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断罪相手は人違い?最強婚約者乱入で現場が破綻しました。【出会い編追加版】  作者: 衛星 奏志
断罪相手は人違い?最強婚約者乱入で現場が破綻しました。

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第一話 巻き込まれました。

出会い編を追加した連載版です。よろしくお願いします。

第三話までは短編と同じです。

 学園の廊下を歩いていたら、悲鳴が聞こえて階段へと急いだ。

 階段半ばにある踊り場まで下りると、階段下に女子生徒が蹲って泣いていた。

 大丈夫ですか? そう声を掛けようとしたその時。


「突き落とされたわ、その人に! いやっ、来ないで、殺される!」


 女子生徒は私の方を指差し、周囲に助けを求めた。

 彼女の叫び声で集まった生徒達が私の方に注目する。


「わ、わたし……」


 ドクドクと心臓の音が響き、声が詰まって何も言えなくなってしまう。


「貴方見たわよね? 私、その令嬢に突き落とされたのよ! 痛いっ! 助けてっ!」


 女子生徒はさらに泣き叫び、男子生徒に縋りついて助けを求めている。

 足を押さえ、涙ながらに痛みを訴える女子生徒を男子生徒は焦ったように宥め、医務室へと促す。


「医務室へ行こう。手当をしなければ」


 男子生徒二人が両側から抱え、女子生徒を連れて行った。

 騒ぎが人を呼び、たくさんの生徒が私を困惑したような顔で見ている。


「少し、事情を聞かせてもらえるだろうか」


 やってきた教師に私は空き教室へと連れて行かれた。


 目撃者がしっかりと私を見たのに反して、女子生徒は一度も私の方を見なかった。


 *****


 被害者の女子生徒はリリー・フランボ男爵令嬢。


 そして、容疑者としてその場にいた私はセレイア・ヴァルネ。ヴァルネ侯爵家の一人娘だ。


「リリー・フランボ男爵令嬢との関わりはどの程度あった?」


 目の前に座るのは、生徒会長でありこの国の第二王子であるコンラート殿下。私の隣には女性教師が座っており、私のことを気遣うように背に手を当ててくださっている。


「面識もお名前も存じ上げておりません」

「なぜあの場にいた?」

「図書室に本を借りに行った帰りです」

「その時の状況を説明できるか?」

「はい。図書室で本を借りて、帰ろうと廊下を歩いておりましたら、女子生徒の悲鳴が聞こえました。何かあったのでは、と急いで階段を駆け下りました。そしたら、階段の一番下にその、フランボ男爵令嬢が蹲っており、私を指差して突き落とされたと。私には身に覚えがありませんでしたので、戸惑うばかりで……」


 コンラート殿下の声は私を気遣うとても穏やかな声だった。

 でも声が震える。怖い。


「なるほど。聞いたのは悲鳴だけか? 他に走り去る音や転げ落ちる音などは聞いていないか?」

「えと、はい。悲鳴だけしか聞いていません」

「分かった。今日は帰ってもらって大丈夫だ。また話を聞かせてもらうこともあるかもしれない。その時は協力をお願いしたい」

「はい、承知しました」


 そこからどう帰ったか覚えていない。


 家に着くとすでに家族に知らせが入っていたようで、


「ああ、セレイア……心配しないで、お父様もわたくしもあなたがそんなことをするなんてこれっぽっちも思っていませんからね」


 と、抱きしめてくれた。でも──と母が続けた。


「ガイウス様には早急にお伝えしておいた方が良いわ。婚約破棄に持ち込もうとするよくある手だもの」

「婚約破棄……」


 愛する婚約者の笑顔を思い出し、目の前が真っ暗になる。


「大丈夫よ。ガイウス様だってセレイアの無実を信じて下さるわ」


 母の優しい声に勇気付けられ、婚約者であるガイウス様に状況を伝える手紙をしたためた。


リクエストありがとうございます。

とても嬉しかったです。

出会い編を追加した連載版になります。

よろしくお願いいたします。

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