達は婚約者、イチャイチャしても許されますわ」
「それはそうだけど、まだ結婚してないの! それに僕は適切な距離を取らせるように父上に言われて来てるの! 適・切・な・距離!」
「嫌です! ガイウス様と離れたくありません!」
「あれ? 反抗期かな? 結婚してからすればいいだろう?」
「結婚までにはまだ何年もありますわ。それに学園に入ったら三年間離れ離れ。寂しくて泣いてしまいそう」
「いやいや、休み中は戻るだろう? 会えなくはないんじゃないかな」
「でも……」
「セレイア、何かあればすぐ会いに行く。愛しい婚約者のためならばヴァルネ領だろうと王都だろうと必ず駆けつける。愛してるぞ、セレイア」
「っつ! ガイウス様っ! 私も愛してますっ!」
頬を撫でられ、愛の言葉を言われたセレイアは感極まったようにひしっとガイウス様に抱きつき、その背中をガイウスが撫でる。
クルトも仕方ないと肩をすくめて、抱えたまま歩くガイウス達を見送った。
セレイアとの婚約が成ったことで、北方の地は北の辺境領とされた。そして、ガイウスも北方の民族の次期統領から、辺境伯の令息と名を変えた。
だが、ガイウスも北方の民も王国との関係を変えるつもりは無く、自分たちを辺境伯家だとは微塵も思っていない。
だが王都では辺境伯令息という肩書きと共に最強と言われる所以の武勇が一人歩きし、王都の社交界を恐怖に陥れた事をガイウスもセレイアも知らない。
ただ、北の守護神という二つ名をセレイアは気に入っている。
ヴァルネ領と北方の部族の交流は、盛んに行われた。
年二回の武闘祭りには北方の部族の猛者も多く出場することになり、ヴァルネ領の猛者達も必然的に強くなっていった。
それに伴い武闘祭りは数日に渡って行われ、評判が評判を呼び国中から観戦者が殺到し、経済効果は莫大なものとなり、ヴァルネ領だけでなく北方の地域までもが潤った。
セレイアが学園在学中、先に北方に婿入りしたのがクルトだ。
北方の部族の女性と結婚した。
第三部隊の面々も多く追従した為、北方に移り住んだ人数はかなりの数になり、クルトはヴァルネ出身者と北方の部族を混ぜた一部隊の部隊長に収まった。
それにより北方の守りはさらに強化された。
「ずるいわ、クルトお兄様。私も早くガイウス様のところにお嫁に行きたい」
「ずるいぞ、クルト。私もセレイアのそばに行きたかった……」
妹と兄にずるいと言われたクルトは優越感を滲ませてふふんと笑う。それを赤髪の奥方が「あたしの旦那様が可愛い」とうっとりと眺めていた。
******
学園を卒業した一週間後、ヴァルネ領の闘技場は時期外れの賑わいを見せていた。
本来戦闘の舞台であるここが、この日だけ結婚式場に変貌していた。
観客席はたくさんの花が飾られ、至る所から色とりどりの布が下がり、華やいでいる。
円形の闘技場には、本隊と第一、第二部隊、北の部族と混合の元第三部隊、そして、北の部隊の一部隊が一堂に会した。
それぞれが正装をしたその姿は勇ましくも凛々しい。滅多に見られないこの光景を、観客は興奮が隠せない様子で見つめている。
観客席を埋めた領民達が見守る中、貴賓席の舞台で正装のガイウスと純白のドレスのセレイアが向かい合う。
見守る三人の兄のうち、ミハエルは開始直後から号泣し、ミハエルを獰猛なクマに似た魔獣に例えて可愛いと褒め、体は小さいのにめっぽう強い嫁に涙を拭いてもらっていた。体を丸めた姿は本当にクマのようだ。
この地で仙人と呼ばれている老人がこの地に伝わる婚姻の言葉を寿ぐ。
「この地を潤す川、邪を払う風、大地を豊かにする土、実りをもたらす陽、それら恵みを──」
両手を繋いだガイウスは美しい花嫁に目を細め、セレイアは久しぶりに正装をしたガイウスに見惚れる。
「──この地の祝福に、若き二人の永遠の結びを告ぐ」
仙人が二人に視線を送る。
「私ガイウスはセレイアを妻とし、慈しみ、なにものからも守り、生涯を終えるその時まで愛し抜くことを誓います」
「私セレイアはガイウス様を夫とし、慈しみ、共に歩き、支え、生涯を終えるその時まで愛し抜くことを誓います」
「二人が幾久しく、健康で仲睦まじく、民を守り、民に愛されることを願う」
誓いの言葉を終えると、観客席から贈られる拍手と祝う声はしばらくの間鳴り止まなかった。
侯爵も男泣きしている。夫人が慰めていた。
結婚式から宴会へと流れていき、身分関係なく大騒ぎとなった。
各所から放出されたワインの樽が次々と空いていく。後にワインの産地であるこの地からこの日を境に次期のワインが出来るまでワインが消えたという。
北の部族での結婚式が終わっていない為、初夜がまだなのをいいことにガイウスは父や兄達に囲まれて飲まされている。
セレイアも着替えてから、母や兄の嫁達と共にお酒や食事を楽しんだ。
ある程度付き合った後、ガイウスとセレイアは二人その場を離れた。
宴会の場を離れれば、騒がしさが嘘のように静かだ。
時折、店先で飲んでいる者に祝いの声を掛けられ返事をしながら街をゆっくりと歩く。
「ここは良い領だな」
「はい、私の自慢です。私は北方の地も大好きですよ」
「そうか、あそこもいいところだ」
他愛ない話をしながら領の屋敷近くまで来ると、街並みは平原へと変わる。
なだらかに盛り上がり、屋敷は丘の上に建っていた。そこに続く道を逸れ、平原へと下りて行く。
ゆっくりと歩きながら爽やかな風を頬に感じていた。
ある程度のところまで来た時、ガイウスがセレイアの方を見る。
セレイアの両手を取ると掌を上に向けて額の方に掲げる。
「我が魂をセレイアに。我が心、我が体、我を成す全てを以て、我が命、その炎燃え尽きるその時まで、離れず、我が全てでただ一人セレイアを愛する」
そう言って、セレイアの掌、額、両方の瞼、そして鼻先に触れるだけのキスをした。
北の部族は魂を生涯ただ一人、愛する人に渡すのだという。二つの魂は繋がり、自分が死んだとしても魂は繋がった相手のところに残り、相手が死んだ時に二つの魂が消える。
だからもし先に死んだとしても、肉体送りの儀式はしても魂送りの儀式はせず、残された相手が死んだ時に二人分の魂送りの儀式をする。
「ガイウス様の魂、受け取りました。私も、私の魂をガイウス様に。私の心、私の体、私を成す全てを以て、私の命の炎燃え尽きるその時まで、決して離れず、私の全てでガイウス様だけを愛します」
「受け取った」
セレイアもガイウス様にキスをする。
「セレイア」
「はい」
「俺を愛してくれてありがとう」
「私の方こそ、愛してくださってありがとうございます」
ガイウスがふっと笑う。
どちらからともなく近付き、唇が触れ合った。
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「いやいやいや、ガイウスおかしいって」
「何を言う、クルト。こんなの簡単だろ」
「こいつ、硬ってーんだって、そんな果物切るみたいに切れないよ」
「いやいやいや、あんた達がおかしいんだって、一人で一体倒すとかバケモンか」
「え? そうなんですか?」
城壁の上から弓数本で魔獣を倒したセレイアが首を傾げる。
「あ、こっちにもバケモンいたわ。奥様、普通あの魔獣は弓じゃ倒せないんですよ」
「だってガイウス様が前線に出ちゃダメだって言うから……」
「いやいやいや、身重な体で何言ってんすか」
「セレイアぁ、大事な体なんだから大人しくしてろー。兄様との約束だぞー」
城壁の下からクルトが声を掛ける。
「クルト兄様ぁ、こうやって大人しく弓に徹してますわー。あ、ガイウス様、さっきのとーってもカッコよかったです! 大好きー!」
「俺も愛してるぞ! セレイアとお腹の子の為に精のつくもの取ってくるから待ってろよ!」
「はぁい! いってらっしゃーい」
北方では今日も楽しく魔獣狩りが行われている。
この調子だと、数年後には魔獣が居なくなるのではと言われている。
お付き合い頂き、ありがとうございました。
いかがだったでしょうか?
実は、セレイアもめっぽう強いんですよ。
また次回お会いできましたら嬉しいです。
ありがとうございました!




